わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

土鍋2(土鍋を作る)

2009-09-17 21:41:49 | 陶芸入門(初級、中級編)
土鍋について、もう少し述べたいと思います。

7)-2 土鍋の作り方

  市販の量産化された、土鍋は、機械ろくろで、製作されていると、思います。

  (機械ろくろ:ろくろ上にセットされた型に、土を入れ、コテで型に押し付けて、作成する方法です。)

  土鍋の土は、食器の土と違い、粘り気が無い為に、ロクロは挽き辛く、そこに土鍋を、

  個人で作る事の、難しさがあります。

 私の教室でも、全員で土鍋作りに、挑戦した事が有りますので、その経験から、述べたいと思います。

  用意した土は、信楽の鍋土(白)、ペタライト入りの土です。

 ① ロクロで作る

   ロクロでは、土が上に伸び辛く、中々薄く出来ません。(小物ならばさほど問題ありません)

   土に粘りが無いため(荒目の土、シャモット等の為)、形造りも苦労しました。

   特に蓋よりも、本体の方が、深みが有る分、難しいです。

 ② 手捻りで作る

   「紐作り」、「タタラ作り」などでも作りました。

   土の粘り不足で、接着したり、変形させると、直ぐに「ひび」が入り易く、中々上手に出来ません。

   特に、四角い土鍋を作りたく、タタラ(厚さ5~8mm)を、貼り合わせで、挑戦しましたが、

   乾燥時に、接着面で剥がれ、「ひび」が入りました。

   結局、全部壊す事に成りました。貼り合わせで作る事は、無理な様です。

 ③ 型を使う

   一般的な方法で、失敗も少ないです。

   板状に伸ばした土(タタラ)を、洗面器などの容器を、型として使います。

   タタラが、乾燥しない様にして、慎重に型へ押し込みます。

   蓋も同様に作り、本体に蓋受けと、取っ手を付けて、完成です。

   但し、適当な型を、見つけるか、作る必要があります。

   又、型離れを、良くする為に、土と型の両方に、片栗粉を付けます。

7)-3 釉薬、焼成

  ① 素焼までは、普通の食器の場合と、同じです。

  ② 釉薬は、ペタライトの入った、土鍋専用の釉(透明)を使いました。

    一般の釉より低い温度(最高1200℃)で、焼成しますので、専用の釉を使うのが、妥当です。

    当然、底は無釉にします。 下絵付けも可能です。

 ** 追加記事:HON様より以下の情報を得ましたので、記事を追加します。

    以前、土鍋は焼成温度が低いので他の物と一緒に焼けなくて不便との記事を読みましたが、

    鍋を1230度で焼く2つの方法をご紹介します。

   1)コーヒー豆の使用後のカスを目分量の体積比で約10%土に混ぜる。

    土はバサバサになり菊練りがやっかいです。カスは燃えて無くなり土は耐熱性が高まります。

   2)ある程度耐熱性のある土に、より土(道具土)を10%混ぜる。

    私の使っているより土には3~4mmの石粒が入っているので、目開き1mmくらいの篩で

    漉して使います。コーヒ豆よりは練り易いです。**

  ③ 焼成は、最高温度以上に、成らない様にする注意する以外、普通に窯を炊きます。

    焼成で、失敗は有りませんでした。

7)-4 土鍋作りの課題

  ① 焼成温度が低い為、他の作品と同時に焼く事が出来ず、土鍋だけを、一窯焚く事に成ります。

    窯が大きいと、窯を「いっぱい」にするのに、苦労します。

    (一個あれば、10年以上使用可能ですので、沢山作る人は、少ないです。)

    又時たま、土鍋を作りたいとの希望も、有るのですが、人数が集まらないと、

    希望を叶えられないのが、実情です。

  ② 2~3ヶ月前より製作に、取り掛かりましたが、かなり失敗し、何度か作り直しました。

以下、次回に続きます。

  
 土鍋 土鍋を作る   
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土鍋1(土鍋土)

2009-09-16 22:37:55 | 陶芸入門(初級、中級編)
土鍋ついて、述べたいと思います。(特に、これから土鍋を作りたい方の、参考にして下さい。)

これから冬に向い、鍋料理が美味しくなる季節と、成りました。

特に、旬の美味しい食材を使い、熱々の土鍋料理は、楽しい食事が、期待されます。

土鍋は、色々の大きさの物が、市販されていますが、自分で作りたいと、希望される方も、多いです。

100円ショップで、売られている物から、数万円の土鍋まで、色々有ります。

その違いは、何処から来るのでしょうか?

