わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(電動轆轤5、振れ止め2)

2009-08-12 22:55:58 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

3) 作り方に原因がある場合

 ④ 電動轆轤による「歪み」

  Ⅴ) 要所要所の、振れ止めが、不十分の為。

    電動轆轤の作業では、色々の場面で、「振れ」が発生します。

  b) 土を上に薄く伸ばす作業時の、「振れ止め」

     土が捩(よじ)れる、肉厚に差が出る、高さに差が出る、土が折れ曲がる、土が傾く、

     土が落ちる(上に伸びない)、その他の要因によって、「振れ」が発生します。

     厳密には、上記要因を、取り除かないと、「振れ」は止められませんが、

     その要因を、そのままの状態で、「振れ」を止める、一般的な方法を、述べます。

   ロ) 振れた場合の処置(振れ止め)に付いて、

      上部が「振れ」れていても、実は下部から、除々に狂いが生じている事が、ほとんどです。

      それ故、下部から補修(振れ止め)しなければ、「振れ」は止まりません。

      手を、下から上に移動させて、「振れ」をとめます。

      (但し、土が回転方向に、撚れた場合に、上から下に手を移動させる事も、あります)

    ・ 筒状に伸ばした際の、「歪み」(傾き)は、外側を、両手で抱え込み、(両肘は、体に付ける)

      径を、やや小さくする様にして、ゆっくり、下から上に手を移動させます。

      尚、「傾き」や「歪み」が無くとも、一度土を伸ばしたら、抱え込んで、外側に水を曳くと伴に、

      「振れ止め」を行う事を、勧めます。

     ・ 直径を急激に細くした場合、捩れが出る場合が有ります。

       径を細くすると、肉厚が厚くなりますが、やり方によっては、均一に厚くならず、部分的に、

       肉厚になり、撚れが出て、作品が「歪み」ます。

       その対策は、除々に細くすると同時に、細くしたら肉を薄くする事を、繰り返します。

     ・ 基本的には、上に行くほど、肉を薄くします。途中で肉が厚い場合には、

       薄くすれば良いが、途中で肉が薄い場合には、「歪む」原因に成ります。
     
       途中で薄くなった肉厚を、厚くする事は、かなり困難です。

       径を細くすれば、若干肉が厚くなりますが、細くすると、逆に撚れが出や易いです。

       又、薄くなった部分に、その上下の土を、移動すれば、肉厚に成りますが、この作業が、

       意外と難しいです。

       最上部がの肉が薄い場合には、口縁を上から押さえ、肉厚にしたり、外に折り返して、

       二重にする方法が、出来ますが、途中で肉が薄くなった場合には、むしろ、

       その真下から、切り取る法が、確実です。

       但し、背丈が、低く成りますので、場合によっては、若干、乾燥後、上に土を足す必要が、

       有るかも知れません。

     ・ 「振れ」や「歪み」を直す方法に、一度径を拡げ、狂いを無くしてから、径を細くする

       方法もあります。

     ・ 水を吸いすぎて、土が軟らかくなり、「振れ」「歪み」が出る場合が有ります。

       この場合には、土を少し、乾燥させてから、補修しないと、直りません。

     ・ 背の高さに、差が出た場合でも、遠心力が一方に、強く働き、「歪み」の原因に、成ります。

       「弓」や「針」で高さを揃えて、切ります。

以下 次回に続きます。

作品の振れ 作品の歪み
      
     
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