わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

粘土の種類と特徴(萩土,萩焼)

2009-09-13 20:37:31 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

昔より、茶道の世界で、「一楽、二萩、三唐津」と言われ、萩焼、唐津焼の茶碗が、珍重されています。

又 萩土は、焼き締りが少なく、柔らかい土味と、吸水性があり、釉の「貫入」によって、

長年使用していると、器が変色してきます。 (速い話、一種の汚れです。)

これを「萩の七化け」と言い。茶道や、酒気では、特に珍重されています。

4) 萩の土

  萩焼きとは、山口県萩市を中心に製作される、焼き物です。

  昔から、茶器として好まれ、焼き上がりは、薄黄土色です。

  茶器・食器等に、適しています。

 萩土(金峯・大道)細目、荒目: 金峯土と大道土の混合

 萩土(見島土混入)細目: 上記細目土に、見島土を20%ブレンドし、酸化で橙色に発色 します。

 ① 大道土(だいどうつち)  焼成温度目安・・1200~1250℃
 
  萩焼に使われる土の代表が、この「大道土」です。

  大道土は、砂礫混じりの、可塑性に富んだ土で、 耐火度もあり、青白色です。

  粘り気が少ないので、やや扱いに注意が必要ですが、独特の風合いに焼き上がります。

  釉薬は透明釉や萩釉(白萩、赤萩、青萩)など 、薄めの色調がお奨めです。

  又、大道土は、ピンホールがあると、御本手(ごほんて)と呼ばれる 、ピンク(オレンジ色)の

  円形が 、現れ易くなります。

 ② 金峯土(みたけつち)

   黄白色の、ざらざらした、一種のカオリン(粘土)である。

   粘りはないが、耐火性が強いです。

   萩焼の主要土は、大道土と金峯土であり、これらの配合により、作品の出来も左右されます。

 ③ 見島土 (みしまつち)

   萩市の沖合見島の、鉄分の多い赤土で、耐火度が低く、粘りがなく、大道土、金峯土に少量混ぜて

   使用されます。 (単味で使う事は、少ない)

   現在では、大道土とともに、萩焼に欠くことのできない土です。

   これを適当に混入して、三島手、刷毛目、粉引手等に使います。


 ・ 萩焼の特徴

  特徴は、焼き上がりの土の柔らかさと、吸水性にあります。 低火度で長時間ゆっくりと焼く為、

  製品の感触が柔らかく、土があまり焼締まらず、重たく、保湿性を持っています。

  更に、吸水性があるため、長年使っていくうちに、茶や酒が浸透して茶碗の色が変わり、

  茶人の間では 、「茶馴れ」といって、珍重されています。

  又、萩焼きの形や、装飾の素朴さもあります。

  萩焼では、伝統的に、朝鮮式の「蹴りロクロ」が使用され、その微妙なブレを生かします、

  そして、絵付けは、ほとんど行われていません。 

粘土の種類 萩土 萩焼

コメント
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