よく読ませていただいている「日々担々」資料ブログに、東京新聞の『こちら特捜部』の記事が載っていました。
題して『野田首相の再稼働演説を「謎解き」する』です。
野田首相の再稼働演説を「謎解き」する (東京新聞「こちら特報部」6月14日)
国会では、13日も、大飯原発再稼働についての質疑があったが、野田政権は、「馬耳東風」に徹した。
政権は、ひたすら儀式を重ね、再稼働へと突き進んでいる。
首相が、国民に、直接訴えたいと開かれた、8日の記者会見。
そこでの演説からは、論理も倫理も欠いた政治が、浮き彫りになった。
危機の所存を、識者の皆さんに、「謎解き」してもらった。(上田千秋、小倉貞俊)
「首相の話は、地震国日本に立地する原発そのもの。土台がしっかりしておらず、すぐに崩れてしまう」。
法政大の田中優子教授(江戸学)はそう切り出した。
「一番不自然だったのは、『計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば…』という部分。
突発的な計画停電なんてないのに。
原稿を書いた官僚が、『優秀なのは自分たちだけ。それ以外の人間はバカだから、この程度の内容でだませる』と思ったんでしょうね」
田中さんは、「再稼働圧力が、どこから出てきたのかと考えると、経団連や大企業だけでなく、米国からもあったのでは。
中国をけん制するため、いつでも、日本は核武装できる、という態勢にしておきたいはず」と話した。
東京・高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」の店主で、脱原発デモを催す松本哉さんは、
再稼働の演説をする野田氏の姿が、「洗濯機のカビ」に重なったという。
「洗濯槽にはカビが生えやすいが、少しくらいなら、ほっておく人も多い。
でも、ある限界を超えると、突然手が付けられないほど大繁殖し、手遅れになるんです」
野田氏も、同様に見えるという。
「就任時は、影の薄い存在で、誰も気にしなかった。
前首相の、脱原発依存方針を、踏襲していくのかと思っていたが、一気に、すべてを振り出しに戻してしまった。
『なんだこりゃ、この人、国民の声なんて、何も聞いてないんだな』と、あきれ果てましたね」
福島県三春町在住の僧侶で、作家の玄侑宗久さんは、
「首相会見と掛けて、トイレの後のネコのおしりと解きます。その心は完全に(国民を)なめてます」と苦笑した。
「(大飯原発周辺の)断層が動く可能性についても、政府は、原子力安全・保安院の見解を、うのみにするだけ。
想定外の事態が起こり得る、という発想がなく、福島の経験から、何も学んでいない。
『国民の生活を守る』、といった言い回しも、官僚が書いた原稿を、読んだだけなんでしょうね」
文芸評論家の柄谷行人さんは、
「よくもあれだけ、空疎なことが言えたと思う。
『国家を守るために、国民を犠牲にする決断をした、本当は、国民のことは考えていない』って言うべきだ」と憤る。
「原発は、国家にとって、資本のエッセンスみたいなもの。
国民より、国際競争力が大切で、原発をやめたら、経済的に不利になるから、国民は、しばらく我慢しろ、というのが本音だ。
小泉政権も、『国民も、痛みに耐えろ』と言ってたが、それと同じだ」
首相の、「まさに私の責任で」というくだりは、「振り付けた官僚が、内心、『こいつに責任を負わせればいい』と考えたように聞こえた」と皮肉った。
神戸女学院大名誉教授の内田樹さんは、
「あの演説が、学生のリポートなら、零点だ」と酷評した。
首相は、『国民の生活を守る』という言葉を、原発の安全性確保と、経済への悪影響の回避という、二つの意味で使った。
内田さんは、
「こうした言い方は、詭弁(きべん)を弄(ろう)する際の基本。
なぜなら、本来、並び立つものではないから。
詭弁は、学生に、使うなと教えている。
両者を並べて考えた結果、後者を優先した、と説明すべきだった」と説明する。
「国の、根幹の政策を決める会見で、首相が、トリッキーな言い方をするのはまずい。
必要な理由を、諄々(じゅんじゅん)と説かれれば、納得する人もいたと思うが、いくらなんでもひどい」
作家の宮崎学さんは、首相演説を、
「薬物をやめない言い訳を、滔々(とうとう)と主張する、薬物依存者の姿に似ている」と表現した。
「原子力を、国策にしてきたこの国では、原発推進こそ、首相が堅持しなければならない、最重要テーマ。
いったん、首相官邸に入ると、取り込まれ、誰もが、原発に関する、重度の依存症になってしまう。
いわば、『原発中毒』だ」
