わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

化粧土の調整 (粉引き)

2009-09-26 16:13:49 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
化粧掛けには、色々な問題が発生し易いです。その解決方法を、記したいと思います。

 1) 作品が壊れる(特に粉引きの場合)

 2) 亀裂が入る。化粧掛けした土が、素地から、剥がれる。

 3) 「ぶく」と「ピンホール」が出る。

 4) 貫入が入り易い。

 以下順に説明して行きます。

 1) 作品が溶けて壊れる。

  粉引きで、不用意に「漬け掛け」すると、作品が壊れてしまう事が、多いです。

  なぜ素焼をするのか? 素焼なしで、釉は掛けられ無いのか?、その理由を、考えて下さい。

  素焼しないで、釉を掛ける事を、「生掛け」と言いますが、(生掛け)では、作品が壊れます。

  (但し、「生掛け」可能な土も、存在しますが、ほとんどの土は、不可です。) 

  その原因は、釉薬の水分が、素地の側へ移るからです。

  同じ事は、白化粧にも言えます。解決策として、前回お話した、素焼後の「南蛮掛け」も、

  一つの方法ですが、「粉引き」の場合は、「生掛け」の方が、作品は綺麗に出来ます。

  尚、「南蛮掛け」の場合には、一度水に通してから、「粉引き」の作業をします。

  では、その解決方法を、述べます。

(1) 水分の少ない化粧土を作る。

   即ち、解コウ剤を添加した化粧土を使う。

   解コウ剤: 炭酸ソーダや、珪酸ソーダ(水ガラス)など

    泥しょう中の原料を、分散させる物で、少量の水で、粘性の少ない、流動性の有る、

    化粧土を作る事が出来ます。

   作り方は、

  ① 化粧土に、「べたつく」程度の、少量の水を入れます。

  ② 少量の、「水ガラス」等を、添加する。

    添加する量は、化粧土の組成によって、変わりますが、少量です。

    添加量が多過ぎると、「ぼてぼて」した状態に成ります。

  ③ 出来上がった化粧土は、極端に水分が少なく、「刷毛塗り」も、し易いです。

    「刷毛塗り」では、水分が少ないので、一度の塗りで、厚く掛ける事が出来ます。

(2) 化粧土の水分が、素地へ移りにくくする。

   即ち、化粧土の保水力を、高める為、化学糊「CMC」を、化粧土にかなり多く、添加します。

   1)、2)の方法を述べましたが、1)の方が、断然効果が大きいです。

 3) その他

  ① 粉引き」をする場合、素地の乾燥具合も、大きな要素です。

   素地が乾燥しているほど、壊れる危険性が、大きいですが、乾燥不十分ですと、化粧土の

   厚みが、薄くなりがちです。色々なタイミングで、試行錯誤して下さい。

  ② 「粉引き」の作業終了後、10~15分程で、作品が壊れてくる事が多いです。

    水分が、作品の中に入り込まない内に、表面を乾燥させれば、壊れるのを防ぐ事が出来ます。

    即ち、 「ドライヤー」で3分程度、強制的に、均一に(回転させながら)乾燥させたり、

    場合によっては、電子レンジで、間欠的に通電し、乾燥させる方法も、有ります。

    又、作業後直ぐに、天日干しし、乾燥させる技法も有ります。


 以下次回に続きます。

   
  粉引き

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化粧土について

2009-09-26 14:17:44 | 作品の装飾と陶磁器の絵付け
化粧土は、作品の本体(素地)に、使う事は出来ませんが、作品の装飾には、欠かせない材料です。

素地の上に、薄い皮膜を作り、鉄化合物の多い素地(赤土など)では、素地の色を隠したり、

素地表面の、小さな穴(ピンホールなど)や、粒々による凸凹を、平滑にする為に、使います。

 又、各種装飾にも、使います。

 化粧土は、英語で「エンゴーベ」或いは、「スリップ」と言います。

 白化粧土が基本ですが、顔料を混入して、各種の色化粧土を、作る事も出来ます。

 (自分で調合しなくても、色々な化粧土が、市販されています。)

基本的な顔料を、記します。

 ① 青色: 酸化コバルト、明るい色2%、暗色10%

 ② 緑色: 酸化クロム、 明るい色5%、暗色20%

 ③ 灰色: 酸化ニッケル、明るい色2%、暗色10%
 
 ④ 褐色: 酸化マンガン、明るい色5%、暗色20%

 ⑤ 黄色、琥珀色: 酸化ウラン、明るい色5%、暗色10%

 ⑥ 黒色: 酸化鉄に、Co 20%、MnO2 20%、Cr2O3 10%の混合物を仮焼し、加える。

 ⑦ 赤、ピンク: 酸化鉄、明るい色5%、暗色15

   但し、酸化クロム、石灰石、少量の酸化錫の混合物を、仮焼した顔料の方が、断然良い色が出ます。

白絵土

 白化粧土として、市販されていて、このまま使用可能ですが、より白く焼き上げた場合には、

 白絵土:ローセキ(滑石):蛙目粘土 = 1:1:1 の様に調合します。

 又、素焼後に、化粧掛けする事を、南蛮掛けといいますが、その調合例は、以下の様に成ります。

 白絵土:ローセキ:蛙目粘土 = 3:1:1 とします。

 但し、一般的に、南蛮掛けは、安全に白化粧を、掛ける事が出来ますが、生掛けより、接着力が弱く、

 問題も多く、綺麗ではありません。

化粧土を使った装飾には、以下の技法が有ります。

 )イッチン(スポイト掛け)、 )刷毛目、 )搔き落とし、 )泥打ち、 

 Ⅴ)鉄絵(白化粧後、絵を描く)、 Ⅵ)象嵌、 Ⅶ)墨流し、 )粉引き(こひき)が有ります。

  (以前に、説明しましたので、ここでは詳細は、省きます。)

 粉引き以外の方法は、「刷毛塗り」や、作品の一部に、「流し掛け」等の方法で、化粧土を塗り

 ますので、さほど問題は起こりませんが、

 粉引きは、作品全体を、「浸し掛け=ずぶ掛け」や「流し掛け」で、化粧土を掛ける為、作品が溶けて

 壊れる恐れが大きいです。それ故、その対策をする必要があります。


 化粧掛けには、色々な問題が発生し易いです。その解決方法を、次回に記したいと思います。


   化粧土
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