わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸の心得20(技術は体で覚える2)

2012-08-01 22:06:52 | 陶芸の心得

多くの運動や芸能などは、頭で考えながら作業や行動する様では、上達はおぼつかないです。

勿論、考える事は大切な事ですが、出来れば行動を起こす前に十分考えるて置く事です。

 自転車にしろ水泳にしろ一度技術を会得すれば、一生忘れる事が無い物もあります。

 これこそが本当の意味で、体で覚える事だと言えます。

1) 技術を習得し、身に付くまでには、ある程度の年月が必要です。

   その技術が、どの様なものかによって、年月にも大きな差が出来ます。

   陶芸の場合は、数週間~数年のものが多いです。

   ① 例えば、施釉する技術は、数週間あればほとんど身に付く技術と言えます。

   ② 轆轤技術が身に付く為には、数年を要します。

   ③ 「窯焚き一生」と言う諺がありますが、満足する窯焚は、何年経っても出来ません。

      同様に、自分なりの釉を新たに作り出すのも、かなりの時間を要し、一生掛かっても完成

      できない場合も多い様です。

2) 言葉では教えられない事もあります。又教えを受けたからと言い、その事が身に付く訳では

   ありません。いくら手本を示しても、実際に当人が苦労しない限り、上っ面の知識と成り易いです。 

   細かいニュアンスは言葉では、言い表せない事も多く、受け手に十分理解されているかは不明な

   場合も多いです。本人が「判ったと」言う顔(表情)をしていても、実際には判っていない場合も

   多いですので、お互いに注意が必要です。

3) 技術を習得するには若い程良い。

   ① 頭(思考)の柔軟性に富んだ人の方が理解も早く、技術の習得も早いです。

   ② 柔軟性は頭の柔軟性の他に、肉体の柔軟性も必要な場合も多いです。

     その為にも、なるべく早い時期からその道に進む事が大切になります。

     但し陶芸の場合30~40代に始める人も多く、それらの人たちの中には、人間国宝に成った

     方もいます。

4) 技術を体で覚える為には、「繰り返し練習する事」と言われています。

   但し、理屈に合った練習でなければなりません。そして大切な事は、失敗をする事だと言われて

   います。失敗した場合、失敗の原因を考える事により、次回より同じ失敗を繰り返す事も無くなる

   かも知れません。しかし同じ失敗を繰り返す様でしたら、対策が不十分か間違っている事に

   なります。

   ① 短期間に集中して練習すれば、技術は早く会得する事が可能です。

      長い年月を掛けても、休み休みの練習では効果が期待できません。

   ② 昔の職人達は、湯呑みを数千個作って技術(腕)を磨いたと言われています。

      この方法が現在でも有効かどうかは、意見が分かれるところです。

      陶芸を楽しんでいる方は、必ずしも職人の様に、同じ物を数多く作りたいと思っている訳では

      ありません。むしろ色々の形や、釉を使ってみたいと思っている方が大半です。

      それ故、色々な技法を学び身に着けたいと思っています。その為には、同じ形のものでは

      なく、バラエティーに富んだ作品に挑戦する方が、技術習得に役立つかも知れません。

以下次回に続きます。

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