さらに、「もはや、思考停止の状態。
電力供給が足りないなら、政治の力で、その分の需要を、抑えればよいだけ。
国民に対する、恫喝(どうかつ)でしかない。
3.11が、科学万能主義の安全神話に、問題を提起したのに、理解しようという姿勢はゼロ」と切り捨てた。
大阪府在住で、原発をテーマにした著作もある作家の高村薫さんは、
「野田首相は、電力会社の広告塔であり、ただのしゃべる人形」と批判した。
「『安全は、確保されているものの、安全判断の基準は、暫定的なもの』という部分など、明らかに矛盾している内容なのに、野田さんは、滔々と話し続けた。
官僚の作文にせよ、自分が発表する文章なんだから、おかしいと思わなきゃいけない」
「私の責任」、という点については、
「この人は、いつまで首相をやるつもりなんでしょうね」。
「消費者として、関電のやり方には、不満を持っている。
節電する方法は、いくらでもある。
関西に限らず、節電している人は、全国にたくさんいるし、続けないといけない。
政府は、大飯を皮切りに、他の原発も動かすつもり。
生活を脅かすような事態は、起きないと示さねば」
◆勘違い おさらい
各方面から、疑問の声が上がった、野田首相の再稼働演説。
その勘違いを、あらためて、指摘しておきたい。
再稼働問題が、「国論を二分」というが、早急な再稼働には、圧倒的多数の国民が、反対している。
「慎重には慎重を」という、安全性については、原子力安全委員会の班目春樹委員長ですら、
根拠である、「安全評価(ストレステスト)の一次評価」だけでは、再稼働に不十分、という立場だ。
さらに、免震重要棟の建設や、ベント装置、予備電源の設置など、災害対策に不可欠な設備の着手は、これから。
再稼働してすぐに、大事故が起きてしまえば、対応できない。
電力需給についても、停電となれば、「働く場がなくなってしまう」というが、
福島原発事故では、仕事のみならず、故郷や、家族との暮らしを、失った人たちが続出した。
関西での、「15%の電力需給ギャップ」という数字も、持ち出したが、
関西電力自ら、大阪府市エネルギー戦略会議との席上、「5%の不足」という数字を、提示している。
「石油資源の七割を、中東に頼っており」と強調したが、火力発電燃料の主力は、現在、石炭や液化天然ガス(LNG)で、石油は1割にすぎない。
加えて、火力発電はコスト高という、経済的な圧迫にも言及したが、
使用済み核燃料の、処理費用を含めれば、原子力の発電コストの方が、高くつくことは、すでに明らかだ。
<デスクメモ>
反骨の弁護士、山崎今朝弥翁は、関東大震災直後の、朝鮮人や労働者の虐殺事件で、こう憤慨した。
「噴火口を密閉したのみで、安泰だと思ってるは、馬鹿(ばか)の骨頂だ。
何時(いつ)か、一時に、奮然として爆裂するは、当然過ぎるほど当然…」(『地震・憲兵・火事・巡査』)。
この言葉を、野田首相に贈りたい。(牧)
以上、転載させていただきました。
で、これを読んだ人、読まんでもすでに気づいてる人以外の、野田氏の言葉をすっかり鵜呑みにしてしもてる人ってのは、
いったい、どれぐらいの数いはるんやろか?
ツィッターデモにせよ、官邸前の集会にせよ、そして今福井のおおい町で行われてる、再稼働撤回のデモにせよ、
原発マフィアのウソまみれの実態を知らずにいる人にとっては、今だに、ちょっと過激なタイプの人達のうるさい集まりなんやろか?
けど、マスコミの黙り方が尋常ではなくなってきた。
ってことは、マスコミに圧力かけて黙らせてる連中の方も、今までみたいに、笑いが止まらんほど簡単に、悪事が進められんのかもしれん。
さすがの東京新聞も、こないだの官邸前の1万人超えの抗議集会を、報道することができんかった。
え?!マジ?!まさか、東京新聞が、原発に反対してる人用のガス抜き新聞やったってことないよな?!
なんて噂も飛び交うたほど、ショックを受けてる人もいた。
もちろん、ほんまのところってのは、わたしなんかにわかるわけない。
けども、こうやって、きちっと取材したり、検証したり、それを元に、まともな意見を公表してくれてることは、
この、思考停止、無法状態に陥ってる今の日本にとっては、ほんまにありがたい存在やと思う。
ただ、こうやってウソ八百言うた首相を、コケにすることはできても、ここから進まんのがちょっとかなん。
こんなデタラメの演説を、全国ネットでぶちまけた人間を、野放しにしてるのはなんで?
これを追求して訂正させることが、なんで国会でできんのか、国会議員のみなさん、おーい、出番ちゃいますか?
