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森一生監督『鉄砲伝来記』

2012-02-07 09:50:00 | ノンジャンル
 森一生監督の'68年作品『鉄砲伝来記』をWOWOWで見ました。
 嵐に翻弄される帆船。「1543年 天文12年秋」の字幕。明生まれの通訳ウーフェン(戸浦六宏)とポルトガル人船長のピント(リック・ジェースン)が種子島に上陸し、城主の時高に鉄砲の威力を見せつけます。船の修理と水や食料の補充をしてもらう代わりに、一丁の鉄砲を譲られた時高は、刀鍛冶の近兵衛(東野英治郎)に鉄砲を作ることを命じ、近兵衛は時高から鉄砲を借りて分解し、各部品を一つずつ作っていきます。最初の試作品を弟子の作治が試し撃ちすると、主砲部分の補強が足りずに破壊され、二番目の試作品の試し撃ちを近兵衛自らが行うと、今度は筒元がはぜてしまいます。その部分の補強の仕方がなかなか見つからずにいると、時高から借りていた鉄砲が盗まれ、その現場に時高と商いを行っている堺商人の橘屋(小池朝雄)が現れ、ピントがもう一丁鉄砲を持っていることを近兵衛に教えます。近兵衛の娘・若狭(若尾文子)がピントの住まう寺を訪ね、彼が留守であるのをいいことに鉄砲を盗もうとすると、そこに現れたピントと一旦は押し問答になりますが、どうしても鉄砲を欲しいと懇願する若狭の意図を汲んで、ピントは唯一手許に護身用に残していた鉄砲を貸してやります。鉄砲を持ち帰ろうとする若狭に、彼女が忘れていった薄物をピントが渡そうとしたところに、彼女の身を案じた作治が現れ、二人の中を誤解した彼はピントに斬りかかりますが、ピントの前に立ちはだかる若狭を見て、作治は立ち去ります。近兵衛は二度とピントの元を訪ねるなと若狭に命じますが、近兵衛のケガが悪化すると、ピントの方から彼の元を訪ねてきて、キズの手当てをし、弾の破片を取り除いてやります。種子島の風景をスケッチしていたピントと出会った若狭は、彼の寺に導かれ、そこで世界地図を教えられます。毎日のように彼の元に通うようになった若狭は、ある日嫁入りの行列をピントに説明していると、彼にプロポーズされ、受け入れます。父に許しを請う若狭に対し、勘当を申し付ける近兵衛。明日に出港することが決まったピントは前夜の祝宴に若狭を同行しようとしますが、若狭は最後の夜に父に一目会いたいと言って、父の元へ行くと、父はちょうど鉄砲を完成させていて、明日の出港の時間に時高の前で試し撃ちをするので、家にいてその音を聞くようにと言います。翌日一人家に残された若狭は、父への置き手紙をしてピントの船へと急ぎます。見事試し撃ちを成功させた近兵衛でしたが、娘の置き手紙のことを聞くと、馬で彼女を追いかけ、船に乗る前に彼女を捕えます。なかなか現れない若狭を迎えに来たピントは、やはり父を置いてはいけないという若狭に別れを告げ、ポルトガルへ帰っていきます。それを岬で見送る若狭。やがて若狭が妊娠していることが発覚し、近兵衛は下働きのおたね(藤村志保)に堕胎薬を彼女に飲ませるように頼みますが、若狭の出産への決意を聞いたおたねは薬を飲ませることができず、近兵衛も若狭の出産を認めます。やがて時高は橘屋に鉄砲の製造を許可し、近兵衛に堺行きを命じます。大量生産されるようになった鉄砲は、信長(藤巻潤)にいち早く取り入れられますが、火薬の調合に失敗した作治ともう一人の弟子・徳三は爆死します。その爆発現場で種子島で盗まれた鉄砲を発見した近兵衛は、橘屋のおかげで二人の弟子と娘の幸せも奪われたことを理由に、以後二度と鉄砲は作らないと橘屋に告げ、種子島に戻り、時高の怒りを買います。しばらくしてピントが若狭を取り戻しにやって来ます。南蛮船の到来を聞いた若狭と息子の若美でしたが、岬で若狭は足をすべらせて転落死します。彼女の死を知って嘆くピントは、若狭の面影を残す若美を連れて帰りたいと言い、近兵衛は承知します。岬から船を見送る近兵衛の前で、船は光る地平線に消えていくのでした。
 ほとんど黒みの画面の中の矩形の中で場面が進行することが多くあり、「画面内画面」といった感じで特徴的だと思いました。演出自体は極めてオーソドックスでしたが、落ち着いた色彩にも目を奪われました。『コンバット!』のリック・ジェースン主演というのも、世代的には楽しめたと思います。

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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