土鍋は、他の陶器と違い、粘土、作り方、釉薬、焼成温度などに、違いが有り、安易には出来ません。

以下各項目について、順次記していきます。

7) 土鍋の土

  直火で、煮炊きする土鍋は、それ専用の土を、使う必要が、有ります。

  (一般の陶芸用粘土で、作った作品は、直に火に掛けると、壊れます。)

 ・ 土鍋用の土は、天然の素材(粘土)を、そのまま使用する場合と、

 ・ 土鍋用に、調合(ブレンド)した土に、分かれます。

  一般的に、土鍋用として市販されている土は、後者(調合土)が多いです。

  土鍋用の土は、各地に存在しているとの事ですが、幾つか紹介したいと、思います。

 ① 信楽鍋土(耐熱信楽土) 酸化焼成1180℃~1200℃ (1200℃を越えないように、注意)

   信楽の荒目の土(白土、赤土)で、急熱急冷に耐え、土鍋にも使われます。

   直火に強く、陶板、ほうろく(胡麻など炒る道具)、グラタン皿など、直火で割れない性質が、

   有ります。 成形に難があり、土の粘りも少ないです。

 ② 万古焼、益子焼などの耐熱土

   地元の土に、他の材料(ペタライト)を混ぜ、調合して、耐熱用の土にした物です。

 ③ 伊賀の土

   食器用としては、あまり使われない、火に強い土です。

   調合しない土で、自然の土に、余り手を加えずに、使用します。

   焙るなどの調理器具として、昔からプロの料理人に愛されてきました。

   直火調理は勿論の事、オーブン、電子レンジにも使えます。

   伊賀の陶土は、土鍋本体がしっかりとし、を蓄えて、食材の芯までじっくりと火を通し、

   旨みを逃さず、美味しい料理に仕上げ、保温効果も良いと言われています。

   但し、調合土よりは、はるかに火に弱く、汚れや易い、欠点もあります。

7)-1 土鍋土と、耐熱鍋土(調合土)の違いについて

  ① 耐熱(鍋)土の特徴

   現在市販されている土鍋の多くは、人工的に強度を増した土が使われれています。

   どれも伊賀の土(無調合土)などよりも、はるかに火に強く、また汚れにくいことが特徴です。

   この土は、土鍋の弱点とされる、「ひび割れ」や、「水が浸み込むとによる、カビの発生」など、

   ほとんど、起こらない様に、調節されています。

   火にかけ、熱を加えた時に起こる、膨張(熱膨張)も、ほとんどありません。

   その為、冷める時に、収縮も起こりません。

 ・ 耐熱土のポイントは、ペタライトで、リチウム長石(葉長石)と呼ばれる物を混ぜています。

   ( ペタライトは、長石に似ていますが、別の物です。)

  土鍋土や、普通の粘土で作った製品は、熱を加えると大きく膨張しますが,耐熱土は、

  ペタライト中の、リチウム系の 低膨張の物質によって、熱膨張が小さくなります。

  それ故、直火や空焚きしても割れない、 焼き締まった、硬い製品を作る事が出来ます。

  又,釉薬も一般的な粘土と、熱膨張が違うので、ペタライトを配合した、低熱膨張の釉を、

  使う必要があります。

 ・ 一般的な粘土との調合例

  土鍋土  : ペタライト50 、粘土50 、焼成温度1200~1250℃ 、膨張率 20%以上

  耐熱鍋土 :  40、  50 、シャモット10 、 1150~1200℃1     5%未満

  どちらの鍋土も、ペタライトが50%入った土を使っています。違いは焼成温度です。

  この土は直火には強く、空焚きしても、何ともありません。

  尚、ペタライトの入った土鍋土は、高価です、安価な土鍋は、蓋のみ普通の土を、使う事もあります。

  耐熱土鍋で調理すると、沸騰するまでが早く、中身がグラグラと煮え立ちます。

  土の表面が滑らかで、硬質なので、水が浸み込む事はなく、初めて使用する際に「おかゆ」を、

  炊く必要はありません。 扱いが非常に楽ですが、そのかわり、調理の味も、それほど旨くなりません。

 ② 無調合(鍋土)の土の特徴

  昔ながらの、自然の土で作られた土鍋は、あまりグラグラと沸騰せず、鍋の中で食材を、

  包み込む様に、ゆっくり火が通っていきます。

   野菜や魚など素材の持っている、甘みや旨みを引き出し、

  その為、「ふっくらとした味」に仕上げます。

  (煮物など食材に火を通し、味をしみ込ませていく時には、沸騰している必要はありません)