題して『野田首相の再稼働演説を「謎解き」する』です。
野田首相の再稼働演説を「謎解き」する (東京新聞「こちら特報部」6月14日)
国会では、13日も、大飯原発再稼働についての質疑があったが、野田政権は、「馬耳東風」に徹した。
政権は、ひたすら儀式を重ね、再稼働へと突き進んでいる。
首相が、国民に、直接訴えたいと開かれた、8日の記者会見。
そこでの演説からは、論理も倫理も欠いた政治が、浮き彫りになった。
危機の所存を、識者の皆さんに、「謎解き」してもらった。(上田千秋、小倉貞俊)
「首相の話は、地震国日本に立地する原発そのもの。土台がしっかりしておらず、すぐに崩れてしまう」。
法政大の田中優子教授(江戸学)はそう切り出した。
「一番不自然だったのは、『計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば…』という部分。
突発的な計画停電なんてないのに。
原稿を書いた官僚が、『優秀なのは自分たちだけ。それ以外の人間はバカだから、この程度の内容でだませる』と思ったんでしょうね」
田中さんは、「再稼働圧力が、どこから出てきたのかと考えると、経団連や大企業だけでなく、米国からもあったのでは。
中国をけん制するため、いつでも、日本は核武装できる、という態勢にしておきたいはず」と話した。
東京・高円寺のリサイクルショップ「素人の乱」の店主で、脱原発デモを催す松本哉さんは、
再稼働の演説をする野田氏の姿が、「洗濯機のカビ」に重なったという。
「洗濯槽にはカビが生えやすいが、少しくらいなら、ほっておく人も多い。
でも、ある限界を超えると、突然手が付けられないほど大繁殖し、手遅れになるんです」
野田氏も、同様に見えるという。
「就任時は、影の薄い存在で、誰も気にしなかった。
前首相の、脱原発依存方針を、踏襲していくのかと思っていたが、一気に、すべてを振り出しに戻してしまった。
『なんだこりゃ、この人、国民の声なんて、何も聞いてないんだな』と、あきれ果てましたね」
福島県三春町在住の僧侶で、作家の玄侑宗久さんは、
「首相会見と掛けて、トイレの後のネコのおしりと解きます。その心は完全に(国民を)なめてます」と苦笑した。
「(大飯原発周辺の)断層が動く可能性についても、政府は、原子力安全・保安院の見解を、うのみにするだけ。
想定外の事態が起こり得る、という発想がなく、福島の経験から、何も学んでいない。
『国民の生活を守る』、といった言い回しも、官僚が書いた原稿を、読んだだけなんでしょうね」
文芸評論家の柄谷行人さんは、
「よくもあれだけ、空疎なことが言えたと思う。
『国家を守るために、国民を犠牲にする決断をした、本当は、国民のことは考えていない』って言うべきだ」と憤る。
「原発は、国家にとって、資本のエッセンスみたいなもの。
国民より、国際競争力が大切で、原発をやめたら、経済的に不利になるから、国民は、しばらく我慢しろ、というのが本音だ。
小泉政権も、『国民も、痛みに耐えろ』と言ってたが、それと同じだ」
首相の、「まさに私の責任で」というくだりは、「振り付けた官僚が、内心、『こいつに責任を負わせればいい』と考えたように聞こえた」と皮肉った。
神戸女学院大名誉教授の内田樹さんは、
「あの演説が、学生のリポートなら、零点だ」と酷評した。
首相は、『国民の生活を守る』という言葉を、原発の安全性確保と、経済への悪影響の回避という、二つの意味で使った。
内田さんは、
「こうした言い方は、詭弁(きべん)を弄(ろう)する際の基本。
なぜなら、本来、並び立つものではないから。
詭弁は、学生に、使うなと教えている。
両者を並べて考えた結果、後者を優先した、と説明すべきだった」と説明する。
「国の、根幹の政策を決める会見で、首相が、トリッキーな言い方をするのはまずい。
必要な理由を、諄々(じゅんじゅん)と説かれれば、納得する人もいたと思うが、いくらなんでもひどい」
作家の宮崎学さんは、首相演説を、
「薬物をやめない言い訳を、滔々(とうとう)と主張する、薬物依存者の姿に似ている」と表現した。
「原子力を、国策にしてきたこの国では、原発推進こそ、首相が堅持しなければならない、最重要テーマ。
いったん、首相官邸に入ると、取り込まれ、誰もが、原発に関する、重度の依存症になってしまう。
いわば、『原発中毒』だ」
さらに、「もはや、思考停止の状態。
電力供給が足りないなら、政治の力で、その分の需要を、抑えればよいだけ。
