わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(1石膏型)

2009-08-03 20:13:29 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

原因として、「土の記憶性」、「乾燥の仕方」以外に、以下の事が、考えられます。

 3) 作り方に原因が、ある場合

   手捻りでは、「歪み」が有るのが、普通です。

   手作業で、作陶しますので、厚みに差が出たり、左右対称でない形も、有りますので、

   バランスを崩し易く、弱い所に「歪み」が、出易いです。

   その「歪み」こそが、手捻りの良さでも有りますので、あえれ「歪み」を取り除く必要は、有りません。

   但し、大きく歪んだり、電動轆轤で作陶した物が、歪んだ場合には、問題で、なるべく、

   歪みを、少なくする必要があります。

   「歪み」が一番目立つ所は、口縁の部分です。 特に丸い円が、少し楕円になっていても、

   直ぐに、歪んでいると解かります。

   口縁以外では、本体全体が、左右どちらかに、傾くと、目立ちます。

   では、実例を挙げて、各種の「歪み」に付いて、述べます。

  ① タタラ作りの「歪み」

  ② 高台(脚)を付けた為の「歪み」

  ③ 手捻りによる「歪み」

  ④ 電動轆轤による「歪み」

    以上の項目で、お話いたします。

  ① タタラ作りの「歪み」

   前回、長皿や、箱作りに付いて、述べましたが、それ以外の物も、タタラで作ります。

  ) 石膏型を使う場合(型に押し付ける)

     石膏や、ガラス製品、プラスチックなどの、型や容器を使い、作品を作る事は、

     一般に行われています。 即ち、平たい一枚のタタラを、立体的に、変形する事に成ります。

     この際、タタラの一部に、無理な力が掛かったり、周辺部分に、ギャザー(複数重なった部分)が

     出来て、後々「歪み」の原因となります。

   a) 型の外側を使う場合。(外型)

     タタラを、型に被せる使い方です。型が大きく膨らんでいない時は、タタラを強く、

     押し付ける程度で、型に馴染みます。

     膨らみが大きい時や、円が小さい(「R]が小さい)時、深みが有る時は、口縁部が、

     重なり易くなり、肉厚に差が出ます。

     なるべく重なりが、出ない様にするか、重なった部分は、切り取ります。

    ・ 型に被せる場合、以下の方法が有ります。

      直接型に被せる。(石膏型の場合、土が若干乾燥している場合)

      タタラ又は、型に「片栗粉」を塗る。型に布(蚊帳が良い)を被せる。

      何れも、土が型から離れ易くしたり、土が型の上で、移動し易くするのが、目的です。

    ・ 重なりを少なくする方法は、両手で、土を中心から外側に、押さえます。
    
      型の周辺では、変形が大きくなり、土が余り、重なり易く成ります。

      その際、周辺の土は、出来るだけ多くの山谷(凸凹)を作ります。

      数が多くなると、凸凹の高低さが少なくなり、上から押さえた時、重なりが少なく成ります。 
       
     ・ 押さえ込みの要領は、型に押し付けた際、土の逃げ場が無い様にする事です。

       出来るだけ、多くの押す手があると、逃げ場を無くす事が出来ます。(他人の手を借りる)

   b) 型の内側を使う。(内型)

      先ず、土が抜き取れる型でなければ成りません。(逆テーパーでは、抜けません。

      それ故、簡単な型の場合が、多いです。)

      この場合は、外型よりも、重なる部分が多く成ります、内側から、土を押し当てます。

      数個に分割される「割り型」を使えば、複雑な形が可能ですが、大物では、

      一般的では有りません。複雑なほど、「歪み」が多く出易いです。

      (タタラよりも、鋳込みの方法が、適しているかも知れません。)

      「箸置き」や「コーヒーカップの取っ手」等、中をくり抜かない場合に、使う事が多いです。

以下、次回に続きます。

陶芸作品の揺れ、歪み
コメント
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