Maria Callas Diary

着物・ドール・お料理・お家・家族など、日々のことを日記として書いています。

【訪問着の別誂え(フルオーダー)第3弾】《生地選び編》

2013-04-21 23:15:11 | 着物
現在別誂えを進めている若草色の訪問着ですが、昨日・一昨日の京都旅行にて、
生地を決めてきました。


製作をして下さっている「公庄工房」様にお連れ頂いたのは、白生地の老舗の
「伊と幸」さんの本社です。フロアーに入ると目の前には広い畳の間があって、
その奥にある棚には天井にまで白生地が詰まれて、部屋の壁沿いにも沢山の箱が
積み上げられていました


伊と幸さんの社内には公庄工房様を担当している方がいらっしゃって、その方に
図案と地色をお見せして、訪問着用の四丈もののなかから、似合いそうなものを
10反ほど出して頂いて、じっくりと選びました。


いずれも上質で素敵な反物ばかりだったのですが、今回の訪問着は古楽器の柄で
周りに絵巻物や桧扇を散らした平安王朝を彷彿とさせる図案なので、それに良く
合いそうな、正倉院文様風の地模様のものを選びました


伊と幸さんの生地は、前回の訪問着でも実感しましたが、しっかりと重くて良い
生地ばかりを揃えられています。生地が重いということは、同じ長さの反物でも
使われている生糸の量がそれだけ多いということになります。

同じ長さの範囲で使う糸の量が増えるには、経糸の本数を増やしつつ横糸を強く
打ち込み、目を細かくしなければいけません。つまり、それだけの繊細な作業が
なされているということなのです。

昔と違って現代の生地はただ重ければ良いというわけではありませんが、伊と幸
さんでは図案・製織・精錬に至るまで一貫して自社で行っており、「日本の絹」
しか取り扱っていません。本当に上質な信頼のできる生地ばかりです。

公庄工房様は、せっかく別誂えで訪問着を作るならば、生地もこだわった一流の
ものを、という作り手としてのこだわりや信念をきちんとお持ちなので、今回の
ように手間を惜しまずにわざわざ問屋さんまでお連れ下さいます。

最近では絹の値段が上がってきているようですが、事前にきちんと予算をお伝え
しておけば、白生地にこだわっても、その予算の範囲内でできる最高級の着物を
お作りくださいます

こうして素敵な工房に出会えたことに、本当に感謝しています