小野・出来田内科医院の、小野俊一医師による『院内勉強会』4/12/2012の内容から一部引用させてもらいます。
廃棄物処理について
ガラス固化体という使用済み燃料にする。
そうすると、最初あった10万テラベクレルの放射線量が、年月を経るに従って下がっていく。
電力会社は、この管理において、最初の千年が大事だと言う。
千年前というと、源氏物語の頃のことで、普通の人は鼻で笑うような話。
だが、千年間、きちんと管理すると言っているのに、なんで笑うのか、というのが電力会社の言い分。
ガラス固化体からの放射線量の変化
冷却の開始時は、約1500シーベルト毎時(20秒位で100%の人が脂肪すると言われる程度)。
広島原爆の爆心地で、103シーベルト毎時であることから、5分ほど居れば、爆心地と同じになる。
50年後でも、約160シーベルト毎時で、まだこの時点でも、1時間で爆心地と同じ程度の被曝になる。
こういうものが、発電した替わりにいっぱいできてくるわけで、それが、一千万年の管理が要ると、平気で言う人間がいることがおかしい。
原子力の発電コスト(小話)東電社員であった小野氏の実体験談
・新入社員時代……入社10年ほどの先輩社員に尋ねた。
「原子力は安いんですか?」
「何言っているんだ。高いに決まってるだろ。安いはずがないよ。そんなの当たり前だ」
「そりゃ、放射線管理区域があるだろ。効率は悪いし、被ばくはするし、一つ一つの機器も火力仕様と比べると、倍以上するんだぞ。これで安かったらおかしいよ」
「だいたい、どんな廃棄物も、表面の放射能を取り去るために、除洗といって、機器を一つ一つウエス(ぼろ切れ)で拭くんだぜ。それだけでも大変だよ。管理も面倒だし」
「まあ、仕事を始めたらわかるよ」
総括原価方式
・一般会社の利益=収入ー必要経費
・電力会社の利益=必要経費×3% ⇒必要経費が高ければ高いほど利益が増える
従って、原発のようにコストがやたらとかかる設備を増やせば増やす程、電力会社は儲かることになる。
福島第一原発(沸騰水型)
出力
1号機 460
2号機 784
3号機 784
4号機 784
5号機 784
6号機 1100
年数
1号機 40 マークI 国産56%(GE)
2号機 36 マークI 国産53%(GE+東芝)
3号機 34 マークI 国産91%(東芝)
4号機 32 マークI 国産91%(日立)
5号機 32 マークI 国産93%(東芝)
6号機 31 マークII 国産63%(GE+東芝)
福島第一の重要免震棟は、2007年の新潟県中越地震時に、建物内への入室が困難になったために、2010年の7月に建設が終了した新しいもの。
中越地震が起こらなかったら多分、安全神話をそのまま続け、建てられていなかったかもしれない。
そして、今再稼働が認可されようとしている大飯原発には、その免震棟が無い。
地震の直接的な影響
重力加速度が、原発の設計基準内であったとしても、
あの巨大な原子炉(横に2800トン、縦に6000トンもの重力がかかる)は、スカートと呼ばれる、炉底にある支持構造物に設置されているだけなので、
地震につきものの地盤沈下が起こると危険極まりない状態になる。
実際に、福島の地震の直接的な影響で、
ー水平方向東に、約2.5メートル
ー垂直方向に、約50センチメートル
・地震の揺れ以外に、上記の地盤変形が観られている。
・地盤変動に耐えきれる構造物があるのか?
・耐震ストレステストでは、評価されていない。
福島事故の見通しは?
・人類には、原子の火は止めることができない
・30年で廃炉は、現実的には無理
・今度も、再臨界を何度も起こす
・収束法は、誰も知らない
・人類史上、最大、最悪の災害
・地球上にいる限り、この災害から逃れることはできない
使用済燃料プール貯蔵量
1号機 392本
2号機 615本
3号機 566本
4号機 1535本
5号機 894本
6号機 940本
さらにその上に、使用済燃料共用プール(4号機の近く)というのがあって、そこには6375本の燃料が存在する。
ウランの使用量
・広島型原爆 ウラン約1kg
・100万kWの原発→1日3kgのウランを燃焼し、1kgで発電し、2kgで海を温める
・100万kWの原発を1年運転すると→広島型原爆、約1000発分の死の灰がたまる
その死の灰が、炉内に3倍以上ある
・フクシマの総量は、約5トン~100トン程度か?
