わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(電動轆轤3、中心を掘る)

2009-08-10 16:33:52 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

 3) 作り方に原因がある場合

  ④ 電動轆轤による「歪み」

   ) 中心を掘る穴が、偏芯している為

      作品作りの、第一歩と成る作業です。

      この作業が、上手く行かないと、初心者にとって、「歪み」の原因に成り易いです。

      (上級者なら、補正の方法を会得し、対処が可能です。)

    a)  土の塊の中央に、穴を掘る。

      土殺しの、完了を確認したら、土の塊の中央に、穴を掘って行きます。

    ・ 穴を掘る直前には、土の頂上は、ある程度、広くしておきます。

      細い部分に、穴を掘ると、口縁に「ひび」が入ったり、「割れ」たりします。

    b) 片手又は、両手で掘る。

      土の量が少ない場合には、片手(右回転では、左手)の親指で、多い場合には、

      両手の親指を使います。

    ・ 注意点は、穴を浅く掘った後、手が滑る様に、穴の中に、手ですくった水を、注ぎます。

    ・ 更に重要な点は、親指が、中心から「ぶれない」事です。

      中心から、「ずれる」と、周囲の肉厚に、差が出て、後々作品の「歪み」に繋がります。

      周囲は、手の内側で抱え込みます。

      手の肘は、しっかり、太ももに当て、固定し、回転は、やや速くします。

    c) 親指で掘る深さは、第一関節までです。

       第一関節まで、堀進んだら、右手中指を中心に置き、更に深く掘ります。

      その際、もう一方の手で、右手を支え、「振ら付き」を、予防します。

      口縁を拡げ、中が見える様にします。

      尚、手や指の使い方は、人により方法が、異なります。

      ここでは、私のやり方を、 述べていますので、ご了承ください。

    d) 底に残す土の厚さ(掘る深さ)は、削り高台の場合で、約1cmで、ベタ高台

       又は、付け高台では、約5mmです。若干厚みを残し、確認しながら、堀進みます。

       1個作りの場合には、1cm又は、5mmの長さの針を、棒に付けて、底の中央に

       突き刺して、棒の痕が、かすかに付けば、所定の寸法に成ります。

      上から作品を作り、切り取って作品を造る場合は、この厚みの見当が、難しいです。

      (内側の底の位置と、外側の糸を入れる位置の差を、手又は「スケール」「とんぼ」で測ります。)

     e) 内側の底を造る。

       底を所定の大きさまで、指で広げます、その際、底が凸凹しない様に、土を締めながら、

       下に、押し付けます。

       底が広い皿状の作品は、「コテ」を使う場合もあります。

     ・ 注意点は、底の内側を、急に張り出さない事です。

       根元より、かなり広く取ると、上の重量を支えきれず、「歪み」が発生します。

以下、次回に続きます。

作品の振れ 作品の歪み


コメント
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