まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

踊り子箱根フリーきっぷの旅・2

2007年06月02日 | 旅行記C・関東甲信越

さて、遊覧船が箱根町の乗り場に着いたころには、この辺りにも大勢の観光客が訪れ、賑わいを見せていた。船を降りると「どうぞお越しください」をいわれて渡されたパンフレット。そこには、「箱根駅伝ミュージアム」と書かれていた。

P6022270箱根駅伝。正月恒例の行事として人気のある大会だ。私は箱根駅伝の出場資格のある関東の大学の出身ではないし、特にどこの大学に入れ込んでいるわけでもないのだが、見ていて面白いものである。箱根といえば絵画や彫刻のミュージアムが多いイメージがあるが、こういう「駅伝」のミュージアムというのも興味を引く。この駅伝が箱根の名を改めて全国の人たちにPRしているのも事実だろう。

P6022273そのミュージアム、これまでの大会の戦況や出場校の紹介、名選手の紹介やユニフォームの展示など、なかなかためになる。過去のVTRも流れている。ちょうど訪れた時に、熱心な「駅伝」ファンの人が「第○○回の時はねー、そうそう、△△君が出た時だよ。あー懐かしいなー。わっ、今度は□□君だよ。いいねー」と感動した様子で展示内容の「解説」を連れの人にしていたところ。私が個人的に意外と思ったのが、昭和初期の大会のことではあるが、「関西大学」が出場していたということ。これはまさしく、トリビアになりまへんかな~?

P6022293P6022295これで「箱根」に来た実感が改めて沸いたのだが、やはり訪れるべきは「箱根関所跡」であろう。何でも今年の春に当時の建物の全面復元工事が完了したとかで、以前に訪れた時よりも建物が新しくなっている。また、2日・3日と「箱根関所まつり」なるものが行われている。関所の門前には屋台が出ていたり、芦の湯温泉のその名も「足湯」体験コーナーがあったり、大勢の人でにぎわっている。高台にのぼり、関所の全景を見る。かつて「入り鉄砲に出女」と言われた厳しいイメージは全くなく、芦ノ湖畔に立つのどかな建物に見える。普段ここに勤めていた役人たちというのは、忙しかったのだろうか、それともこの景色を見ながら、案外のんびりしていたのか。

P6022303さて、このまま小田原まで引き返すのも芸がないので、ここからはフリーきっぷの範囲である、箱根から熱海へ抜けるバスに乗る。箱根の峠はまだこの先で、バスはあえぎながら坂を登る。そして高原の風情の中を経由するのは「十国峠」。相模・武蔵・駿河・遠江・安房・上総・下総・甲斐・信濃・伊豆の10ヶ国を展望できるとか。フリーきっぷのメリットを利用してここで途中下車。展望台にはここから3分でケーブルカーが結ぶ。

P6022309P6022308P6022307 そしてたどり着いた峠の頂上。残念ながら富士山も雲に隠れており、10ヶ国展望とは行かなかったが、前方に駿河湾・伊豆半島西岸、転じて後方には相模灘に真鶴岬と、スケールの大きさは感じさせる。空気の澄んだ冬場などがいいかもしれない。この十国峠は、ここに来るまでその存在も知らず、全く気にしていなかったスポットであり、これだけでも出かけてきた甲斐があったというもの。

P6022311次のバスで坂道を下り、熱海市街に出る。このルートから入る熱海というのも、別な表情が見えるようで面白い。市役所前で下車し、日帰り浴場の「日航亭」へ。熱海はもちろん有名な温泉地であるが、立ち寄り湯というイメージがこれまでなかったところ、日帰り温泉のガイドブックで見つけたもの。あの航空会社と関係あるかどうかは知らないが・・・・。「大湯」という、熱海温泉の古くからの湯とされるとかで、源泉かけ流し。ここで、早朝からの汗を落とし、心地よい気分になる。

P6022315まだ日も高いのだが、熱海駅から東京方面のホームに。帰りに指定したのが、「スーパービュー踊り子」号。車両の端が展望席になっており、東京方面への上り列車では、先頭車が普通車指定席になるため、どうせならとこの号車を指定したのだ。まだ土曜日の夕方とあってか、指定席もガラガラであった。

P6022318海も見えるし、通過する駅、すれ違う列車、果ては複々線区間での追い抜きもバッチリ。

P6022330 ・・・いや、この展望車は時間が経つのがあっという間。普通の「踊り子」号と、車両設備面において差があり過ぎやせんか。いや、それだけに「スーパービュー」の値打ちがあるのだろう。それを往復込み込みの値段で楽しめるのだから、このフリーきっぷ、かなりお買い得である。箱根地区での箱根登山鉄道との相互交流があればもっとよいのだが・・・・。

今日は本当にサラっとなでる程度の日帰り旅行であったが、またもっといろんなスポットを見てみたいものである。今度は小田急のロマンスカー(まだ乗ったことがない)から始めて、箱根登山鉄道とのフリーパスで行ってみようか・・・・?

