わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸は総合芸術である 2(文化的要素)

2009-09-30 21:45:03 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
前回に引き続き、陶芸の文化的要素に付いての、話を進めます。

焼き物は、中世より「茶の湯」世界や、華道の世界と、「持ちつ持たれつ」の関係で、

互いに影響し合って来ました。

2) 文化的要素

 ① 茶の湯(茶道)

   焼き物は、茶の湯に使う、抹茶々碗、水指、茶壷、香炉、香合、花入れ、等に使われると同時に、

   茶会の後の、食事会とも言える、懐石料理の器(向う付、酒器など)にも、多用されています。

   茶の湯の発展と伴に、焼き物も発展を遂げています。

   特に、抹茶々碗は、著名人が伝承した、「名物もの」や、国宝や、重要文化財に、

   指定された作品も多く、関心の高いものです。

   それ故、お茶の心得(決まり事)も、茶道具を作る当っとて、大切な要素に成ります。

   又、茶道の道具を専門に作る作家も、多いです。

   (茶道具は、他の作品より高価に、売買している理由も有りますが。)

 ② 華道(花を活ける)

   花を生ける為の器、即ち「花瓶」や「花活け」なども、陶器で作ったものが、多いです。

   華道にも、色々な流派が有り、使う器も、千差万別です。ですが、目的は一つで、

   花を引き立たせる、役目をします。それ故自分で、華道の器を作る人も、多いです。

   器は、あくまでも、花を引き立せる物で、陰の役割を果たし、前面に出る物ではありません。

 ③ 料理の器(特に和食の食器)

   「和食は、器で食べさせる」と言われる程、器は大事な要素です。

    特に、前出の懐石料理、料亭などで食す料理、寿司(鮨)や、活魚を盛り合せる器や、皿などは、

    器の良し悪しで、料理が美味しく感じる程です。
  
    料理人は、器を選んで、盛り付けます。料理と器は、密接に関係しています。

    昨今、創作料理を作る料理人が多く、一種のブームに成っています。

    その料理に合わせる為、従来の器にはない、新しい形や、色使いの、器が求められています。

    但しこの場合も、華道の器と同じ様に、あくまでも、料理を引き立てる、陰の役割です。

    料理人でなく、一般の主婦でも、料理と器の組み合わせに、留意しているはずです。

    作品を作る上でも、自分で料理の出来る人は、有利の状態にあると、思われます。


以上の様に、陶芸(焼き物)は、日本の伝統的な文化と、密接に関係し、お互いに影響しあっています。

今後も、この関係は、続く事でしょう。
   
  以下次回に続きます。

茶道具 華の器 料理の器
コメント
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