イスラエル人のミリアムは、空から降り落ちてくる爆弾に殺されないためのおまじないがあった。
それは、天井のある一点のシミから目を離さんこと。
それさえ守ったら、絶対に爆弾が自分の上に落ちてこんと信じることで、3才のミリアムは、恐いという気持ちから自分を抜け出させてあげた。
そのかわりに、重症の不眠症になった。
ティーンを過ぎ、大人になっても、やっぱり眠れへん夜が続いた。
爆弾をいつも落とす側のアメリカで暮らすようになってからも、うとうととしては目覚めてしまう不眠が続いた。
年がら年中疲れてたから、怒りやすかったし、ちょっとのことで怯えたりした。
周りに、あまりにもぎょうさんの死があったから、生きてるのか死んでるのかわからんような錯覚に陥ることがあった。
そんな自分に疲れ果てて、彼女は決心して、気功を学び始めた。
クラスに通い、中国に行き、本を読み、たくさんの疑問を持ちながら、必死で、人生を賭けて勉強した。
「わたしはまだまだ不十分で足りないものだらけの人間だけど、今やっと、ひとつだけ上手になってきたことがあるの」
自分を守ること。
「脳がイヤなことを感知すると、そのイヤなことが脳細胞にサッとしみ込んでいって、ものすごい早さで気持ちに映ってしまう。
脳は目に見える物体だけど、気持ちは目に見えない。
けれども、気持ちはいろんなところに、これまたものすごい早さで、体のあちこちに形になって表れるのよ。
顔や首、それから肩や腰なんかは特にね。
それからもちろん、五臓六腑や血液にも。
だから、脳には特に気をつけないといけない。
自分を守りたいのなら、脳にイヤなことを見せない、見せても感知しにくい、のみ込まれないようなエネルギーの膜を作ってあげたり、
見たとしても、すぐに切り替えられるコツを覚えさせたり、まあいろいろと方法はあるのよね。
一番の方法は、やっぱり瞑想。
自分をなんにも無い所に居させてあげる。
その瞑想の最初にすることはなに?
そう、微笑むことでしょ?
まゆ毛を三回、おでこ筋で引き上げて、口角をグイッと上げる。
最初は多分、上げることが大変かもしれないけれど、そのうちあまり気にならなくなって、気がついたらずっと上がってるはず。
二番めは、これは多分、人それぞれだと思うけれど、笑顔を自分の心の中に向けてあげる。
そうやって、自分に微笑んであげる時間をたくさん作る」
自分に微笑んでやる。
最近読んだ本の中の一節に、いつもニコニコしてたから、それがそのまんま貼り付いてしまったというようなすてきな笑顔の女の子、というのがあった。
それを読んだ時、いつも百万円でも落としたような顔して、と言われてた、ティーンの頃の自分を思い出した。
今のわたしも、百万円とはいわんでも、5千円ぐらいは落とした顔してる。
年令の影響もあって、顔全体がたれてきた。
鏡の前でちょっと笑顔でも作ろかと思てやってみると、10キロの米袋を持ち上げてるぐらいの抵抗感がある。
こんな顔を朝から見せられてる旦那が気の毒になって、ミリアムの教えを実行してみるつもりで、先週末からニッコリ顔の実験中。
「まうみ、自分を幸せにしてあげられない人は、他の人を幸せになんかしてあげられない。
自分に微笑んであげられない人は、他の人にも微笑んであげられない。
うそだと思って、試しに、てきとうじゃなくて本気で、自分に微笑んだり、幸せにしてあげるからねって約束してあげて」
そう言うてミリアムは、あたたかで、やわらかな微笑みをわたしにくれた。
それは、天井のある一点のシミから目を離さんこと。
それさえ守ったら、絶対に爆弾が自分の上に落ちてこんと信じることで、3才のミリアムは、恐いという気持ちから自分を抜け出させてあげた。
そのかわりに、重症の不眠症になった。
ティーンを過ぎ、大人になっても、やっぱり眠れへん夜が続いた。
爆弾をいつも落とす側のアメリカで暮らすようになってからも、うとうととしては目覚めてしまう不眠が続いた。
年がら年中疲れてたから、怒りやすかったし、ちょっとのことで怯えたりした。
周りに、あまりにもぎょうさんの死があったから、生きてるのか死んでるのかわからんような錯覚に陥ることがあった。
そんな自分に疲れ果てて、彼女は決心して、気功を学び始めた。
クラスに通い、中国に行き、本を読み、たくさんの疑問を持ちながら、必死で、人生を賭けて勉強した。
「わたしはまだまだ不十分で足りないものだらけの人間だけど、今やっと、ひとつだけ上手になってきたことがあるの」
自分を守ること。
「脳がイヤなことを感知すると、そのイヤなことが脳細胞にサッとしみ込んでいって、ものすごい早さで気持ちに映ってしまう。
脳は目に見える物体だけど、気持ちは目に見えない。
けれども、気持ちはいろんなところに、これまたものすごい早さで、体のあちこちに形になって表れるのよ。
顔や首、それから肩や腰なんかは特にね。
それからもちろん、五臓六腑や血液にも。
だから、脳には特に気をつけないといけない。
自分を守りたいのなら、脳にイヤなことを見せない、見せても感知しにくい、のみ込まれないようなエネルギーの膜を作ってあげたり、
見たとしても、すぐに切り替えられるコツを覚えさせたり、まあいろいろと方法はあるのよね。
一番の方法は、やっぱり瞑想。
自分をなんにも無い所に居させてあげる。
その瞑想の最初にすることはなに?
そう、微笑むことでしょ?
まゆ毛を三回、おでこ筋で引き上げて、口角をグイッと上げる。
最初は多分、上げることが大変かもしれないけれど、そのうちあまり気にならなくなって、気がついたらずっと上がってるはず。
二番めは、これは多分、人それぞれだと思うけれど、笑顔を自分の心の中に向けてあげる。
そうやって、自分に微笑んであげる時間をたくさん作る」
自分に微笑んでやる。
最近読んだ本の中の一節に、いつもニコニコしてたから、それがそのまんま貼り付いてしまったというようなすてきな笑顔の女の子、というのがあった。
それを読んだ時、いつも百万円でも落としたような顔して、と言われてた、ティーンの頃の自分を思い出した。
今のわたしも、百万円とはいわんでも、5千円ぐらいは落とした顔してる。
年令の影響もあって、顔全体がたれてきた。
鏡の前でちょっと笑顔でも作ろかと思てやってみると、10キロの米袋を持ち上げてるぐらいの抵抗感がある。
こんな顔を朝から見せられてる旦那が気の毒になって、ミリアムの教えを実行してみるつもりで、先週末からニッコリ顔の実験中。
「まうみ、自分を幸せにしてあげられない人は、他の人を幸せになんかしてあげられない。
自分に微笑んであげられない人は、他の人にも微笑んであげられない。
うそだと思って、試しに、てきとうじゃなくて本気で、自分に微笑んだり、幸せにしてあげるからねって約束してあげて」
そう言うてミリアムは、あたたかで、やわらかな微笑みをわたしにくれた。