食用カエル事件！

　「昨日明け方寝られへんかったわ・・・・。」

と夫は階下に降りてきて言う。

　「食用ガエルが裏で鳴いとった。」だぶんそれは牛ガエルの事だと思う。

　我が家の裏は広い空き地である。空き地といっても小山のようになっているから、春は山桜の大木が楽しませてくれ、梅雨が開ける頃は山百合が咲き乱れる。

　鶯や山鳥も飛び交い、自然に溢れている。それゆえ蛇やトカゲ、ヤモリ、はたまたムカデやヤスデ。毛虫や蜂のたぐいも豊富にいては、我が家の周りを我が物顔にうろつくの。

　そのなかでもカエルはでかい！！声も図体も。一度庭で見かけたが、この世のものとは思えないデカさだった。

　夫が言うには、そのウシガエルの声がうるさくて目が覚めたとか。
目が覚めたついでにトイレに行こうとしたところ、今度は階下で鳴いていたとか。

　「もしかして・・・」

　我が家には夜中に徘徊する猫達の為に、猫専用の出入り口がある。そこから、時々思いもよらない動物等が入ってくるのだが・・・。

　恐る恐る階段を下りると、なんとウシガエルの声は和室から聞こえてくる。

　「えっ！和室ぅ」

と、そこで私は気が付いた。　

「和室で寝てるのは私やがな！」

　ほんまひどいわ。それが言いたかったんやね。私のイビキがウシガエルみたいやったて。