  この煮え方の違いによって耐火土鍋に比べ、断然おいしく出来上がります。

  土の感じは、荒く「ざらざら」していますが、その荒さが火の通り道の、隙間をを作っています。

  使用していると、鍋に「ひび」が入る事がありますが、この「ひび」は、壊れたわけではなく、

  土鍋を直火に掛けた事による、膨張の調整によります。使うには、支障はありません。
  
  しかし、隙間が開いているという事は、水も通してしまいます。
 
  そこで使い始める前に、この隙間を埋める為、「おかゆ」を炊く必要が、ある訳なのです。

  「火(熱)は通すけれど、水(汁気)は通さない」、状態を作る訳です。

  自然の土で出来た土鍋は、正直言って、使うのに手間がかかります。

  けれど、この手間をかけることによって、生まれてくる美味しさもあります。

  どちらが、絶対的に良いという訳ではなく、同じようにみえる土鍋も、土によって、

  違いがあるという事です。

以下、次回に続きます。

土鍋土
                
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粘土の種類と特徴(益子焼、笠間焼)

2009-09-15 21:39:08 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

5) 益子焼(ましこやき)

 栃木県芳賀郡、益子町周辺を産地とする、陶器の焼き物です。

 近隣の笠間焼を「ルーツ」に持ち、江戸時代より、日用雑器を作っていました。

 当初は水がめ・火鉢・壺などの、日用品が主に製作されていたが、1927年より、濱田庄司によって、

 花器・茶器などの民芸品が、作られるようになり、「民芸」の言葉と伴に、益子焼は、

 日本全国に知られる、焼き物になりました。

  ・ 「民芸」とは

  柳宗悦を中心に、濱田庄司、河井寛次郎らが、、当時の美術界では、ほとんど無視されていた、

  日本各地の、日常雑器、日用品など、無名の工人による、民衆的工芸品の中に、真の美を見出し、

  これを世に広く紹介する活動です。

 現在では、大勢の陶工が、窯を構え、従来の益子焼とは、異なる作品も、多く作られています。

 (又、横川駅の駅弁で、「峠の釜飯」の器としても、有名です。)

 益子焼は、石材粉や古鉄粉を釉薬にし、犬毛筆で色づけを行う為、重厚な色合いと「ぼってり」

 とした 、肌触りに特徴が有ります。

・ 益子の土

 益子の土は、砂気と鉄分が多く、赤土で、「粘り」が少なく、耐火度も弱い為、やや厚手に作ります。

 それ故、重く、割れ易い性質が有ります。 粘土としては、必ずしも良い土とは、言えません。

 現在100%の益子の土を、使う人は、少なく、他の土をブレンドして、使っている方が、ほとんどです。

 (栃木県産の、新福寺粘土などの荒い陶土に、木節粘土を加えた土が、多いそうです。)

 
6) 笠間焼(茨城県笠間市)

 益子の近隣(山を一つ越えた所)に、笠間焼の陶器の産地があります。

 江戸時代から続く「笠間焼」は、関東随一の歴史と、伝統に生きる焼き物です。

  江戸時代、笠間藩主・牧野貞喜の保護政策もあり、大量の陶器が、江戸などの大都市に出荷される、

 一大窯場でした。笠間稲荷神社の、参拝みやげなど、当時から全国で人気を博し、

 現在では欧米にも、輸出されています。

・ 笠間の土

 鉄分を多く含んだ、赤褐色の土は、可塑性にすぐれている為、ろくろによる成形技術が発達しました。

 昔は水がめ、茶壺、すり鉢、湯たんぽ、徳利などの日用雑器が、作られていたが、

 その後、笠間粘土の風合いを生かした花器、茶器など、芸術性の高い作品も作られる様になりました。

 笠間の土は、粒子が細かく、ねばりがあって、焼き上がりの収縮率が高いと、言われています。

 出来上がった作品は硬く、日常雑器として理想的な丈夫さがあります。

益子焼 笠間焼

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粘土の種類と特徴(唐津土、唐津焼)