引用終わり
事故後、自分なりに毎日学んできたけど、まだまだ知らんこと、調べてもよう理解できんこと、すでに忘れてしもたことがある。
いろんなことを知り、怒ったり驚いたり唖然としたり、
原発という物の恐ろしさ、無意味さ(一部の人間にとっては意味がありまくるんやけど……)にやっと気づき、それがどれだけ遅過ぎたんかに、絶望感さえ感じた。
それでも、日本人として、この世に生き続ける限り、なんとかして、少しでもマシな状況にしたい、
そう思てる。
わたしには、
原発を今すぐこの世から消してしまうことも、
電力会社を破綻させて、原発ムラを解体することも、
日本にしっかり巣食うてしもた闇のシステムを崩すことも、
原発を抱えた地域の、経済問題を解決することも、
放射能の汚染を、事故前ぐらいに少のうすることも、
ほんまになにひとつ、実現できひん。
わたしの命の長さは、あとどんだけ長引いたとしても、せいぜい40年。
その間に、日本国内に建てられてしもた原発の廃炉など、ただの一基さえも自分の目で確認することはできんやろう。
けれども、日本の在り方を変えることはできんやろか?
無用な電力を垂れ流し、その始末を贅沢と便利にすげ替えた国に、まんまとだまされてきた国民の、意識を変えることはでんやろか?
都民投票も市民投票も反故にされ、国民投票をするか否かの議論でにぎおうたこともあった。
原発を反対する人達の中には、ここまで酷い報道規制がある中で、偏った情報を信じたまま投票に向かわれては困るとか、
原発を推進する人達の中には、こんな大きな事故が起こった後に実施するのは、理性や合理性に欠けると言う人がいて、
それぞれに反対の意見を持つ人も少のうない。
日本でもし、国民投票を実施するんやったら、投票が無効にならへんよう、先にまず、国民投票法を制定せなあかん。
法をいじれるのは政治家やから、国民投票を無効にしません、という議員に投票し、そういう議員を増やしていくしかない。
けど、議員が、国民の意思を尊重して、政治を行ってくれるはずがない。
前は、国民投票の意義には賛成やけど、こんな先の長いことしてる暇ないんちゃうかな、と思てた。
けど、大飯の再稼働の顛末を観察してて、もうこの先、政治家なんかに何を期待しても無駄やとはっきりわかった今では、
もしかしたらこの、国民投票ぐらいしか、日本の在り方を変えるきっかけになるもんは無いんちゃうかな、と思えてきた。
国民投票は、ただ投票したらええのんとちゃう。
投票することについて、個人個人がしっかり学び、知り、判断することがまず必至になる。
人任せ、政治家任せで投票して、あんな人間やとは思わなんだと怒ったり愚痴ったりして、それで終わってた今までとは訳が違う。
原発であれ、ダムであれ、基地であれ、現にほんの数カ所だけ、住民投票を行った地域があるのやけど、
その投票時に、反対が圧倒的に多かった場合でも、その直後に行われた選挙では、推進した人間が当選した。
けれども、今だに、その地域には、原発もダムも基地も侵入してきてない。
投票するためには、まず投票の対象になることを学ぶ。
そのためには、学習会に出かけたり、市民集会に足を運んだり、自分で本を読んだり、
今までの暮らしに、そういう行為を加えなあかん。
仕事が忙しいから、しんどいから、めんどくさいから、興味ないから、どうでもええから、
そういう言い訳が通らんようになる。
要するに、今までみたいに、他人事ではすまへんってこと。
誰かがやってくれるやろ、ではすまへんってこと。
自分が生きてる国のこと、地方のこと、県のこと、市のこと、町のこと、村のことを、自分のこととして考えなあかんってこと。
国民投票は、しっかりと自分を持ってる人、自分の意見がある人、知識を身につけた人がするもんやから、
それには少のうても1年やそこらの学ぶ時間がかかる。
それまでに、首長自身が、今の国策について疑問を持ってるとこの市町村で、原発という国策を問う住民投票を、国民投票の練習台としてやってもええよね。
そんな住民投票が、少しずつ、キノコみたいに、あちこちでニョキニョキ姿を現せたらおもろいやろなあ。
廃棄物処理について
ガラス固化体という使用済み燃料にする。
