おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

大将

2006年12月06日 | 日記・エッセイ・コラム
今週の土曜日、今年二回目の忘年会がある。

「是非、スッポンでお願いします」

「スッポンォォォォォォン!」

「食べた事がないから、スッポンで」

今回も連絡係を仰せつかっております私が、メールで“お好み”アンケートを
実施すると、一人を除いてみんな

“スッポン”

と言う返事が返って来た。

今回の献立は“アンコウorスッポン”と言う事だった。

どちらかと言えば、アンコウを食べて見たいと思っていたので、
この返信には少しがっかりしたのが正直な気持ちだった。

ただ、スッポンも食べた事がないので、楽しみにしている。

この会(馬鹿会)で忘年会をするようになって、もう4年程経つだろうか。
場所も一緒だ。
気兼ねなく飲めるってのが一番いいし、最近の道交法厳守の流れにも
ぴったりの、歩いていける飲み屋なのだ。

この店、テナントに入っているのだが、結構オーナーの回転が早い物件だ。

数年前、全国的に“もつ鍋”が流行った時には、この店も鍋屋だった。

一年も経つと次のオーナーが、居酒屋を始めたが
それも一年程しか続かなかった。

今ある店は、4軒目か5軒目である。
そして今の店は、かれこれ12年程続いているのである。

飲んだくれの大将。大将と言っても僕より年下なのだが、
アルコールで呂律が回らなくなる様はまさに“大将”の風格だ。

「この店、以外とつづくよなぁ?」

12年も第一線で頑張っている大将には申し訳ないが、
誰もが、その長続きの秘訣を探っても見つける事が出来ない。

「今年の忘年会は、多数決でスッポンに決まったから頼むで!」

先日、ユキちゃんと共にお願いをしてきた。

「出来るかなぁ?」

大きな湯呑みにビールを注ぎながら、大将がほくそ笑む。

「どれくらい振り? スッポンさばくのは?」

ユキちゃんの問いかけに、

「この店始めてからは、初めてやわぁ」

普段から僕たちが飲みにいけば、メニューにない肴をつくってくれる大将。
そこは任せておけば大丈夫だと思ったが、次の言葉で少し迷った。

 
「久々の殺生やから、手伝ってやぁ」
 
 
僕は遠慮したが、ユキちゃんは金曜日に見物に行くらしい。
 
大丈夫かな?

スッポン
 

 


コメント
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