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来週の市場概況(3.5.07週)

2007-03-03 21:51:35 | 市場概況
いやはや、大変な動きとなってきました。円のキャリートレードの巻き戻しがここまで来るとは想像以上でした。ヘッジファンドなどが一斉に動けば、借りた円を返すために円買いが起こり円高を招くのは分かってはおりましたが、ここまで急に円高が進行するとは。

思えば、昨年の連休前に日経225平均が17480円を付けた時期には、ドルは4月11日の118.87円をピークにじわりじわりと下げ、連休後の5月17日に109.01円の安値を付けております。筆者は連休前に逆指し値をして出かけたため、あっさりと売れてしまった(もちろん、損切りの逆指し値)のを良く覚えております。約10円の円高が27日間かけて進行した訳ですね。今回のピークは2月13日の121.93円です。まだ先週の金曜日で半分くらいしか日柄しか経過しておりません。

同じ時期に日経平均は4月21日の17480円の高値から、3番底半を付ける6月14日には14046円まで約20%の下落がありました。為替の下落率8.3%に対して倍以上の株価の下落だった訳です。今回は2月26日の18300円をピークにしてまだ約6%の下落です。

ここから2番底、3番底に向かっていく可能性についてはより高まったと言えるでしょう。昨年の日経平均はOSC値にして34%までの下落がありました。金曜日はまだ49%です。折しもNYダウもまた金曜日に大幅下落。

筆者は、今回の世界同時株安、先日の日銀の利上げのインパクトが引き金になったと考えております。2月22日のブログに、ヘッジファンドが100億円を借りて米国財務省証券を買うと、1日あたり124万円が利益となると書きましたが、これは日米の金利差の試算であって、実際にはヘッジファンドは高利回りを求めて世界のリスク商品にレバレッジを効かせて円を買った資金で運用している筈です。そこに日銀のたったの0.25%利上げですが、金利倍増がヘッジファンドにとってどれほどのインパクトを与えてしまったのか、これが問題でした。ヘッジファンドが金融デリバティブ商品など駆使しながら仮にレバレッジを20倍効かせているとしますと、0.25%X20倍=5%の金利相当でした。それが日銀の金利倍増で10%の金利相当になってしまいます。この金利差の5%は、世界のヘッジファンドの年間平均運用利回りに相当します。

こうした綱渡りのような金融連鎖が世界中に張りめぐらされているのが、今の時代と言えます。

これ以上の素人の後講釈は差し控えるとして、どうみてもマザーズ指数やヘラクレス指数は、これから去年のようなOSC値で20%台前半までの下落は避けられそうにありません。IXI問題の余波が拡がる恐れもあります。金曜日でマザーズ指数のOSCはまだ50%(-1%)、ヘラクレス指数は前日同値の53%です。

今年の新興市場のOSCは30%割れはありませんでした。この不可思議さは、このところの世界同時株高で底上げされていた訳です。

筆者は、金曜日の予告通りにキャッシュ100%にしました。個別銘柄を仔細に見ても、大きな相場のうねりに翻弄されてしまうでしょう。

従って、恒例の明日の注目銘柄を選別することは差し控えます。あえて言えば、やけっくそで、どれもこれも注目です。優良銘柄も糞もありません。

先日は驚愕のNYダウの下落での、寄り付きからの投げを拾った方の勝ちでした。明日もその二番煎じがあるかどうかですが、それはないと見ます。先日寄り付きで投げた方は、そこからの学習があり、寄り付きで果敢にも買った方は、その後の下落への疑念と恐怖があるからです。一応成り行きに任せて、事が落ち着くまでは傍観するというのが大勢ではないでしょうか。買っても瞬間湯沸かし器のようなトレードと成らざるを得ません。鉄火場に素手で入り込むなら、その位の覚悟しかありません。
コメント
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