多くの運動や芸能などは、頭で考えながら作業や行動する様では、上達はおぼつかないです。
勿論、考える事は大切な事ですが、出来れば行動を起こす前に十分考えるて置く事です。
自転車にしろ水泳にしろ一度技術を会得すれば、一生忘れる事が無い物もあります。
これこそが本当の意味で、体で覚える事だと言えます。
1) 技術を習得し、身に付くまでには、ある程度の年月が必要です。
その技術が、どの様なものかによって、年月にも大きな差が出来ます。
陶芸の場合は、数週間~数年のものが多いです。
① 例えば、施釉する技術は、数週間あればほとんど身に付く技術と言えます。
② 轆轤技術が身に付く為には、数年を要します。
③ 「窯焚き一生」と言う諺がありますが、満足する窯焚は、何年経っても出来ません。
同様に、自分なりの釉を新たに作り出すのも、かなりの時間を要し、一生掛かっても完成
できない場合も多い様です。
2) 言葉では教えられない事もあります。又教えを受けたからと言い、その事が身に付く訳では
ありません。いくら手本を示しても、実際に当人が苦労しない限り、上っ面の知識と成り易いです。
細かいニュアンスは言葉では、言い表せない事も多く、受け手に十分理解されているかは不明な
場合も多いです。本人が「判ったと」言う顔(表情)をしていても、実際には判っていない場合も
多いですので、お互いに注意が必要です。
3) 技術を習得するには若い程良い。
① 頭(思考)の柔軟性に富んだ人の方が理解も早く、技術の習得も早いです。
② 柔軟性は頭の柔軟性の他に、肉体の柔軟性も必要な場合も多いです。
その為にも、なるべく早い時期からその道に進む事が大切になります。
但し陶芸の場合30~40代に始める人も多く、それらの人たちの中には、人間国宝に成った
方もいます。
4) 技術を体で覚える為には、「繰り返し練習する事」と言われています。
但し、理屈に合った練習でなければなりません。そして大切な事は、失敗をする事だと言われて
います。失敗した場合、失敗の原因を考える事により、次回より同じ失敗を繰り返す事も無くなる
かも知れません。しかし同じ失敗を繰り返す様でしたら、対策が不十分か間違っている事に
なります。
① 短期間に集中して練習すれば、技術は早く会得する事が可能です。
長い年月を掛けても、休み休みの練習では効果が期待できません。
② 昔の職人達は、湯呑みを数千個作って技術(腕)を磨いたと言われています。
この方法が現在でも有効かどうかは、意見が分かれるところです。
陶芸を楽しんでいる方は、必ずしも職人の様に、同じ物を数多く作りたいと思っている訳では
ありません。むしろ色々の形や、釉を使ってみたいと思っている方が大半です。
それ故、色々な技法を学び身に着けたいと思っています。その為には、同じ形のものでは
なく、バラエティーに富んだ作品に挑戦する方が、技術習得に役立つかも知れません。
以下次回に続きます。