① 窖窯での焼成には、それなりの心得が必要です。
) 窖窯に向く作品の造り方
作品を作る方法には、一般の作品同様に、轆轤成形と手捻り成形があります。
a) 窖窯用の作品は、手捻り成形による方が、趣ある焼物に焼き上がる場合が多いです。
即ち、蹲(うずくまる)の様な壷類は、紐を積み上げる際に出来る、指痕や繋ぎ目などの歪みが
その作品の個性と見なされ、更に器肌の凸凹に灰が不均一に積もる結果、予想外の景色と
成って現れます。又、凸凹な形状程、灰が載り易くなります。
b) 作為的な作品よりも、素朴な作品の方が、作品に面白味が生じ易いです。
窖窯の炎は気まぐれで、余り計算された作品よりも、成り行き任せの自由に造られた
方が、魅力ある作品になる事が多い様です。
c) 高い温度で焼きますので、割れが発生し易いです。予防策として土を良く締める事です。
特に「底割れ」は起き易いですので、拳(こぶし)等で、底を叩き締めます。
) 施釉について。
a) 窖窯での焼成は原則無釉ですが、袋物(壷や徳利、花瓶などの作品)などの目に見えない
内部や、水を貯めておく花瓶などは、水漏れの危険性の予防の為、内部を施釉する場合も、
珍しくありません。(生掛けの場合又は、素焼き後に施釉する事があります。)
b) 灰が何処に掛かるかは、偶然性が大きいです。又垂直な面には、灰が載り難いです。
そこで予め、松灰を塗ってから窯に入れる方法もあります。即ち、水又はCMC(科学糊)
溶液を、作品にスプレー掛け後に松灰を、好みの場所に振り掛けます、振り掛ける量を
多くすると、灰は流れ易くなります。
) 窯詰めについて。
緋色やビードロなど目的通りの結果を得る為には、火の通り道を考えて窯詰めを行う必要が
あります。窖窯の窯の中では、場所場所によって、炎の当たり具合、温度の高低、酸化還元の
強弱、降灰の量の大小、「おき」のたまり易い所など、大きな「バラツキ」が存在します。
当然、その様な事を熟知した上での窯詰めになります。
もしも、借り窯であれば、その持ち主から十分な情報を手に入れる必要があります。
a) 窖窯は大なり小なり、傾斜を利用した窯の構造に成っていますので、作品をバランスをとって
棚板が水平に成る様に、窯詰めする必要があります。傾斜のきつい窯であれば、棚板の
支柱の長さも長くなり、不安定さが増します。焼成中に棚板が手前や、壁際に崩れない様に、
しっかり固定する必要があります。又、炎の勢いも馬鹿に成らず、結構強い圧力が手前から
奥へ掛かるそうです。
b) 棚板の上に作品を並べる。
以下次回に続きます。