明日の注目銘柄（３．２．０７）

マザーズ指数の今年の推移を見ると、本来反転するべきところではなかった１月１６日から１９日にかけて上げたことが異例だったようです。日経の強さに引っ張られての相対的な弱さ（ＯＳＣで１月１０日が３２％）での、今思えば中途半端な上昇です。それと同じ現象が２月１３日のＯＳＣ３１％からの２月２３日までの反転にも現れております。

今日でマザーズ指数のＯＳＣはまだ前日比－５％の５２％もあります。同様にヘラクレス指数も－６％の５３％です。ヘラクレス指数も今年は４０％、４５％を底にしての反転です。このタイミングで日経平均の調整が絡んだことで、新興市場は昨年の安値割れまで行くかも知れません。それほど循環論からいうと悪いポジションにあります。

筆者がトラッキングしているギャップアップ、ギャップダウンを考慮した真の安値・高値を通算したラリー・ウィリアムズ風の指数値では、マザーズ指数は今日で９８５ポイントとなり、昨年１う１月２１日の９５８ポイントという安値に後３０ポイント程に迫りました。その時のＯＳＣが２４％です。今日はまだ、繰り返しますが、５２％もあります。誰が見ても後２週間程度かけながら、今年新興市場がやり残している？２番底、そして３番底（ここまで来ると「奈落の底」でしょう。）まで行かないことには、「救い主」は現れないのではないでしょうか。その間は、新規ＩＰＯで有望株が必要以上に物色されて買い上げられたりするかも知れません。

日経平均のＯＳＣは、ちなみに、前日比－１％の５３％です。２月７日の４９％までまだ５％あります。これはＯＳＣを順当に下げている格好でしょうか。

といった具合に投資家の心理状態は悪化しておりますが、日経その他も含めての明日の注目銘柄です。

テクニカル用語の簡単解説

１．２４３２ディー・エヌ・エー　▲　逆張り注意
　この株、異常に粘り腰を発揮したようです。３８１Ｋからはきちんと切りかえしておりました。明日も押し目があれば買いです。しかし、ＯＳＣは１２日間連続５０％台と高水準です。この粘りがどこまで続くか見もの。新興市場では希有な高ＰＥＲでの右肩上がり銘柄です。

２．４８０９パラカ　△　逆張り注意
　この株も２月５日には好決算で２４５Ｋまで付けた株です。その後ＯＳＣが３２％まで落とされてから今日まで上昇を続けて５８％とコンバージェンスしております。先日の８９１３ゼクスの綱引きのような状態です。（ゼクスは今日はなんと８０％です。これは行き過ぎ。一度落とされるでしょう。）今日の安値付近の２００Ｋまで押された時が狙い目です。

３．６１６３エイチアンドエフ　△
　かろうじて健闘していた数少ない新興株がこれです。引けまで何とかプラスを維持して＋１％の５１％です。２７日のＯＳＣ３９％が効いております。本来なら２８日に上げる筈が例の下落騒動に巻き込まれ、その分今日の反発の強さとなったようです。明日もこの株の息が持ちこたえるかどうか注目です。ＭＭ銘柄だけに少々アップダウンが激しいので注意。

４．６２５９大崎エンジニアリング　○　逆張り注意
　今日苦杯を舐めた株ですが、今日の４１６Ｋからの切り返しがどうしても気になります。２月１９日のＯＳＣと並ぶところまで来ているのです。３７％です。明日最後のトドメの下げがあって４１６Ｋ割れせずにジリジリと切り返すか、４２０Ｋあたりまでの押し目で終わってから切り返すか、いずれにしても切り返しのタイミング待ちです。○としたのはもちろん、この株で塩漬けを食らっている家人への思いからです。何のことはありません。私情からです。はい。

５．３２４１ウィル不動産販売　△
　データが少ないのであたり外れがありますが、３０１Ｋの最悪期を脱してのＯＳＣが３日連続３７％→４５％へと上昇です。乖離幅も－１５Ｋあります。公募価格２０万円でＰＥＲが６．７倍。今３１６Ｋですから約１０倍。同業は１２倍未満と、上げ余地はそう大きくはありませんが、押されすぎていることには変わりありません。