2009-09-14 14:04:58 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

4) 唐津の土  

  唐津焼は、昔から、萩焼同様に、茶器として好まれています。

  唐津焼の土は、焼き上がりが赤みを帯びた灰色です。

  焼き締まりも良く、茶器・食器・花器・民芸品等に幅広く使えます。

 ・ 東日本で、焼き物を『瀬戸物』と言い、西日本では『唐津もん』とも言い、焼き物の、

  代名詞になっています。

 ① 唐津土(細、中、荒目) 焼成温度目安・・1200~1250℃

   鉄分の多い、粗い「ざっくり」とした、感じの土で、人によっては、山から掘り出してきた土を、

   ほとんど手を加えずに使います。

   持ち味を生かすために、手作りにこだわり、蹴ロクロを、使っている方もいます。

   砂っぽい土のせいで、案外「ヒビ」が入り易いのも唐津土の特徴です。。

 ② 朝鮮唐津土(細、中、荒目)

  「 朝鮮唐津」に向いた土です。

  「朝鮮唐津」: 黒飴色の鉄釉と、白い藁灰釉を掛け分けて、施釉した唐津焼きです。


 ・ 唐津焼の種類
 
 A) 絵唐津

  器に鬼板(含鉄土石の一種)で花鳥、草木といった絵柄を描き、灰色釉など透明な釉薬を、

  施し焼成したものです。

 B) 朝鮮唐津

  朝鮮半島からの、陶工により伝えられた、伝統的な唐津焼です。

  黒釉と白い藁灰釉を、上下に掛け分けた物で、水指や花生などの、花器に多く見られます。

 C) 三島唐津

  李朝の三島の技法を、倣った唐津焼で、本来は生地が、半乾きの状態で、印花紋などの紋様をつけ、

  化粧土を塗り、その上に長石釉・木炭釉を掛けて、焼成したものです。

 D) 斑唐津

  失透性の藁灰釉を、掛けた唐津焼で、全体が乳白色である中に、青や黒の斑紋が混じるので、

   斑唐津と言われます。

 E) 奥高麗(おくごうらい)

  唐津焼の茶碗の中でも、高麗茶碗の特徴を取り入れた、初期の茶碗を言います。

 F) 瀬戸唐津

   瀬戸(志野)風の焼き上がりの、唐津の茶碗を言います。

 G) 青唐津

  唐津焼の中でも、釉の木灰や胎土に、含まれる鉄分が、還元炎焼成により、青味を帯びた、

  ものを言います。

 H) 彫唐津

   唐津焼茶碗の中で、茶碗の外側に、檜垣状の刻文があり、その上から鉄釉を施したもので、

  古田織部の指導で、焼かれたと、言われています。


粘土の種類 唐津土 唐津焼
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粘土の種類と特徴(萩土,萩焼)

2009-09-13 20:37:31 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

昔より、茶道の世界で、「一楽、二萩、三唐津」と言われ、萩焼、唐津焼の茶碗が、珍重されています。

又 萩土は、焼き締りが少なく、柔らかい土味と、吸水性があり、釉の「貫入」によって、

長年使用していると、器が変色してきます。 (速い話、一種の汚れです。)

これを「萩の七化け」と言い。茶道や、酒気では、特に珍重されています。

4) 萩の土

  萩焼きとは、山口県萩市を中心に製作される、焼き物です。

  昔から、茶器として好まれ、焼き上がりは、薄黄土色です。

  茶器・食器等に、適しています。

 萩土(金峯・大道)細目、荒目: 金峯土と大道土の混合

 萩土(見島土混入)細目: 上記細目土に、見島土を20%ブレンドし、酸化で橙色に発色 します。

 ① 大道土(だいどうつち)  焼成温度目安・・1200~1250℃
 
  萩焼に使われる土の代表が、この「大道土」です。

  大道土は、砂礫混じりの、可塑性に富んだ土で、 耐火度もあり、青白色です。

  粘り気が少ないので、やや扱いに注意が必要ですが、独特の風合いに焼き上がります。

  釉薬は透明釉や萩釉(白萩、赤萩、青萩)など 、薄めの色調がお奨めです。

  又、大道土は、ピンホールがあると、御本手(ごほんて)と呼ばれる 、ピンク(オレンジ色)の

  円形が 、現れ易くなります。

 ② 金峯土(みたけつち)