国民に対する、恫喝(どうかつ)でしかない。
3.11が、科学万能主義の安全神話に、問題を提起したのに、理解しようという姿勢はゼロ」と切り捨てた。
大阪府在住で、原発をテーマにした著作もある作家の高村薫さんは、
「野田首相は、電力会社の広告塔であり、ただのしゃべる人形」と批判した。
「『安全は、確保されているものの、安全判断の基準は、暫定的なもの』という部分など、明らかに矛盾している内容なのに、野田さんは、滔々と話し続けた。
官僚の作文にせよ、自分が発表する文章なんだから、おかしいと思わなきゃいけない」
「私の責任」、という点については、
「この人は、いつまで首相をやるつもりなんでしょうね」。
「消費者として、関電のやり方には、不満を持っている。
節電する方法は、いくらでもある。
関西に限らず、節電している人は、全国にたくさんいるし、続けないといけない。
政府は、大飯を皮切りに、他の原発も動かすつもり。
生活を脅かすような事態は、起きないと示さねば」
◆勘違い おさらい
各方面から、疑問の声が上がった、野田首相の再稼働演説。
その勘違いを、あらためて、指摘しておきたい。
再稼働問題が、「国論を二分」というが、早急な再稼働には、圧倒的多数の国民が、反対している。
「慎重には慎重を」という、安全性については、原子力安全委員会の班目春樹委員長ですら、
根拠である、「安全評価(ストレステスト)の一次評価」だけでは、再稼働に不十分、という立場だ。
さらに、免震重要棟の建設や、ベント装置、予備電源の設置など、災害対策に不可欠な設備の着手は、これから。
再稼働してすぐに、大事故が起きてしまえば、対応できない。
電力需給についても、停電となれば、「働く場がなくなってしまう」というが、
福島原発事故では、仕事のみならず、故郷や、家族との暮らしを、失った人たちが続出した。
関西での、「15%の電力需給ギャップ」という数字も、持ち出したが、
関西電力自ら、大阪府市エネルギー戦略会議との席上、「5%の不足」という数字を、提示している。
「石油資源の七割を、中東に頼っており」と強調したが、火力発電燃料の主力は、現在、石炭や液化天然ガス(LNG)で、石油は1割にすぎない。
加えて、火力発電はコスト高という、経済的な圧迫にも言及したが、
使用済み核燃料の、処理費用を含めれば、原子力の発電コストの方が、高くつくことは、すでに明らかだ。
<デスクメモ>
反骨の弁護士、山崎今朝弥翁は、関東大震災直後の、朝鮮人や労働者の虐殺事件で、こう憤慨した。
「噴火口を密閉したのみで、安泰だと思ってるは、馬鹿(ばか)の骨頂だ。
何時(いつ)か、一時に、奮然として爆裂するは、当然過ぎるほど当然…」(『地震・憲兵・火事・巡査』)。
この言葉を、野田首相に贈りたい。(牧)
以上、転載させていただきました。
で、これを読んだ人、読まんでもすでに気づいてる人以外の、野田氏の言葉をすっかり鵜呑みにしてしもてる人ってのは、
いったい、どれぐらいの数いはるんやろか?
ツィッターデモにせよ、官邸前の集会にせよ、そして今福井のおおい町で行われてる、再稼働撤回のデモにせよ、
原発マフィアのウソまみれの実態を知らずにいる人にとっては、今だに、ちょっと過激なタイプの人達のうるさい集まりなんやろか?
けど、マスコミの黙り方が尋常ではなくなってきた。
ってことは、マスコミに圧力かけて黙らせてる連中の方も、今までみたいに、笑いが止まらんほど簡単に、悪事が進められんのかもしれん。
さすがの東京新聞も、こないだの官邸前の1万人超えの抗議集会を、報道することができんかった。
え?!マジ?!まさか、東京新聞が、原発に反対してる人用のガス抜き新聞やったってことないよな?!
なんて噂も飛び交うたほど、ショックを受けてる人もいた。
もちろん、ほんまのところってのは、わたしなんかにわかるわけない。
けども、こうやって、きちっと取材したり、検証したり、それを元に、まともな意見を公表してくれてることは、
この、思考停止、無法状態に陥ってる今の日本にとっては、ほんまにありがたい存在やと思う。
ただ、こうやってウソ八百言うた首相を、コケにすることはできても、ここから進まんのがちょっとかなん。
こんなデタラメの演説を、全国ネットでぶちまけた人間を、野放しにしてるのはなんで?
これを追求して訂正させることが、なんで国会でできんのか、国会議員のみなさん、おーい、出番ちゃいますか?