そうすると、最初あった10万テラベクレルの放射線量が、年月を経るに従って下がっていく。
電力会社は、この管理において、最初の千年が大事だと言う。
千年前というと、源氏物語の頃のことで、普通の人は鼻で笑うような話。
だが、千年間、きちんと管理すると言っているのに、なんで笑うのか、というのが電力会社の言い分。
ガラス固化体からの放射線量の変化
冷却の開始時は、約1500シーベルト毎時(20秒位で100%の人が脂肪すると言われる程度)。
広島原爆の爆心地で、103シーベルト毎時であることから、5分ほど居れば、爆心地と同じになる。
50年後でも、約160シーベルト毎時で、まだこの時点でも、1時間で爆心地と同じ程度の被曝になる。
こういうものが、発電した替わりにいっぱいできてくるわけで、それが、一千万年の管理が要ると、平気で言う人間がいることがおかしい。
原子力の発電コスト(小話)東電社員であった小野氏の実体験談
・新入社員時代……入社10年ほどの先輩社員に尋ねた。
「原子力は安いんですか?」
「何言っているんだ。高いに決まってるだろ。安いはずがないよ。そんなの当たり前だ」
「そりゃ、放射線管理区域があるだろ。効率は悪いし、被ばくはするし、一つ一つの機器も火力仕様と比べると、倍以上するんだぞ。これで安かったらおかしいよ」
「だいたい、どんな廃棄物も、表面の放射能を取り去るために、除洗といって、機器を一つ一つウエス(ぼろ切れ)で拭くんだぜ。それだけでも大変だよ。管理も面倒だし」
「まあ、仕事を始めたらわかるよ」
総括原価方式
・一般会社の利益=収入ー必要経費
・電力会社の利益=必要経費×3% ⇒必要経費が高ければ高いほど利益が増える
従って、原発のようにコストがやたらとかかる設備を増やせば増やす程、電力会社は儲かることになる。
福島第一原発(沸騰水型)
出力
1号機 460
2号機 784
3号機 784
4号機 784
5号機 784
6号機 1100
年数
1号機 40 マークI 国産56%(GE)
2号機 36 マークI 国産53%(GE+東芝)
3号機 34 マークI 国産91%(東芝)
4号機 32 マークI 国産91%(日立)
5号機 32 マークI 国産93%(東芝)
6号機 31 マークII 国産63%(GE+東芝)
福島第一の重要免震棟は、2007年の新潟県中越地震時に、建物内への入室が困難になったために、2010年の7月に建設が終了した新しいもの。
中越地震が起こらなかったら多分、安全神話をそのまま続け、建てられていなかったかもしれない。
そして、今再稼働が認可されようとしている大飯原発には、その免震棟が無い。
地震の直接的な影響
重力加速度が、原発の設計基準内であったとしても、
あの巨大な原子炉(横に2800トン、縦に6000トンもの重力がかかる)は、スカートと呼ばれる、炉底にある支持構造物に設置されているだけなので、
地震につきものの地盤沈下が起こると危険極まりない状態になる。
実際に、福島の地震の直接的な影響で、
ー水平方向東に、約2.5メートル
ー垂直方向に、約50センチメートル
・地震の揺れ以外に、上記の地盤変形が観られている。
・地盤変動に耐えきれる構造物があるのか?
・耐震ストレステストでは、評価されていない。
福島事故の見通しは?
・人類には、原子の火は止めることができない
・30年で廃炉は、現実的には無理
・今度も、再臨界を何度も起こす
・収束法は、誰も知らない
・人類史上、最大、最悪の災害
・地球上にいる限り、この災害から逃れることはできない
使用済燃料プール貯蔵量
1号機 392本
2号機 615本
3号機 566本
4号機 1535本
5号機 894本
6号機 940本
さらにその上に、使用済燃料共用プール(4号機の近く)というのがあって、そこには6375本の燃料が存在する。
ウランの使用量
・広島型原爆 ウラン約1kg
・100万kWの原発→1日3kgのウランを燃焼し、1kgで発電し、2kgで海を温める
・100万kWの原発を1年運転すると→広島型原爆、約1000発分の死の灰がたまる
その死の灰が、炉内に3倍以上ある
・フクシマの総量は、約5トン~100トン程度か?