   黄白色の、ざらざらした、一種のカオリン(粘土)である。

   粘りはないが、耐火性が強いです。

   萩焼の主要土は、大道土と金峯土であり、これらの配合により、作品の出来も左右されます。

 ③ 見島土 (みしまつち)

   萩市の沖合見島の、鉄分の多い赤土で、耐火度が低く、粘りがなく、大道土、金峯土に少量混ぜて

   使用されます。 (単味で使う事は、少ない)

   現在では、大道土とともに、萩焼に欠くことのできない土です。

   これを適当に混入して、三島手、刷毛目、粉引手等に使います。


 ・ 萩焼の特徴

  特徴は、焼き上がりの土の柔らかさと、吸水性にあります。 低火度で長時間ゆっくりと焼く為、

  製品の感触が柔らかく、土があまり焼締まらず、重たく、保湿性を持っています。

  更に、吸水性があるため、長年使っていくうちに、茶や酒が浸透して茶碗の色が変わり、

  茶人の間では 、「茶馴れ」といって、珍重されています。

  又、萩焼きの形や、装飾の素朴さもあります。

  萩焼では、伝統的に、朝鮮式の「蹴りロクロ」が使用され、その微妙なブレを生かします、

  そして、絵付けは、ほとんど行われていません。 

粘土の種類 萩土 萩焼

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粘土の種類と特徴(備前土、備前焼)

2009-09-11 20:44:15 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

3) 備前の土 

   備前とは、岡山県の旧国名です。

   備前土(本備前)、備前火襷(ひだすき)土、白備前土、黒備前土等の種類が、有ります。

 ① 備前土  焼成温度目安: 1.150~1200℃

   備前市伊部周辺の、田土(田圃の下から、掘り出した粘土)で、肌理が細かく、備前土の仲で、

   最上の土と、言われています。 大変貴重な土で、手に入り難い物です。

   (一般に、市販されている、備前土と呼ばれる物は、ブレンドされた、合成備前が、多いです。)

    耐火温度は低く、1200℃以下で焼成します。

    (高い温度では、焼成できません。作品が壊れます。)

 ② 火襷粘土(備前1号)

   作品に、くっつき防止用に、藁(わら)を巻いて焼成すると、白い肌に、緋色が出ます。

   これを火襷と、呼んでいます。 この火襷が、発色し易く、調合した土です。

 ③ 備前黒土

   岡山県邑久郡長船町磯上周辺の黒土です。

 ・ 備前焼に付いて

   備前焼は、大変人気のある、高価な焼き物です。

   酒器、食器、茶道の道具類(水指、器)、民芸品(置物、細工物)等の作品が有ります。

  
 ) 備前焼の特徴

  a) 最大の特徴は、無釉(作品に、釉薬を掛けない)の事です。

    本来の備前の土は、収縮率が大きく、釉薬を掛けると、釉が剥がれ落ちる為、

    釉が掛けられないのです。縮み率は、20%弱との事です。

    (素地と釉の収縮率が、一致している場合、釉は綺麗に掛かります。釉の方が、縮みが大きいと、

    釉に「ひび」即ち、「貫入」が入ります。

    逆に素地の方が大きく縮む場合には、釉が素地と、密着せず、剥がれ落ちます。)

    但し、現在では、縮み率が12~13%に調整された、備前の土も市販されています。

  b) 薪で焼成する。

    登り窯や、あな窯などで、薪(赤松)を使って、焼成します。

    薪の灰が、作品に降り注ぎ、備前特有の色(模様、景色)に、発色します。

  c) 作品を重ねたり、倒したりして、焼成出来る。

    釉薬を掛けない為、重ね合わせたり、横に寝かせる事も、可能です。

    その為、施釉した作品には、見られない、模様を出すことが、可能です。

  d) 備前の土は悪い土です。

    常識的には、備前の土は、最悪の土です。

    即ち、耐火温度が低い、急な温度上昇が出来ない。

   (急な昇温では、土の中の気泡が抜け切らず、表面が膨れてきます。)

    それ故、焼成時間が長く、3~4日以上必要です。

    (それ故、手間隙が掛かり、作品も、高価に成ります。数万円~数百万円の価格です。)