６．３８３６ディーバ　△　逆張り注意
　これは確実に明日の押し目狙いです。３００Ｋ割れならなお良し。

７．４０６３信越化学　▲
　このところ押されておりますが、テクニカルには反発体勢に入っております。今日は－３０円終わりですので、明日の押し目買いです。

８．２３１５ＳＪホールディングス　▲
　今日の８９１Ｋからの這い上がりは見事でした。９０Ｋの厚い買い板が売り方に崩されるやいなや、怒濤のように押し寄せる売り浴びせから、ものの数分のうちに９０Ｋ回復はもとより９０５００円あたりへの押し戻しは、調子に乗ってから売りするとどうなるか思い知った方も多いでしょう。そこからは引けにかけてはすり鉢を這い上がるような見事な上昇です。一度９０Ｋ割れの恐怖からの復活を見せておいての上げですので、一方的なものでした。これはきっと玄人筋が絡んでいるのでしょう。と言うわけで、迂闊な調子乗りの方は避けた方が身のためかも知れませんが、この引けの勢いでテクニカルには良い形で終わっております。明日の動向が気になるので筆者は買えませんでしたが、明日押し目があれば、呉々も罠にはまりこまないように注意して参戦してみようかと思わせるほどに、なかなかに面白い株です。

９．４５１８富山化学　△　逆張り注意
　東国原知事の鳥インフルエンザ終焉宣言が、明日のこの株の株価にどう影響するかもさることながら、この仕手株、なかなかに面白いポジションに来ております。狙いは明日８３３円の今日の安値あたりまで近づくのを待っての買いです。場が悪ければ売り浴びせがあるでしょう。まだ指数値的には８００円割れあたりまで行かないとこれまでの熱が冷めません。

１０．１７２９三光ソフラン　△
　地味系ですのであまり期待せず地道に１０円位の上昇があるかどうかです。寄り付きが同値か＋１－２円始まりなら。

１１．４８２２ハドソン　▲　逆張り注意
　暴れん坊、ハドソンが押され気味で元気がありません。出来高も急減。しかし、こうした時こそ仕込み時かも知れません。今日プラ転すれば買いに入るところでしたが、マイナス終了でしたので見送りました。明日も出来高が少ないようだと見送りです。しかし、後一歩でしたが良い形で終わっております。

１２．２４００メッセージ　▲　逆張り注意
　やっとこなれてきたかと思います。貸借銘柄ですのでこのような軌跡を辿ることになるようです。明日再度の２００Ｋ割れがあればじっくりと反発を待っての買い出動です。

１３．６７８７メイコー　△
　１日切るのが早かったようです。癖株であることをもっと心して見抜くべきでした。今日の上げも本物かどうかは疑問だったので、上げているのは分かっていながら何時売りが殺到するかの恐怖から入れず。出来高はしかし一時の１０万株を越える勢いからするとまだまだ。もし明日出来高が増えるようだとこれは上げるでしょう。

１４．２３７１カカクコム　○　逆張り注意
　三菱ＵＦＪ証券のレーティング下げが影響しているのか、このところの下げは尋常ではありません。まだ本復とは行きませんが、よく見てみるとここまで下げるか、といった位置まで来ておりますので、思わず○としました。当面、３７０Ｋが割れるのかどうかが焦点となりますが、この株は新興市場の中でも、ＤｅＮＡと並ぶ程の有望株と見ております。何しろ、ネットで保険の加入時の診断までやらかす会社です。ここまで売り飛ばして来た方々（そういう筆者も先日食い逃げ）に、何とか一泡ふかせてやりたいものです。

１５．９８８８ＵＥＸ　△　逆張り注意
　急騰を続けてきた株、昨日での３１００円はさすがに底でした。そこを買えなかったのは筆者の問題ですが、やはり今日も切りかえし基調は顕著。明日再度３０００円に近づくようなことがあれば買いか。

１６．６９６６三井ハイテック　○
　出来高を伴いＯＳＣは２７日の４１％を底にしての連続５２％で前日比＋３１円。ＲＳＩも２７日の２０％を底にしての今日は顕著な切り返しでまだ３２％です。明日はセオリー通りに上げるかどうか注目。

以上です。持株は６８９０フェローテックと、一発期待で引け際に性懲りもなく２３１Ｋで買った２１３２アイレップのみ。

返り討ちに合う

いやはや、今日の相場の最初の戻しはせめて１時間ほどは続くものと思っておりました。ところが９時半頃に先物が切りかえしたのが、結局は「下げサイン」でした。一旦上げると見せての売り攻勢というのはよく見られる光景ですが、１０時を過ぎる頃から段々と雲行きが怪しくなり、前場引け際には昨日ほどではないにしても、総投げの状態になりました。

筆者は、いち早くその動きを感じて、まだ動かずにいる株を中心に順次処分。
家人の仇を取ろうなどと言う不謹慎な動機から昨日買ってしまった６２５９大崎エンジニアリングを４３７Ｋ（－１５Ｋ）で、２３８Ｋで買った２１３２アイレップは２３８Ｋと２３５Ｋで、今日買った３８１２ゲームオンは－１Ｋの３０９Ｋで、３７８３ナノメディアは－２Ｋの２３７Ｋで、そして唯一のプラスは３５３Ｋで買って３５５Ｋで売った２４６２ジェイコムです。その結果キャッシュ１００％に戻りました。

