わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土の種類と特徴(美濃の土)

2009-09-09 21:45:07 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

2) 美濃の土

  美濃は岐阜県の旧国名です。

 ① 志野土  焼成温度目安 : 1200~1280℃

    耐火度のある土で(SK-10~11)、粘り気が有り、粒子も細かい物から、粗い物まで、

    数種類有ります。

    焼き上がりは、「ザングリ」とした、白めに仕上がります。幾ら焼いても、形は崩れません。

    特徴は、生掛けで、施釉できる事です。長石系の志野釉を、タップリ掛ける事が、できます。

    大物にも向いています。

 ② 五斗蒔白土  焼成温度目安 : 1060~1230℃

    「五斗蒔=ごとまき」とは、美濃地方に有る地名です。

    志野土よりやや白く、焼き縮みも少なく、軽く仕上がります。

    食器や、小、中、大物にも使用できる万能の土です。

    昔から茶陶として使われてきた土で、志野・織部などの釉薬が良く映えます。

 ③  五斗蒔赤(粗め) 焼成温度目安 : 1200~1250℃

    焼き締りが少なく、作品が軽く、薄茶色で、「サクッ」とし、素朴な仕上がりと成ります。

    一般的な五斗蒔赤土は砂入りで、薪窯の焼成では、備前風に仕上がります。
 
    美濃焼きに代表される志野・織部の釉薬とは、非常に相性の良い粘土です。

④  もぐさ土  焼成目安温度 : 1160~1230℃

    もぐさ(お灸に使う、もぐさ)の様に、「もこもこ」した、軽い感じの珪沙の混じった、

   蛙目質の粘土です。

   成形は難しいが、 この土に、2割程度伸びのある土を、加えると、比較的作りやすくなります 。

   他の土を加えることで、自分だけの土味の粘土を作って下さい。

   焼き上がりは白く、土味はザックリしていて、茶碗や大物に適しています。

 ・ 本場(本物)の「もぐさ土」は、入手困難との事です。

   (一般に市販されている土は、調合して「もぐさ土」風に、している可能性も有ります。)

粘土の種類 志野土 五斗蒔 もぐさ土






   
コメント
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