    薪窯でなければ、良い色に発色しない。(燃料費、人件費も高くなる。)

    焼き締りが大きい。(その為、無釉でも、水漏れしない、強固に焼き上がる利点が有ります。)

    そして必ずしも、作り易い土では有りません。   

   以上の様に、常識的には、悪い土ですが、手間隙を掛けて、素晴らしい作品に、生まれ替わる事が

   出来ます。


 ) 備前焼の模様

    赤松の灰が、作品に降り注ぎ、高温で熔け、土と一体になり、他の焼き物には見られない、

    特徴的な模様が、現れます。  

    備前焼きの特徴の模様には、以下の物が、有ります。

  a) 胡麻(青、黄ごま)

    高温で熔け、自然の灰釉に成ったものを、胡麻といいます。

    窯の発達により、窯中の湿度が変化し、胡麻の色も変化したと、言われていて、

    色の違いが、時代の物指しとなっています。

  ・ 青胡麻: 平安~安土桃山時代の暗緑色。

  ・ 黄胡麻: 江戸期は、黄色。

  ・ 江戸末期以降は、茶色、現在では、人工的に、発色させているそうです。

  b) サンギリ

    薪の灰に埋もれ、火が直接当らず、赤くなるべき肌が、還元焼成で、暗灰色に成った物です。

    大正時代以降、炭を使い、人工的に作れる様に成りました。

  c) 牡丹餅(ぼたもち)

    大きな器の中に、小さな物を重ねて置き、焼成すると、そこだけ、炎や灰が掛からず、

    赤い焼き肌と成る現象です。

  d) 榎肌(えのきはだ)

    火力が弱く、灰が熔け切らず、榎の木肌の様に、黒や灰色の粒状に、焼き上がった物です。

  e) 青備前

    備前焼は、酸化焼成するのが、普通ですが、炎や、窯詰めの関係で、還元焼成に成った場合、

    青味掛かった、暗灰色に成った物です。

    細工物では、意図的に還元にし、発色する場合もあります。

  f) かせ胡麻

    小粒の灰が、熔けないで、作品に付着した物で、不完全な胡麻が現れています。

    茶道の分野で、古くから、珍重されていると、言われています。
 

粘土の種類 備前土
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粘土の種類と特徴(美濃の土)

2009-09-09 21:45:07 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

2) 美濃の土

  美濃は岐阜県の旧国名です。

 ① 志野土  焼成温度目安 : 1200~1280℃

    耐火度のある土で(SK-10~11)、粘り気が有り、粒子も細かい物から、粗い物まで、

    数種類有ります。

    焼き上がりは、「ザングリ」とした、白めに仕上がります。幾ら焼いても、形は崩れません。

    特徴は、生掛けで、施釉できる事です。長石系の志野釉を、タップリ掛ける事が、できます。

    大物にも向いています。

 ② 五斗蒔白土  焼成温度目安 : 1060~1230℃

    「五斗蒔=ごとまき」とは、美濃地方に有る地名です。

    志野土よりやや白く、焼き縮みも少なく、軽く仕上がります。

    食器や、小、中、大物にも使用できる万能の土です。

    昔から茶陶として使われてきた土で、志野・織部などの釉薬が良く映えます。

 ③  五斗蒔赤(粗め) 焼成温度目安 : 1200~1250℃

    焼き締りが少なく、作品が軽く、薄茶色で、「サクッ」とし、素朴な仕上がりと成ります。

    一般的な五斗蒔赤土は砂入りで、薪窯の焼成では、備前風に仕上がります。
 
    美濃焼きに代表される志野・織部の釉薬とは、非常に相性の良い粘土です。

④  もぐさ土  焼成目安温度 : 1160~1230℃

    もぐさ(お灸に使う、もぐさ)の様に、「もこもこ」した、軽い感じの珪沙の混じった、

   蛙目質の粘土です。

   成形は難しいが、 この土に、2割程度伸びのある土を、加えると、比較的作りやすくなります 。

   他の土を加えることで、自分だけの土味の粘土を作って下さい。

   焼き上がりは白く、土味はザックリしていて、茶碗や大物に適しています。

 ・ 本場(本物)の「もぐさ土」は、入手困難との事です。

   (一般に市販されている土は、調合して「もぐさ土」風に、している可能性も有ります。)

粘土の種類 志野土 五斗蒔 もぐさ土






   
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粘土の種類と特徴( 信楽3ー赤色系)

2009-09-07 21:24:52 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

粘土を販売している所には、土の焼成後の色見本が、置いてあるはずです。

(写真の場合もあります)それ故、色見本を参考に、土を選ぶ方法も有ります。

1) 信楽(滋賀県)の土

   焼き上がりが、赤又は茶、褐色、黒の土が有ります。

   生の状態では、鉄分を含んでいる為、赤っぽい色(又は、黄色味)をしています。

   それ故、一般に「赤土」と、呼ばれ耐火度は、やや弱く、収縮は、やや大きく、焼き締り易い土が、

   多いです。 釉薬を掛け、焼成すると、土の色を反映し、白系より地味に、成ります。

 ⑥ テラコッター粘土 最高焼成温度:1180~1200度 収縮率:13.7~14%

   楽焼程度の焼成温度(750~800度)で、「はには」のような、赤みを帯びた焼き物に

   成ります。低温の方が、色の変化が大きいです。(本焼すると、赤味は出ません。)

   土はやや粗く、削ると表面が荒れ、野性味ある、作品を作る事も出来ます。

   難点は、焼成温度が低い為、強度不足で、「もろい」です。

 ⑦ 赤楽 最高焼成温度:1150~1200度

   酸化焼成で、赤褐色、還元でやや黒くなる。

   主に茶道の、抹手茶碗に使われる、手捻り用粘土です。  

 ⑧ 赤土

   赤土にも、その特徴(耐火度、肌理の粗さ、色)で、数種類に分かれています。

   並赤土、赤土2号、赤1号、赤3号、赤5号、赤7号 などで、

 ・ 赤土100%で、使用する事は、なるべく避けた方が、安全です。他の土と混ぜ合わせます。

   赤土の割合は、最大50%程度が、理想的です。

   理由は、高い温度で焼くと、作品が歪みます。特に左右非対称な、形は要注意です。

  ) 並赤、赤土2号 焼成温度:1230~1270度 収縮率:12.5%程度

     可塑性が高く、成形性の良い粘土です。幅広く使われています。 
  
  ) 赤1、3、号粘土 焼成温度:1200~1250度

     酸化焼成で、薄茶色、還元で、茶、黒のまだら模様

  ) 赤5号      焼成温度:1180~1250度

     酸化では赤で、還元では、やや黒くなる。赤1、3号より、肌理が細かい。

  Ⅳ) 赤7号      焼成温度:1180~1270度

     酸化では赤で、還元では、やや黒くなる。赤1・3号より、肌理が細かい。

以下 次回に続きます。

粘土の種類 信楽粘土(赤土)
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粘土の種類と特徴( 信楽2ー白色系)

2009-09-05 21:39:51 | 陶芸入門(初級、中級編)
引き続き、粘土の種類と特徴について、述べたいと思います。

1) 信楽(滋賀県)の土

  ③ 耐急熱急冷性粘土 (A-1)

    楽焼などの、急激な温度変化にも、壊れる(はじける)事も無く、安心して使える土です。

    成形が容易で、扱い易い土です。広範囲に使え、「手捻り」にも向いています。

  ④ 古信楽(古陶) 焼成温度:1230~1280度 収縮率:12.5%程度

    (他の土より率が、やや少ない=焼き締りが、弱い)

    珪長石粒(ハゼ石)を、篩に掛け、その大きさによって、微細、細目、粗目と分類されています。

    土に5~10%程度加えて有ります。土の色は、生、焼成後伴、並漉より格段に白いです。

    石が入っているからよ言って、作品は、重くなりません。むしろ、軽く成ります。

    (焼きしまりが、やや弱い為)

    ) 微細 

       古信楽のベースに成る土で、成形性も良く、幅広く使われています。

       小物~中物の作品用で、細工も容易に、出来ます。

    ) 細目

       ハゼ石の細かい粒が、入っています。轆轤作業もし易く、手が痛いと言う事有りません。

       底削り作業で、石が表面に出て、「ざらざら」感が有ります。

    ) 粗目

       ハゼ石の、やや大きな粒が、入っています。

       それ故、作品も、荒々しく、豪快な感じが、出せます。

     ・ 焼成後には、石が熔けて、半透明になり、表面より外に、吹き出てきます。

     ・ 轆轤作業では、手が痛く、成り易いです。(石で傷付く場合も有ります。)

       土殺しの際には、手に布を巻きつけて、使用した方が、安全です。

     ・ 又、直径を拡げようとすると、石の為に、縁が割れて来ます。

       土を締め、縁を厚くし、除々に拡げます。又は、口縁近くの、石を取り除いてから、

       口径を、拡げます。

     ・ 底削りなど、削り作業では、石が取れて、穴が開き易いです。「ドベ」等を塗り込み、

       穴を塞ぎます。又削り作業で、石が回転方向に、移動し線状に、浅い溝が出来たりします。

     尚、ハゼ石は、単体でも市販されています。土により多く、混ぜ込みたい場合には、

       好みの量を入れる事が出来ます。

       逆に、量を減らしたい場合や、轆轤作業をし易くする為、他の土を混ぜて使う事も

       多いです。

    ⑤ 蛙目 粘土 (粉末の場合が多い)

      耐火度が高く、白さが際立つ粘土です。

     単味よりも、耐火度を上げる為の、混ぜ土として。幅広く使われます。

土の種類 信楽粘土
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粘土の種類と特徴( 信楽1)

2009-09-04 22:53:46 | 陶芸入門(初級、中級編)
陶芸で一番大切な材料は、勿論粘土(以下土と呼びます)です。

土は、自分で採取し、木屑や、砂、小石を除去し、水漉などで精製し、陶芸用に、

仕上げる事も可能ですが、良い土が、見つからない事と、陶芸用に仕上げるのに、

手間隙が掛かる事から、一般的では有りません。

普通は、市販されている、土を使用します。

陶芸用粘土には、産出される土地により、色々な種類があり、その性質も多種多様です。

昔は、産出される場所に、窯を築き、その土地の土を、使うのが大原則でした。

(現在でも、陶器の産地では、その土地の土を、使う事には、変わりありません。)

それ故、土の種類も1~3種類が、普通で、その土地の陶芸家(職人)も、その性質を熟知していて、

その土に合った、作品や、作り方が、なされています。

現在では、陶芸材料店や、カルチャー教室のある、スーパー(ジョイフル、ホンダ。

スーパービバホームなど)等で、色々な土が、購入出来ます。

(陶芸材料店より、スーパーの方が、2~3割安い事が多いです。)

初心者にとって、土の種類が多く、どれを選べば良いか、迷ってしまいます。

値段も一昔より大分安くなっていますが、価格が高い土が、必ずしも、良い土とは、限りません。

又、土は、自然鉱物で、その量も、有限です。手に入れたくても、手に入らない土も、有ります。

ここでは、これら市販されている、土の種類と、性質に付いて、述べたいと思います。

土の分類方法は、以下の様に成ります。

 ① 産地による分類 (信楽、美濃、備前、萩、唐津、益子など)

 ② 土の種類による分類 (焼き上がりが、白い土、赤い土など)

 ③ 扱い易さでの分類 (土の肌理の細かさ、粗さ、土の伸び具合など)

 ④ 焼成温度範囲による分類 (楽焼用、本焼き用、耐火度、焼き締まり度など)

 ⑤ その他の分類(御影土、カラー粘土、ハゼ石など、異物、顔料を入れる)

尚、土の量は、1、2、2.5、5、10、15、20、30Kgの単位で、市販されている事が多いです。

取り扱う単位は、メーカーによって、違います。(当然、量が多いほうが、割安です。)

1) 信楽(滋賀県)の土

   信楽の土は、数種類あり、作品も、作り易く、耐火度も高く、且つ豊富に存在し、安価です。

   それ故、陶芸教室や、カルチャー等では、一番多く、使用されてい土です。

  ① 並み漉し 

    焼成温度:1200度~1280度。土は黒っぽいが、焼成すると白っぽく成ります。

    信楽の土の中でも、最もポピュラーな土で、どんな作品にも、向いています。

    小さな作品~大物まで万能です。

  ② 特漉し

    土の成分は、「並み漉し」と同じですが、水漉の際、篩(ふるい)の目が、細かい物を使います。

    手触りが、滑らかで、肌理が細かく、細工物に、適しています。

    小物向きで、大物には向きません。

    逆に細かい為、轆轤挽きでは、「並漉し」より挽く辛い(伸びない)です。

以下 次回に続きます。

粘土の種類 信楽粘土

    
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