まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第26回中国四十九薬師めぐり~第46番「最勝院」(池田氏の祈願寺)

2023年06月24日 | 中国四十九薬師

中国四十九薬師めぐり、この日(6月10日)3ヶ所目となる第46番・最勝院に向かう。正面に鳥取城がある久松山を見て、その脇、雁金山との間の谷間にある坂道を上る。車道脇に「最勝院」の石標が見え、カーナビの案内もここで終了する。しかし駐車場が見当たらない。やむを得ず、レンタカーは隣接する寺の駐車場に停めさせてもらって石段を上がる。

最勝院が開かれたのは8世紀、法道上人によると伝えられる。元々は池田氏の祈願所として岐阜にあったが、その後池田氏の転封にともない播磨、備前を経て鳥取に移る。鳥取では当初寺町にあり、領内八ヶ寺の一つとして伽藍を有する巨大な寺院だったが、火災に遭い規模を縮小、そして明治になり現在地に移された。現在地でも伽藍が建てられたそうだが、1952年の鳥取大火災で焼失し、現在の建物はその後の再建とある。

境内に入る。ちょうど鳥取の中心部も見渡せるところに位置する。

さて正面の本堂らしき建物に向かうが、扉が開いていないのはともかくとして、中国四十九薬師の立て札や幟があるわけでもなく、建物を間違えたのかなと思った。改めて中国四十九薬師のサイトを見ると、掲載されている建物はどうやら別のようだ。

敷地の斜面に沿って広がる墓地の奥にお堂の屋根が見える。地図を見ると「木山堂」という文字があり、どうやらそこが札所の建物のようだ。墓地内の石段をさらに上る。

そして到着したのは木山堂。弘法大師の像もあり、実質的にはこちらが本堂といっていいだろう。また、先ほどの車道をずっと上れば木山堂のすぐ裏の駐車場まで来ることができた。

扉が開いており、中で自由に手を合わせることができる。正面には薬師如来の立像、不動明王、愛染明王が並ぶ。広間に腰を下ろし、ゆったりとお勤めとする。こちらの薬師如来は平成になって新たに造られたものという。

書き置きの朱印もこちらにあり、これで6ヶ所のうち前半の3つを回り終えた。用紙にも「最勝院木山堂」と書かれている。最勝院も先ほど訪ねた宝泉寺、座光寺ともども因幡薬師霊場の札所で、その第1番札所である。後でわかったが、この先訪ねる3ヶ所の寺院いずれも因幡薬師霊場も兼ねており、因幡薬師霊場より後に発足した中国四十九薬師に対しては、その代表として6ヶ所を選抜したようにも見える。

さて次は岩美町にある第46番・東源寺に向かう。そのまま谷間を突っ切り、鳥取バイパスに乗る。もう少し北に行けば鳥取砂丘があり、その名も「鳥取砂丘トンネル」というトンネルもある。先ほどの姫路方面とは別ルートで、京都への国道9号線、および豊岡方面への山陰近畿自動車道につながる。いずれにしても、鉄道の山陰線など眼中にない道路である。

岩美インターで下車して国道9号線を走る。道の駅を過ぎてしばらく走ったところで、「歓迎 岩井温泉」の看板に出会う。これから訪ねる東源寺は岩井温泉の近くにあるようで、またも薬師如来と温泉の出会いということになるのだろうか・・・?

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