夫は年に数回、学生時代の数少ない友人達と飲み?に行く。
「ゆっくりしてきぃや。何なら泊まってきてもええよ」と送り出すのだが。
「私は、今夜は遅いから」と言う割には、ジム帰りの私より早く帰宅している。
その日は朝出かける前に、「きっと、あいつらRAINBOWとか知らんよな。教えたらなあかん」
と嬉しそうに出かけて行った。
RAINBOWとは、夫の好きなK-POPアイドルグル-プの名前だ。
「全員、身長が168cm以上あんねん。足も綺麗しな~。美人やで~」と煩い。
夫は、背の高い若い美人が好き。兎に角、背が高い!と言うのは、夫の頭の中では、美人の第一条件のようなのだが・・・。
勢い勇んで出かけた割に、帰宅した夫はテンションが低い。
聞くと、「皆な、孫の話ばっかりしおんねん。孫が可愛いとか、自分の娘が可愛いとか・・・」
最後には吐き捨てるように言った。
「孫の話なんかするようになったら、終わりやっ」(すみません、お孫さんがいらっしゃる皆さん)
はっはぁ~ん。皆さん、あなたの好きなK-POPアイドルなんて、聞く耳もたずやったんやね~。
そりゃぁ、そうでしょう。結婚が人より10年も遅かったんやから、当然出遅れるわな。
つい最近も、
「お姉ちゃんのお友達、次々と結婚していくみたいよ」と言うと。
「何で皆そんな早くに結婚するんや結婚なんてせんでええんやっ!」とぶちキレ・・・。
娘にその話をすると。
「それって、ママと結婚したからパパがそう思うようになったんちゃうん?」
どうせ、そーでしょうよ。とどのつまりは、私のせいちゅう訳か。
でもね、後悔ばかりちゃうと思うよ。ママとの結婚は。
二人の子供達は、横道にそれることなく。自分のしたい事を見つけて、現在進行形中。
素直で、健康だしね。
「ママは反面教師だから。」と、二人の子供達は口を揃えるけど。
それだって、すごく大事な事と思う。
時に、熱過ぎる一面はあるけれど。子供達の為には、自身の危険も顧みない。
子供達が幼い頃。畑の畔道を散歩している最中に、大蛇が出てきて。
子供達を置き去りに、一人で脱兎のごとく逃げたパパとは違う
娘の記憶によると。大蛇の向こうで茫然と立ちすくむ弟が、今でも脳裏に焼きついているようで。
「あの時、パパは逃げたけど。ママは、蛇を飛び越えてレオを助けに行った」
この話が出るたびに、夫は首をうなだれつぶやく。
「そんなん、怖いやないか・・・私、蛇嫌い・・・・」
まぁ、私だけでも偏った子育てになるから。夫婦の子育ては、バランスが良かったと言う事になるだろうが。
で、夫。
「そんな事言わんと、また行きいぃや」と促すと。
「嫌!もう行かへん!もう、付き合わんでええ!」
あ~ぁ、どうでも良いけど。家に張りつかんといてね。