わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

現代の陶芸180(兼田昌尚1)

2012-08-30 21:34:13 | 現代陶芸と工芸家達

山口県萩在住の、兼田昌尚氏は、「刳貫技法」と言う、独自の方法で作陶を続けています。

 尚、「刳貫(くりぬき)」とは、土の塊を板で叩き締め、中を刳貫いて成形する技法です。 

1) 兼田 昌尚 (かねだ まさなお): 1953年(昭和28)~ 

 ① 経歴

   1953年  山口県萩焼の窯元(天寵山窯)の七代兼田三左衛門の長男として萩市に生れます。 

   1977年 東京教育大学教育学部、芸術学科 彫塑専攻を卒業します。

   1979年 筑波大学大学院、芸術研究科 彫塑専攻を終了し、帰郷して父三左衛門につき

     轆轤の腕を磨き、作陶全般についての修行に入ります。

    1985年 日本工芸会の正会員になります。(91年 同会を脱退します。)

    1996年 山口県芸術文化振興奨励賞を受賞します。

    2000年~2003年 筑波大学 芸術学系 助教授に就任します。

    2002年 岐阜現代陶芸美術館「現代陶芸の100年」展に出品します。

    2003年 茨城県陶芸美術館「現代陶芸の華」展に出品。

   2005年 八代目 天寵山(てんちょうざん)窯元に就任します。

   2006年 八代天寵山窯就任記念「陶’06」を日本橋三越で開催します。

   2003~2006年 萩国際大学陶芸文化コースの教授に就任します。

  ・ 個展も、横浜高島屋(横浜)、伊勢甚(水戸市)、彩陶庵本館(萩市)、目黒陶芸館(四日市市) 、

   ギャラリー器館(京都市)、赤坂游ギャラリー(東京)、うめだ阪急百貨店(大阪市)など、各地で

   多数開催しています。

   又、兼田昌尚氏の作品は、山口県立萩美術館、東京国立近代美術館・工芸館、東京国立近代

   美術館、ブルックリン美術館、 山口県立美術館、 横浜そごう美術館、 岐阜県現代陶芸美術館、

   など多くの美術館に収められています。

  ② 兼田昌尚氏の陶芸

  ) 昌尚氏の出発点は彫刻でしたが、やがて家業の陶芸に専念する様になります。

    西日本陶芸展(山口県知事賞)、日本工芸会山口支部展(朝日新聞社賞)、九州山口陶磁器展

    (毎日新聞社賞)、西日本陶芸美術展(通産大臣賞)などの公募展で、数々の賞を受賞し高い

    評価を受けていました。これらの出品は轆轤成形による作品です。

    しかし、次第に轆轤挽きの作品に限界を感じる様になります。

  ) 「轆轤力」から「かたまり力」へ

     1991年 日本工芸会を脱退し、土を刳貫くと言う新しい技法で、作品を作る様になります。

     (勿論、轆轤挽きを辞めた訳ではなく、平行して続けますが、公募展の作品は刳貫きの作品に

     成っていきます。)刳貫きは、土の持っている力を表現する為「かたまり力」と命名しています。

  ) 「刳貫」技法とは。

以下次回に続きます。 

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