中日新聞の諏訪哲史さん(作家)の「スットン経」という連載で「指先ツルツルくん!」というタイトルで投稿されていました。
今月末、僕の新エッセー集「スットン経」が風媒社から出ます。
また他紙に連載した稿も併録し、ここ四、五年で書いた全エッセーに各々加筆をしてまとめました。
お正月の休みにでも、ぜひお読みください。
さて、冬です。寒いです。乾燥しています。
何に触れてもツルツルすべって、指先ツルツルくんです!
歳のせいとは言いたくありませんが、お肌の曲り角なのか、手に汗も握れないお年頃なのか、紙類がうまくつまめません。
夜中の読書でも、すべって本を落としたり、一枚だけめくりたい頁がめくれず、何枚か飛んでいってしまいます。
指先ツルツルくんなのです。
スーパーへ行くと、レジの後ろの荷造り台に、ロールに巻かれた無料の、うっすーいポリ袋があります。
口を広げようと指で懸命にしゃこしゃこしゃこ、めくれない、腹が立って袋を八つ裂きにしたくなるのをぐっとこらえ、またしゃこしゃこしゃこ、ああ、ああああ、もうこの指のクソッタレ、冬のせいか歳のせいか、指先がですね、ツルツルくんなのです!
アッ開いた!と思ったらそれが袋の底側だったと気づき、怒りに我を忘れスーパーごと爆破しそうな大咆こうをあげたくなることもあります。
ほか、居間の床に落ちている、指でつまめない絶妙な小さきの糸屑。
夏なら指の腹を押しつけると簡単にとれるアレが、押そうがねじろうが指にくっついてきてくれません!
なぜなら指が、指先が、超絶ツルツルくんだからです!
諏訪さん、なんで「くん」づけするの、そう聞きますか。
昔から副詞や動詞の連続音を「くん」で人称化(?)すると心楽しいのです。
僕は酒はノムノムくん、映画はミルミルくん、ロックはノリノリくん、眠たくなったらネルネルくんです。
肉まんはハフハフくん、女性の前ではモジモジくん、アルバカくんにはモフモフくん、本屋の「スットン経」を皆さんがヨムヨムくんになられれば、回り回って僕もウキウキくん&ホクホクくんになれるわけです。
以上です。
>スーパーへ行くと、レジの後ろの荷造り台に、ロールに巻かれた無料の、うっすーいポリ袋があります。
口を広げようと指で懸命にしゃこしゃこしゃこ、めくれない、腹が立って袋を八つ裂きにしたくなるのをぐっとこらえ、またしゃこしゃこしゃこ、ああ、ああああ、もうこの指のクソッタレ、冬のせいか歳のせいか、指先がですね、ツルツルくんなのです!
アッ開いた!と思ったらそれが袋の底側だったと気づき、怒りに我を忘れスーパーごと爆破しそうな大咆こうをあげたくなることもあります。
よく分かります。
レジの後ろの荷造り台に、ロールに巻かれた無料の、うっすーいポリ袋。
本当に開けづらいです。
あるスーパーのレジ袋だけは開けやすいです。
何か違う品質のものを使っているのか、簡単に開きます。
他のスーパーもお客が使い易いレジ袋を使えばいいのに。
価格が高いのかな?
「夢見る想い、Non Ho L'eta'」ジリオラ・チンクエッティGigliola Cinquetti