ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

旦那姉の誕生日に思う…パソコンの画面を睨みつけ、眠りもせず、声を上げて泣いた2年前のあの日の夜のこと

2013年03月10日 | 日本とわたし
昨日の夜にペンシルバニアの実家に着いた。
旦那姉のアードリィが、50才の誕生日を迎えるってんで、旦那母と旦那が、あれこれ計画を練ってた。
アードリィは、大げさなことが嫌い。
シンプルに、できたら特別なことはなんにもせんでいいと言うてたけど、
やっぱ50才というのは特別やからと、なんでもええから希望を言うてほしいと、旦那は粘った。

「じゃあ、マムのハンバーガーを食べたい」

ほろほろっときた。

実家に、アードリィと旦那のエリック、そして一人娘のエメラ、ほんでもって我々が寄り、皆でハンバーガーを食べてお祝いすることになった。

今年は、今日、10日の午前2時に、夏時間が始まった。
時計を1時間早めなあかん。
けどもわたしはこの、夏時間が大好き。
一日の間の明るい時間が増えるから。

旦那が10才から18才まで暮らしてたこの家が建った頃は、周りに一軒の家も無かった。
土地は全部で6エーカー。
今だに、どこからどこまでが敷地なんか、わたしにはわからん。

母のお気に入りの、スズランみたいな花。これが毎年、一番先に咲くらしい。


池の中にも春。


ソリ遊びをする丘。


その丘の中腹に、こんな小径があったこと、21年家族になって知らなんだ……。


どんどんどんどん奥に行く。


その小径にびっしり生えてる苔。


横の林に、びっくり根性の木を発見っ!ばったり倒れたのに、根の端っこが生き残り、枝を真っ直ぐ天に向かって延ばしてる。


ちょっと見にくいけど、これがその根っこ。


旦那が子供の頃、ターザンごっこをしたツル。


同じく子供の頃、タイヤをぶら下げてブランコ遊びをした木。


てくてくてくてく家に戻る。


自転車遊び、というより、危ないことをいっぱいした丘。


クリスマスツリーが巨大化!


松ぼっくりだってデカイ!


煙突の上の青空。


また来年まで休憩のスノーモービル。


あんまりお天気がいいので、パーティ準備の前にちょいと散歩。
ハーシーズが出資して、親に恵まれない子供たちを預かり、教育から生活全般にかけての面倒を見てるのやけど、ここはその本部。


広大な敷地の中には、寮と学校と病院が点在してる。


さ~て、パーティの準備開始!




ベジタリアンのエリックとエメラのためのベジバーガー。


これは、アードリィとその他数名のためのバーガー。


エメラ♪我らの太陽!


エリックが焼いたケーキに、50本のろうそくを立てる役目はもちろん彼女。その前にペロッ♪


50なんていっぱい過ぎ……けども、めっちゃ真剣に数えるエメラ。


アリゾナに住む弟ジムからも、お祝いの電話が。


その間旦那父は、彼の指定席で、普段ゆっくり読めない新聞をじっくり。


HAPPY 50th BIRTHDAY!!


できた!


火を灯すのも大変!


火災警報機が鳴る寸前!


グルテンフリーな母は、エリックのケーキを食べられない。がっかりするのはイヤだからと、キャロットマフィンを作った。


エメラ、あんたはベッピンになるで~♪



お祝いが終わり、明日からまた一週間が始まるってんで、帰路につく。


途中、旦那が眠うなったというので、運転を交代。近くにあったペンシルバニアらしい建物。


と、運転を代わった途端に……いきなりパトカーが3台やってきて、気がついたら後ろがこんなになってしもてた。お~い!


めっちゃイヤ~な予感がするも……しゃあない、最後尾の車になりにけり……。
思いっきり止まったまんまなもんで、外に出た。




長い長い停止後に、やっとソロソロと車が動き出し……あぁ~大変な事故やったんや。
2台の車が全焼したまんま、道路脇の丘にぶっ飛んでて、道路上にはあと1台、これもかなりひどい状態で止まってた。


結局、いつもなら3時間弱で帰れるところ、4時間半ぐらいかかってしもたけど、
それでも無事に帰らせてもらえたこと、感謝せなあかんと思た。


日本はもう11日。
あと1時間ちょっとで、地震が起こった時間になる。

わたしは今、『遺体』という、震災と津波に襲われた後の、混乱を極めてた時のルポを読んでる。
想像を絶する現実を目の前にして、いろんな立場のいろんな人が、それはそれは大変な思いをして、尊い仕事をしてくれはった。
亡くなった人たちの無念さ、途方も無い恐怖、痛み、そういうものがいっぺんに、わたしの心の中に突き刺さってきた。

今日、50才のお祝いをしたアードリィも、40才過ぎてから、甲状腺ガンの手術を2回も受けて、今もいろいろと抱えながら生きてる。


こんな厳しい世界の中にいて、生かせてもろてるありがたさ。
これを絶対に、忘れたらあかんと思う。覚えてるだけやのうて、感謝せなあかんと思う。
感謝するだけやのうて、生かせてもろてる分、何かに役立てるように行動せなあかんと思う。

大きな事故を間近に見て、この日を迎えて、無事という奇跡を改めて考えてる。
コメント (2)
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