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踊り子箱根フリーきっぷの旅・1

2007年06月02日 | 旅行記C・関東甲信越

パソコンが不調になってから1週間、ネットカフェにて久しぶりの書き込み。今日2日は遠出したので、わざわざデジカメとパソコン接続用のケーブルを持ち込んでのこと。やれやれ。

ふとどこかに行きたくなって、1日の夜に目が止まったのが、駅のポスターにあった「踊り子箱根フリーきっぷ」の文字。箱根か・・・まだ東京に住む前に一度行ったきりで久しく訪ねていないし、出かけてみるか。東京都区内からの往復の「踊り子(ワイドビュー含む)」号の普通車指定席利用可で、小田原~熱海間の東海道線と、(ここがポイントなのだが)箱根地区の伊豆箱根バスが2日間乗り放題で4600円。さすがに宿泊はしないにせよ、普通に特急で往復して、バスで箱根まで往復すれば十分に元が取れる。早速に指定券券売機で購入し、あわせて指定席の購入も済ませる。ただし、東京からの「踊り子」号は一番早い時間でも8時発のため、それより早い時間に出る各駅停車のグリーン車に乗る。不思議なもので、特急の指定席はOKなのに、普通列車のグリーン券は別に買う(あるいはSuica使用)しなければならないのだ。特急料金のほうが高いのにね・・・。

そんなことを考えるうちに小田原に着き、箱根登山線に乗り換え。以前に来たときは、小田原~箱根湯本間の「三線軌条」というのがあったおぼえがある。標準軌の箱根登山鉄道の列車が小田原まで来たと見るか、狭軌の小田急が箱根湯本まで乗り入れたと見るか、見方はそれぞれだが、現在は小田急の列車が箱根湯本まで行くそうで、線路も狭軌のみに敷きなおされていた。

P6022232さて、箱根登山鉄道。ゆっくりではあるが、力強く天下の倹に挑む。途中で3回のスイッチバック。乗っているだけで身体が傾きそうな路線である。一旦終点の強羅まで行った後に、折り返しで小涌谷で下車。正月恒例の箱根駅伝で、コースの上り坂と交わる「箱根登山鉄道の踏切」は駅のすぐ近く。バス停もある。

P6022263ところで、今日持っているきっぷは、「伊豆箱根バス」のみ有効である。ご存知の方も多いだろうが、箱根は古くからの観光地ということからか、箱根登山鉄道・バスと、伊豆箱根鉄道・バスが火花を散らす地区である。そして現在は首都圏からのアクセスとして、前者は小田急、後者はJRと手を組んでいるというところ。まあ、観光地だけに複数の業者が入り乱れるのは仕方ないとして、同じ運行区間、同じバス停もあるのに、パンフレットやフリーきっぷその他いろんな情報を集めてみても、お互いがお互いの存在が最初からこの世に存在しないかのような対応である。正直、昔の韓国と北朝鮮、東西ドイツのようなうそ寒さを覚える。小田急・箱根登山系列もフリーきっぷを出しているが、途中から乗ってきた家族づれが「どちらのバスでも乗れるんだろう」と、伊豆箱根バスの運転手にそれを見せたら、まるで汚らわしいものを見るかのように「それはダメ!!」という応対。片や、箱根登山鉄道が出している懇切丁寧な箱根のガイドマップには、伊豆箱根バスなら楽勝でアクセスできるところを、無茶苦茶手前の停留所で降ろさせる案内しか載せていないとか。

あのね、いまどきそんなことでいいの??

観光客が何を便利と思っているか、両者とも考えていない。フリーパスを持っていれば、その区間を走るバスはどれでも乗れると思うのが、バス事情に詳しくない観光客の当然の心理であるし、何だかサービス業でも小田急系と西武系が似たようなことをやっているのに、お互いのスポットの行き先を聞いても知らん顔だし。ほんとよくわからん。

P6022256そんなことを、芦ノ湖の遊覧船に乗りながら考える。もっとも、遊覧船も両者の系列がバラバラで運航しているのだが、こちらでは「海賊船」を擁する小田急・箱根登山系列が圧倒的な人気のようだ。私も元箱根からこの3月に就航したばかりという「ビクトリー号」で、桃源台まで往復。インテリアも凝っており、静かな湖上のひと時を過ごすことができた・・・(続く)。

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