ここで気がつくのは、今日上がりそうだと思って手を出した銘柄は全滅。今日は売りが先行して底打ち気配からの反転に乗ったジェイコムだけプラスだったということです。昨日の引け際に買った方々は、筆者と同じ思いで泣く泣く損切りをしたことでしょう。

１つだけ、もし参考になればということで切る時のタイミングを考えてみます。大崎エンジニアリングの分足を参考にすると、この株の１０時少し前の値段が一旦４４０Ｋを切っております。昨日のあの押し目の時の安値が４４１Ｋです。これはしまったと思いました。そこを損切りラインに決めていたからです。売りの出来高も結構多い。しかし、そこで慌てて最下値で拾うとそこが底だったりすることがよくあります。一度はその４４１Ｋに近づくか少し反発することが株の習性とも言えます。つまり、買いたい方はそのあたりの下落まで待ってからの反発に乗ることを待ちかまえているからですね。１０時過ぎの分足がピョコンと上に上がっているのがお分かりかと思います。筆者はそのタイミングで売り損ねてしまいました。先物が少々もみ合っていたことも影響しております。その後は先物が本格的な下落を開始。その過程でやむなく本来の損切りラインよりも４Ｋ下で売りました。前引けでは４３１Ｋ終了です。

こうした因果関係で場を見ていないと、落ちる時は急なように見えますが、個別株の値動きを見ていると、相場の行く末に対する感度にバラツキがあります。引け際にアウンコンサルティングだけまだ高止まりしているのでおかしいと思っていましたら、案の定特売りで一気に５Ｋのダウンです。アイレップも後数分遅ければ５Ｋから８Ｋの追加損になるところでした。

つい、誰でもご存じのようなことを偉そうに書いてしまいましたが、毎回パターンが異なりますので、誰でも都合のよいように解釈しがちです。そこをバッサリと切れるかどうか、そして、その根拠が経験則だけでなく、市場参加者の総意の兆しからもいち早く読み取れるかどうかが、年間の勝ち負けを大きく左右する訳ですね。いわゆる塩漬けというのを昨年はやったことがありませんし、今日のような相場で下落を座してみるということもありませんでした。そうしないと下落相場での買い中心で５割を越える収益は確保出来ません。今年はチョイとリバウンドの様子がおかしいので、売りも少しずつ混ぜるようにしているところです。

マザーズ指数は一旦昨日反転しましたがＯＳＣは－５％の５２％となり、ヘラクレス指数のＯＳＣも－６％の５３％です。日経平均は－６％の４８％で、２月７日のＯＳＣを１％下回りました。昨年のように３０％台までの調整過程なのか、ここからは再度押し目での反発があるのかは微妙ですが、あれだけのインパクトのある下げが世界中の株式市場であった訳です。

先日書いた円のキャリートレードを資金源にしているヘッジファンドは、レバレッジを効かせておりますので、金利が倍になったということは調達コストも倍になったということを意味します。そこにきて円高です。これは新興国市場あたりの不穏な動きが出ているところから資金の引き上げを図ることを一斉に考えたとしてもおかしくはありません。この動きの続編がぞろぞろと出てくるのではないでしょうか。

雑感その他

ドレスデンフィルと聖十字架合唱団（１９歳までの年齢制限あり）の組合せによるバッハのマタイ受難曲、全６８曲で、６時半開演１０時終了でした。フルオーケストラと少年を含む合唱団の本格的な演奏でした。およそ１０曲ほどの「解釈」については、これまで数多くの同じ曲を聴いてきたものとして新たな感動を呼び込みました。

これまでと少々異なるのは、音楽そのものの美しさより、イエス・キリストの受難に関わるシナリオに感動して思わず涙してしまったことです。キリスト教徒ではありません。久しぶりに脳の中にエンドルフィンが沢山放出された気分です。細かな演奏上の問題はありましたが、十字架にかかって息絶えた後の地震や聖人の墓地からの復活などを見た人々が、「誠にイエスは神の子だった」とうたう短いコラール、この表現では、かのカール・リヒターの１９５８年録音版に次ぐものでした。これがもっとも大きな収穫。

さて、がらりと話題は相場になりますが、今日はもう時間がありません。テクニカルにはほぼ反転する形を示しております。メイコーだけは損切りとなりましたが、それ以外ではかなりリカバリーしております。ほぼ損失はない状態で、持ち越しは２１３２アイレップと６２５９大崎エンジニアリングの２つとなっております。

今日のＮＹの結果と明日の寄り付き具合でどうするかを考えたいと思います。