わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

作品の「歪み」に付いて(電動轆轤4、振れ止め1)

2009-08-11 21:35:03 | 失敗と対策
前回に続き、作品の「歪み」に付いて、述べます。

3) 作り方に原因がある場合

 ④ 電動轆轤による「歪み」

  Ⅴ) 要所要所の、振れ止めが、不十分の為。

    電動轆轤の作業では、色々の場面で、「振れ」が発生します。

    「振れ止め」をせずに、作業を続行した場合、「振れ」はどんどん大きく成り、作品も「歪み」ます。

    「振れ」が発生した場合は勿論、「振れ」が無くとも、要所要所で、「振れ止め」を行う事により、

    轆轤作業が、スムーズに行え、且つ、作品も「歪み」が無く、綺麗に仕上がります。
      
    以下、「どんな時」に、「どんな場面」で、「どんな方法」で、振れを止めたら良いかを、
   
    述べて行きます。
   
  a) 土を伸ばす前に、「振れ止め」をする。

    いよいよ、土を薄く伸ばしますが、その前に、「振れ止め」をする必要が有ります。

    即ち、底が出来たら、土の内、外、上の三方を、押さえ込みます。

    土の内側は、両親指を、外側は、両手の中と人差し指で、口縁は、親指と人差し指の間で、

    しっかり、押さえ込み、「振れ止め」をします。

   ・ その際、両手の肘は、太ももに固定し、土が一方に逃げ無い様に、左右の手と手の隙間は、

     同じにします。

    又、口径が、広がらない様にし、4~5本の指が入る程度(片手が入る)にします。

    電動轆轤は、常に遠心力が働き、口径を広くする力が、働いています。

    口径を広く取ると、「振ら付き」「歪み」の原因になります。

    作業中は、細くしておき、作品の形造りの際、所定の寸法まで、拡げます。

  b) 土を上に薄く伸ばす作業時の、「振れ止め」

   イ) 振れない様に、土を伸ばす。

      振れ止めを行うより、振れ無い様にする事の方が、大切な事は、確かです。

      (それでも、振れた場合には、速やかに、振れ止めを行います。)

      振れない様にする為には、姿勢、轆轤の回転スピード、手の位置、手や指の使い方、

      力の入れ方、引き上げるスピード、水や「ドベ」の使い方等、多肢に渡ります。

     ここでは、最重要である、手の位置と、力の入れ方について、述べます。

   ・ 電動轆轤で、重要な手は、外側の手(右回転ならば、左手)です。

     この手が、基準になりますので、どんな場合でも、肘を体に付け、位置を固定します。
     
     この手が「振ら付く」と、土は必ず「振れ」ます。

     又、轆轤の回転方向に、手が流され無い様に、注意します。

   ・ 土を上に伸ばすには、土の内外に力を加え、土を薄くし、上に上げます。

     その際、外側の手の方に、強く力を入れ、筒状に挽き上げます。

     当然、手に「ドベ」や水を付け、土との摩擦をすき無くします。

     一度に挽き上げず、数回に分けて、作業します。(理想的には、3回程度)

次回、ロ) 振れた場合の処置(振れ止め)に付いて、述べたいと、思います。

作品の振れ 作品の歪み

     
コメント
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