わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(電動轆轤6、不安定な形)

2009-08-13 20:29:17 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

3) 作り方に原因がある場合

 ④ 電動轆轤による「歪み」

  Ⅴ) 作品の形による為(不安定な形の為)

    作品よって、「振れ」や「歪み」が出やすい、形が有ります。

    その場合、作品の形を変えるるか、作り方を変えたり、工夫します。

   では不安定な形とは、どのような物なのか、お話いたします。

   a) 足元が細い(狭い)形

     特に背の高い物や、上部の太さに比べて、足元が極端に細い形の物です。

     又、下膨れの形で、急に外側に張り出したり、お皿の様に、背の低い物が、急に径が、

       大きく変わる形の物です。上の重みに、耐える構造でなければ、「歪み」が出ます。

   b)「頭デッカチ」な形

     土の量が、上部の方が多くて重く、下部で支えきれない、場合です。

     又、量だけでなく、下部に比べて、上部が大きい場合にも、当てはまります。

     この場合、一度「振れる」と、振れを止める事は、かなり困難です。

   c) 極端な、瓢箪型

     胴の一部が「くびれ」て、細くなっている場合には、危ない形です。

   d) 鶴首のような形

     上部に細く長い首を持つ形も、「振ら付き易い」形です。

   e)  左右バランスの悪い形

     轆轤成型時には、そもそも、左右バランスが悪い作品は、作れません。

     但し、あえて、変形させた後、再び轆轤作業が、必要に成った場合や、
 
     土を上に載せて、繋ぎ合わせ場合で、お互いの中心が、「ズレ」て起こる現象です。

   対処方法として、
    
   f) 上下逆に作る

     轆轤では、下が大きく重く、上に行くほど、小さく軽く作るのが、「歪み」や「振れ」を防ぐ

     最良の方法と成ります。

     実際には、それと逆な形を作りたいと言う、要望も多いです。

     そんな時は、作品の、上下を逆に作れば、作り易く成ります。

     この場合、削り作業を工夫して(口縁を削る事になる)、綺麗に仕上げます。

   g) 幾つかに、分割して作り、後で、繋ぎ合わせる。

     「ワイングラス」の脚の様に、細長い形の物が、下部に来る形の物は、作る時だけでなく、

     本焼きでも、「歪む」可能性があります。

     作り方として、本体と脚を、別々に作り、 乾燥後に、繋ぎ合わせます。

     又は、本体が乾燥し、伏せて置ける様でしたら、付け高台にする方法も有ります。

     即ち、本体の底を上に向け、その上に、やや軟らかい土を載せ、轆轤挽きし、形を作ります。

     乾燥も、逆さにして、乾かします。

    背の高い作品を作る際にも、上部(中部)下部と別々に作り、繋ぎ合わせる方が、「歪み」も

    少なく作る事が出来ます。 繋ぎ合せるにも、それなりの技術が、必要です。

   h) 不安定な形にし無い事。

     あえて、不安定な形にして、その危うさを、見所にする作品も、存在します。

     (不安定な作品は、作品に動きや、軽さが出る効果が、有ります。)

     不安定感を出すには、轆轤挽きで、不安定に作る必要は、有りません。

     出来た作品の底を、何処にするか、どの様にするのかによっても、不安定感を出す事は、

     可能です。色々試してください。

     しかし、一般的には、実用的では有りません。なるべく、安心して使える形に、したい物です。

     安定した形は、即ち、轆轤で、安定的に作る事が出来る形と、なります。

以下、次回に続きます。

作品の振れ 作品の歪み
     
コメント
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