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日々の暮らしのなかで

剪定

2006年11月12日 | 日記・エッセイ・コラム
記憶に残る一日となった。

毎年この時期、剪定作業がある。
とある所の並木をイルミネーションで飾る為に剪定をする。

「飾るのに剪定?」

と、不思議に思われる御仁も居られると思うが、
これ結構大変。

まぁ、早い話がボランティア的な行事なのだが、予算がない。

それ故に、剪定作業をかって出て、イルミネーションの費用を捻出させる。

今年で6年目を迎えた活動である。

しかし、今年はのっぴきならない事情で、規模を縮小して飾りつける。

これが今日の

“ターニングポイント”

だった。

昨年まで、すべての並木に飾りつけをしていたのだが、
今年は約3分の1程度。

飾り付けをするなら、その“枝ぶり”もデザイン的に重要で、
僕のような美的感覚が研ぎすまされた人間なら、

「う~ん、あの枝は、あと5センチ切らないといけない!」

とかいって、時間を潰すのであるが、
今年は、早い話が剪定に熱中というか、明日のことなんて考えないで、
大胆な、ただただ大胆な伐採をすることができるのである。

そして二つ目の“理由”が、ターニングポイントに重なる。
理由と書いて“わけ”と読むこの要素こそが、
あとから考えれば、悲劇の最後の引き金となった。

その理由とは?

参加者が劇的に少なかったのである。

昨年の約3分の1

伐採作業に集中できるとは言っても、あまりに少ない人数。

「明るいうちに終われるか?」

朝集まった時から、走馬灯のように、
夕焼けを見ながらの作業が脳裏をよぎる。

“去年までの2倍の、いや、3倍のスピーディーな作業こそ大事!”

と、人知れずスピードアップを図った。

敏感な人なら、僕の手が3倍のスピードで動いている事も
気付いてくれたかも知れないが、周りを見渡すと、
誰もがもくもくと作業をこなし、
約5.5倍のスピードで枝を伐採していく。

「よぉ~し、わたくしもぉ!」

と気合を入れた瞬間、

“イタっ!”

みるみる内に、軍手が鮮血に染まる。

枝を切らずに、指を切ってしまった。

6年目にして、はじめての出来事だった。