わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸の心得22(予測不可能な事)

2012-08-03 21:38:32 | 陶芸の心得

陶芸の中には、やってみないと判らない事も多く存在します。

1) その代表的なのは焼成です。窯を開けて見るまで、どの様な作品に出来上がっているかは判ら

   ないのが普通です。例え温度が所定の位置まで上昇し、還元(又は酸化)焼成が完璧に出来た

   と思われたとしても、予想通りの色や形に仕上がる訳でもありません。 同じ釉を掛け、隣同士の

   位置に窯詰めしても、焼き上がりが極端に異なる場合も珍しくありません。

   特に薪やガス、灯油などの燃料を使う窯の場合は、顕著に現れます。

   場合によっては、色だけでなく、作品に亀裂やひびが入ったり、ひどい場合には、作品が粉々に

   成ってしまう事もあります。

  ① 今までに無い特に変わって発色した場合は、「窯変」と言い珍重されますが、同じ条件で焼成し

     ても、二度と同じ様に焼き上がらない場合が多いです。

     勿論、焼成時のデータを確認しながら、再現を目指すべく色々思考錯誤するのですが、

     再現しない事の方が多い様です。要するに、根本的な事が判っていない事が、原因かも

     知れません。

  ② 同じ条件で焼成しても、窯の種類によって、焼き上がる作品の釉の色に差が出ます。

     薪、ガス、灯油、電気窯などによって、同じ土、同じ釉、同じ焼成(酸化、還元)であっても、

     明らかに違いが出ます。その為、数種類の窯を持ち、使い分けている方もいます。

  ③ 窯には個性があります。(市販の窯であっても、手作りの窯であっても個性が出ます。)

    同じ窯でも、窯の扉を開けないと結果が判らないのですから、同じ燃料を使用し、同程度の

    大きさ(容積)の他の窯であっても、当然焼き上がりには差がある物です。

    それ故、ご自分が納得する焼き物が出来る様に、窯を改造したり、何度も新たな窯を築く人も

    います。更に、他の人の窯焚きについての話を聴いても、必ずしも役に立つ訳ではありません。

   ) 窯の癖を見分ける事が、窯焚きの必須の条件です。

     a) 窯の中は均一ではない。

       基本的には均一にしたいのですが、均一に成らないのが実情です。

     b) 窯の中では、ある程度の温度差が生じます。窯の容積が大きい程、温度差が出易いです。

       温度差を少なくする為に、「寝らし」と言い、目標温度で一定時間保持する作業を行います。

       しかし、この作業も完璧な物ではありません。

       又、窯の中の場所によっては、温度上昇が急であったり、逆に温度上昇が遅い場所が

       出来易いです。その結果は、釉や作品の形に影響を与えます。

     c) 電気の窯では、一つ窯全体が酸化焼成する事が可能ですが、燃料を使う窯では、完全に

       酸化や還元焼成に成らず、還元焼成でも一部で酸化焼成になる事も、珍しくありません。

       又、還元でも、強還元や、弱還元など、窯の中の位置関係によって差が出ます。

     d) 窯の冷める速さにも、場所によって差がでます。(壁の厚い程、容積が大きい程、

       冷えは遅くなります。) 窯の下部から冷却が始まり、最上部が最も遅く冷却します。

       釉によっては、急冷に向く「黒釉」や、徐冷に向く「結晶釉」などがありますので、釉に合わ

       せて、窯詰めします。

    勿論数度の窯焚きでは、その窯の癖を把握する事は困難です。

    ある程度の回数を行う事により、少しずつ癖を把握する事になります。

    その結果は次回の窯詰めや、焼成に役立たせます。

 以下次回に続きます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする