わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(轆轤9、まとめ)

2009-08-17 14:25:23 | 失敗と対策
作品の「振れ」、「歪み」に付いて、述べて来ましたが、一言述べて、この項は、終わりにしたいと、

思います。

「振れ」や「歪み」の原因は、多肢に渡ります。基本的には、対策として、以下の事があげられます。

1) 「振れ」や「歪み」は、起きる物(起き易い物)と思ってください。

   (手捻り、電動轆轤に関係なく)

   それ故、原因となる要素を、出来るだけ、取り除きます。

2) 「振れ」や「歪み」を、出来るだけ早く感知し、「振れ止め」などで、「歪み」を補正します。

   ここで大事な事は、指先の「触覚」を鋭くする事です。

   土(作品)の異変(違和感)を、最初に感じるのは、指先の触感です。

  ・ 土の硬さ(軟らかさ)、土中の異物、空気の有無、肉厚の厚さ(薄さ)、表面の凸凹、力の強弱、

    作品の形(カーブ)、轆轤の回転スピード、振ら付き、轆轤目などを、作陶の際、指先で

    感じ取ります。

    (特に、両手の親指、人差し指、中指の共同作業で、より感覚が増します。)

     勿論、掌の感覚も、大切ですが、最重要な物は、指先です。それ故、爪を伸ばし過ぎるのは、

     厳禁です。(職業病として、爪が磨り減り、伸びない人もいます。)

  ・ 人は、「視覚」に頼り勝ちですが、「見た目」では、判断が遅れたり、誤魔化されたりします。

    作品の今の状態を刻々、作業者(作者)に、知らせてくれるのは、「指先」です。

    その情報を元に、対策を取ります。

    どんどん悪い方向に進んでいる事を、感知したら、直ぐに、作業を中断するか、何らかの対策を、

    とります。(速い対策に越した事は有りません)

  ・ 「こて」の使用に付いて

    数物で、同じ曲線を出す場合や、手の入らない部分の、作業を、「こて」を使う事で、

    綺麗に早く仕上げられ、便利で、多く利用されています。

    私の考えですが、「こて」はある程度、轆轤技術を、習得した後に、使いたいと、思っています。

    前述の様に、手(指)の感覚を、大事にしたい為です。 「こて」は、手(指)と土との中間に、

    位置します。 即ち、手の感覚は、「こて」を通じて知る事に成ります。

    直接触る、手や指の感覚とは、微妙に異なります。

    それ故、出来るだけ、手を使い、「こて」は補助的に、使った方が、轆轤技術の習得が、

    用意で速いと、考えています。

    (皆様の、ご意見があれば、お聞きしたいと思います。)

3) 遠くから見る 

   轆轤作業は、 斜め上からの目線で、行います。それ故、近視眼的な見方(偏った見方)と

   成り易いです。(高さ方向が、短く見える)

   特に初心者は、手元だけを見る傾向に、なり勝ちです。中々全体像が、掴みきれません。

   (ベテランの方は、作業中でも、全体の形が、把握出来ているはずです。)

  ・ 作業終了直前に、出来るだけ、轆轤から1~2m離れ、目線を下げて(腰を落して)

    全体を、観察してください。悪い所は、直します。

    (その際轆轤は、回転させて置くと、より明確に、確認出来ます。)

    
作品の振れ 作品の歪み
    




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする