市販されている焼き物の量産品には、ほとんど歪みは存在しません。勿論、意図的に歪ませた作品が
無い訳では有りませんが、多くの場合歪んだ作品は、欠陥品と見なされています。
一方陶芸の世界では、むしろ歪みのある作品の方が珍重される傾向にあります。
尚、量産品の歪みは、どの作品も同じ様に歪んでいますが、人の手によって作られた作品は、それ
ぞれ異なった歪みになっていて、それが一つの魅力になっています。
1) 歪みには心地よい歪みと、嫌悪感を覚える歪みが存在します。
勿論、歪みは好みの問題でもあり、歪みが良いと思う人もいれば、無い方が良いと感じる人も
いるのも現実です。
2) 歪みの種類。
歪みには、自然に歪む場合と、意図して歪ませる方法があります。
歪ませる方法に付いては、次回述べる予定です。
① 形の歪み。
歪みは、成形時に歪む場合と、焼成(本焼き)で起きる場合があります。
) 口縁の歪み。代表的なのが抹茶々碗です。綺麗に整い過ぎた器はあまり好まれません。
a) 口縁の外形の歪み。
手捻りでも轆轤で作った作品でも、真円ではなくやや歪んだ形がしている器です。
b) 口縁の高さの歪み。
均等な高さではなく、「山道」と呼ばれるなだらかな凸凹が付いている作品です。
「山道」は五峰、五山とも呼ばれています。
) 胴部の歪み。
a) 轆轤目を付ける。
轆轤目は人気のある螺旋状の模様です。轆轤の回転速度と手を上に挙げる速度によって
螺旋の間隔(ピッチ)が変化します。粗い轆轤目は勇壮な感じを与えてくれます。
細かい轆轤目は、作品に躍動感のある動きを与えてくれます。
b) 胴部に「へら目」や凹みを設ける。
「へら目」とは、轆轤挽き直後に竹箆(へら)を使い、側面に縦方向や斜め方向に大胆な
線や面状の凹み模様を入れる方法です。凹みとは作品を片手で握り、指の跡を残す方法です
直径の大きな作品を持ち易くする働きもありますが、単調な側面に変化を与える働きも
有ります。
c) 胴に削ぎ(そぎ)を入れる。削ぎは面取りとも言います。
削ぎは作品の重さを軽くする役目もありますが、作品に変化を与える目的で行います。
削ぎが入ると、作品に力強さが加わります。
) 高台及び高台脇を歪ませる。
a) 高台には、輪高台以外に、撥(ばち)高台、四方高台、桜高台、三日月高台、蛇の目高台
割り高台、竹節高台、十字高台など多くの種類があります。
b) 高台は削り出す場合と、後から付ける方法が有ります。特に高坏(たかつきき)や
馬上坏の様に背の高い高台の場合は、付け高台が一般的です。
② 絵付けの線の歪み。
下絵付け等、絵や文様を施す際、筆を用いて手で描くのが普通です。しかし現在では転写紙
を使い、簡単に同じ模様を絵付けする事が可能になっています。
手で描いた線は、転写紙に対して、不揃いで歪む事も多いです。但し、手書きは不揃いで
歪んでいるから、温か味のある線に成ります。但し、味のある一本一本の線を描くにはそれ
なりの練習をする必要があります。
4) 歪ませる方法。
以下次回に続きます。
無い訳では有りませんが、多くの場合歪んだ作品は、欠陥品と見なされています。
一方陶芸の世界では、むしろ歪みのある作品の方が珍重される傾向にあります。
尚、量産品の歪みは、どの作品も同じ様に歪んでいますが、人の手によって作られた作品は、それ
ぞれ異なった歪みになっていて、それが一つの魅力になっています。
1) 歪みには心地よい歪みと、嫌悪感を覚える歪みが存在します。
勿論、歪みは好みの問題でもあり、歪みが良いと思う人もいれば、無い方が良いと感じる人も
いるのも現実です。
2) 歪みの種類。
歪みには、自然に歪む場合と、意図して歪ませる方法があります。
歪ませる方法に付いては、次回述べる予定です。
① 形の歪み。
歪みは、成形時に歪む場合と、焼成(本焼き)で起きる場合があります。
) 口縁の歪み。代表的なのが抹茶々碗です。綺麗に整い過ぎた器はあまり好まれません。
a) 口縁の外形の歪み。
手捻りでも轆轤で作った作品でも、真円ではなくやや歪んだ形がしている器です。
b) 口縁の高さの歪み。
均等な高さではなく、「山道」と呼ばれるなだらかな凸凹が付いている作品です。
「山道」は五峰、五山とも呼ばれています。
) 胴部の歪み。
a) 轆轤目を付ける。
轆轤目は人気のある螺旋状の模様です。轆轤の回転速度と手を上に挙げる速度によって
螺旋の間隔(ピッチ)が変化します。粗い轆轤目は勇壮な感じを与えてくれます。
細かい轆轤目は、作品に躍動感のある動きを与えてくれます。
b) 胴部に「へら目」や凹みを設ける。
「へら目」とは、轆轤挽き直後に竹箆(へら)を使い、側面に縦方向や斜め方向に大胆な
線や面状の凹み模様を入れる方法です。凹みとは作品を片手で握り、指の跡を残す方法です
直径の大きな作品を持ち易くする働きもありますが、単調な側面に変化を与える働きも
有ります。
c) 胴に削ぎ(そぎ)を入れる。削ぎは面取りとも言います。
削ぎは作品の重さを軽くする役目もありますが、作品に変化を与える目的で行います。
削ぎが入ると、作品に力強さが加わります。
) 高台及び高台脇を歪ませる。
a) 高台には、輪高台以外に、撥(ばち)高台、四方高台、桜高台、三日月高台、蛇の目高台
割り高台、竹節高台、十字高台など多くの種類があります。
b) 高台は削り出す場合と、後から付ける方法が有ります。特に高坏(たかつきき)や
馬上坏の様に背の高い高台の場合は、付け高台が一般的です。
② 絵付けの線の歪み。
下絵付け等、絵や文様を施す際、筆を用いて手で描くのが普通です。しかし現在では転写紙
を使い、簡単に同じ模様を絵付けする事が可能になっています。
手で描いた線は、転写紙に対して、不揃いで歪む事も多いです。但し、手書きは不揃いで
歪んでいるから、温か味のある線に成ります。但し、味のある一本一本の線を描くにはそれ
なりの練習をする必要があります。
4) 歪ませる方法。
以下次回に続きます。