引用終わり
事故後、自分なりに毎日学んできたけど、まだまだ知らんこと、調べてもよう理解できんこと、すでに忘れてしもたことがある。
いろんなことを知り、怒ったり驚いたり唖然としたり、
原発という物の恐ろしさ、無意味さ(一部の人間にとっては意味がありまくるんやけど……)にやっと気づき、それがどれだけ遅過ぎたんかに、絶望感さえ感じた。
それでも、日本人として、この世に生き続ける限り、なんとかして、少しでもマシな状況にしたい、
そう思てる。
わたしには、
原発を今すぐこの世から消してしまうことも、
電力会社を破綻させて、原発ムラを解体することも、
日本にしっかり巣食うてしもた闇のシステムを崩すことも、
原発を抱えた地域の、経済問題を解決することも、
放射能の汚染を、事故前ぐらいに少のうすることも、
ほんまになにひとつ、実現できひん。
わたしの命の長さは、あとどんだけ長引いたとしても、せいぜい40年。
その間に、日本国内に建てられてしもた原発の廃炉など、ただの一基さえも自分の目で確認することはできんやろう。
けれども、日本の在り方を変えることはできんやろか?
無用な電力を垂れ流し、その始末を贅沢と便利にすげ替えた国に、まんまとだまされてきた国民の、意識を変えることはでんやろか?
都民投票も市民投票も反故にされ、国民投票をするか否かの議論でにぎおうたこともあった。
原発を反対する人達の中には、ここまで酷い報道規制がある中で、偏った情報を信じたまま投票に向かわれては困るとか、
原発を推進する人達の中には、こんな大きな事故が起こった後に実施するのは、理性や合理性に欠けると言う人がいて、
それぞれに反対の意見を持つ人も少のうない。
日本でもし、国民投票を実施するんやったら、投票が無効にならへんよう、先にまず、国民投票法を制定せなあかん。
法をいじれるのは政治家やから、国民投票を無効にしません、という議員に投票し、そういう議員を増やしていくしかない。
けど、議員が、国民の意思を尊重して、政治を行ってくれるはずがない。
前は、国民投票の意義には賛成やけど、こんな先の長いことしてる暇ないんちゃうかな、と思てた。
けど、大飯の再稼働の顛末を観察してて、もうこの先、政治家なんかに何を期待しても無駄やとはっきりわかった今では、
もしかしたらこの、国民投票ぐらいしか、日本の在り方を変えるきっかけになるもんは無いんちゃうかな、と思えてきた。
国民投票は、ただ投票したらええのんとちゃう。
投票することについて、個人個人がしっかり学び、知り、判断することがまず必至になる。
人任せ、政治家任せで投票して、あんな人間やとは思わなんだと怒ったり愚痴ったりして、それで終わってた今までとは訳が違う。
原発であれ、ダムであれ、基地であれ、現にほんの数カ所だけ、住民投票を行った地域があるのやけど、
その投票時に、反対が圧倒的に多かった場合でも、その直後に行われた選挙では、推進した人間が当選した。
けれども、今だに、その地域には、原発もダムも基地も侵入してきてない。
投票するためには、まず投票の対象になることを学ぶ。
そのためには、学習会に出かけたり、市民集会に足を運んだり、自分で本を読んだり、
今までの暮らしに、そういう行為を加えなあかん。
仕事が忙しいから、しんどいから、めんどくさいから、興味ないから、どうでもええから、
そういう言い訳が通らんようになる。
要するに、今までみたいに、他人事ではすまへんってこと。
誰かがやってくれるやろ、ではすまへんってこと。
自分が生きてる国のこと、地方のこと、県のこと、市のこと、町のこと、村のことを、自分のこととして考えなあかんってこと。
国民投票は、しっかりと自分を持ってる人、自分の意見がある人、知識を身につけた人がするもんやから、
それには少のうても1年やそこらの学ぶ時間がかかる。
それまでに、首長自身が、今の国策について疑問を持ってるとこの市町村で、原発という国策を問う住民投票を、国民投票の練習台としてやってもええよね。
そんな住民投票が、少しずつ、キノコみたいに、あちこちでニョキニョキ姿を現せたらおもろいやろなあ。