ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

自分に微笑んであげる、こころから

2013年03月17日 | ひとりごと
イスラエル人のミリアムは、空から降り落ちてくる爆弾に殺されないためのおまじないがあった。
それは、天井のある一点のシミから目を離さんこと。
それさえ守ったら、絶対に爆弾が自分の上に落ちてこんと信じることで、3才のミリアムは、恐いという気持ちから自分を抜け出させてあげた。
そのかわりに、重症の不眠症になった。
ティーンを過ぎ、大人になっても、やっぱり眠れへん夜が続いた。
爆弾をいつも落とす側のアメリカで暮らすようになってからも、うとうととしては目覚めてしまう不眠が続いた。

年がら年中疲れてたから、怒りやすかったし、ちょっとのことで怯えたりした。
周りに、あまりにもぎょうさんの死があったから、生きてるのか死んでるのかわからんような錯覚に陥ることがあった。

そんな自分に疲れ果てて、彼女は決心して、気功を学び始めた。
クラスに通い、中国に行き、本を読み、たくさんの疑問を持ちながら、必死で、人生を賭けて勉強した。

「わたしはまだまだ不十分で足りないものだらけの人間だけど、今やっと、ひとつだけ上手になってきたことがあるの」

自分を守ること。

「脳がイヤなことを感知すると、そのイヤなことが脳細胞にサッとしみ込んでいって、ものすごい早さで気持ちに映ってしまう。
脳は目に見える物体だけど、気持ちは目に見えない。
けれども、気持ちはいろんなところに、これまたものすごい早さで、体のあちこちに形になって表れるのよ。
顔や首、それから肩や腰なんかは特にね。
それからもちろん、五臓六腑や血液にも。
だから、脳には特に気をつけないといけない。
自分を守りたいのなら、脳にイヤなことを見せない、見せても感知しにくい、のみ込まれないようなエネルギーの膜を作ってあげたり、
見たとしても、すぐに切り替えられるコツを覚えさせたり、まあいろいろと方法はあるのよね。
一番の方法は、やっぱり瞑想。
自分をなんにも無い所に居させてあげる。
その瞑想の最初にすることはなに?
そう、微笑むことでしょ?
まゆ毛を三回、おでこ筋で引き上げて、口角をグイッと上げる。
最初は多分、上げることが大変かもしれないけれど、そのうちあまり気にならなくなって、気がついたらずっと上がってるはず。
二番めは、これは多分、人それぞれだと思うけれど、笑顔を自分の心の中に向けてあげる。
そうやって、自分に微笑んであげる時間をたくさん作る」

自分に微笑んでやる。

最近読んだ本の中の一節に、いつもニコニコしてたから、それがそのまんま貼り付いてしまったというようなすてきな笑顔の女の子、というのがあった。
それを読んだ時、いつも百万円でも落としたような顔して、と言われてた、ティーンの頃の自分を思い出した。
今のわたしも、百万円とはいわんでも、5千円ぐらいは落とした顔してる。
年令の影響もあって、顔全体がたれてきた。
鏡の前でちょっと笑顔でも作ろかと思てやってみると、10キロの米袋を持ち上げてるぐらいの抵抗感がある。
こんな顔を朝から見せられてる旦那が気の毒になって、ミリアムの教えを実行してみるつもりで、先週末からニッコリ顔の実験中。


「まうみ、自分を幸せにしてあげられない人は、他の人を幸せになんかしてあげられない。
自分に微笑んであげられない人は、他の人にも微笑んであげられない。
うそだと思って、試しに、てきとうじゃなくて本気で、自分に微笑んだり、幸せにしてあげるからねって約束してあげて」

そう言うてミリアムは、あたたかで、やわらかな微笑みをわたしにくれた。
コメント (4)
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St Patrick's Day の週末日記

2013年03月17日 | ひとりごと
金曜日の晩には、レッスンを早めに切り上げて電車に飛び乗り、カーネギーホールまで出かけてった。
生徒のエラが、東海岸の高校で優秀なブラスバンドが集まって開かれたコンサートに出場したから。
彼女はパーカッションを担当してるのやけど、その日の曲目ではずっと、大ホールのコンサートグランドを弾いてた。
うぅ~!!羨ましいぞぉ~!!
どの高校もすごくうまい。最後に出てきた大人バンドのワーグナーの壮大な響きに埋もれて、ブラスバンドの練習に没頭してた高校生の自分を思い出した。

土曜日は、レッスンが終ってすぐに、日本に戻る駐在家族の引っ越しセールで分けてもろた、庭仕事セットを取りに行った。
冷たい雪が降る中、旦那とふたりで思案しながら、おっきなハシゴを車の屋根に取り付けていると、留守してはった家の人が戻ってきはった。
海を越えての引っ越しのしんどさが、いやというほど身にしみてるので、ご夫婦の無事と健康を心から祈らずにはおられんかった。

それから続きで、我らが友人でありアーティストの、ジョナサンのコンサートを聞きに行った。
会場のすぐ近くに住んでる友人ジェフの家で、持ち帰りのタイ料理を皆で食べ、旦那とジェフ、それからわたしの3人で出かけてった。

会場に入ると熱気ムンムン。
ただ、その顔ぶれを見ると……平均年令高過ぎ!わたしが若手に入ってしまうほどなんやから……大丈夫かジョナサン……。
始まってみたらもう、そんな心配は全くいらんことやったことがわかった。
ジョナサンの友だちアーティスト、ケニーとエイミーとの息もぴったり。
3人のオリジナルを1曲ずつ披露しながら、あっという間にコンサートは終ってしもた。
ジョナサンのガールフレンド、クレアも丁度ロンドンから来ていて会えた。
コンサートでひと目、いや、ひと耳惚れしたケニーの曲が入ってるCDを買おうと、ケニーの友だち夫婦の前でその一節を歌うも、題名が分からんと言われ、
こうなったらしゃあないとばかりに、本人の前に行き、「I cry~~」と歌うと、ああ、それは一番新しいCDに入ってるよと教えてもらいゲット♪
それを今日は、大音量で聞いてる。



その今日は、聖パトリックの祝日(St Patrick's Day)。
アイルランドにキリスト教を広めた、聖人聖パトリックの命日。
アイルランド人で、バリバリのキリスト教信者のアブリルから、こんなプレゼントをもろた。


いやもう、三つ葉のクローバーなんて……こんなん売って商売したら、めっちゃ儲かるし。
今夜は、マンハッタンの街中で、酔っぱらいが歩いてるはず。
普段やったら滅多に見られへんから、おもろいっちゃあおもろいけど、街全体が酒臭うなるから、この日はマンハッタンには行かへんようにしてる。

さて、うちの3分の2アイルランド人の旦那。
セイント・パトリックさんを偲んでか、こんな夕飯を作ってくれた。


作ってもろたらなんでも美味い!
ありがと~旦那!

元気が出てきたので、前庭の落ち葉掃きと畑の下準備をした。
3時間もかかった。
ちょいと腰にきた。
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