財布の中には千円札が三枚しかない、週末だと言うのに。
土曜日に限らずどんな時でもそうだが、
財布の中に金があるのと無いのとでは、
気持ちの持ちようが違う。
飲みに行っても、平均5000円も使えばいい方で、
近くの居酒屋だと、2000円まででおさまる。
が、5000円だけ持って飲みに行くのは
少々心細い。5000円あれば大体はいけるのだが、
いや、たとえ1万円持っていても、
「何が起こるか分からない」
と、思いだすと、どうも心配になってしまう。
そんな心配性の僕だが、
金に無頓着だった時代もある。
会社員時代、入社して最初の3ヶ月ほどは、
給料は現金で貰っていた。
銀行振込みになってからはあの醍醐味が味わえなく
なってしまったが、
給料をそのまま財布にしまって飲みにいった。
パンパンな財布。
仕事も結構ハードだったので、
金を使うのは休日ぐらい。
車を買うまでは金は貯まる一方で、
ある日ファンシーケースを掃除していると、
万札が15枚出てきた時もあった。
かと思えば、
まったく金を持たずに女性を誘った事もあった。
隣の職場で、二つ年上の女性。
ほとんど会話を交わしたことはなかったが、
雰囲気のある女性でいつも見つめていた。
まるで村下孝蔵の『初恋』のように、
いつも彼女を探していた。
ある日、仕事帰りに駅前を歩いていると、彼女が
喫茶店に入っていくのが見えた。
高鳴る鼓動。動悸に目眩。
何も考えられない。今しかない!と思った。
が、財布は持っていない。
金がない。
ええぃ!何とかなるやろ!
店に入るなり、彼女目掛けて突進。
震える声で
「の、飲みに行きませんか?」
暫く間を置いて、
「意味が、わからなぁ~ぃ!」
ジェスチャー付きで断わられた。
店を出るまではがっかりと落ち込んだが、
夜風にあたって我を取り戻した。
今でも思う。
あの時、もし断わられてなかったら、どうしたんだろう?
土曜日に限らずどんな時でもそうだが、
財布の中に金があるのと無いのとでは、
気持ちの持ちようが違う。
飲みに行っても、平均5000円も使えばいい方で、
近くの居酒屋だと、2000円まででおさまる。
が、5000円だけ持って飲みに行くのは
少々心細い。5000円あれば大体はいけるのだが、
いや、たとえ1万円持っていても、
「何が起こるか分からない」
と、思いだすと、どうも心配になってしまう。
そんな心配性の僕だが、
金に無頓着だった時代もある。
会社員時代、入社して最初の3ヶ月ほどは、
給料は現金で貰っていた。
銀行振込みになってからはあの醍醐味が味わえなく
なってしまったが、
給料をそのまま財布にしまって飲みにいった。
パンパンな財布。
仕事も結構ハードだったので、
金を使うのは休日ぐらい。
車を買うまでは金は貯まる一方で、
ある日ファンシーケースを掃除していると、
万札が15枚出てきた時もあった。
かと思えば、
まったく金を持たずに女性を誘った事もあった。
隣の職場で、二つ年上の女性。
ほとんど会話を交わしたことはなかったが、
雰囲気のある女性でいつも見つめていた。
まるで村下孝蔵の『初恋』のように、
いつも彼女を探していた。
ある日、仕事帰りに駅前を歩いていると、彼女が
喫茶店に入っていくのが見えた。
高鳴る鼓動。動悸に目眩。
何も考えられない。今しかない!と思った。
が、財布は持っていない。
金がない。
ええぃ!何とかなるやろ!
店に入るなり、彼女目掛けて突進。
震える声で
「の、飲みに行きませんか?」
暫く間を置いて、
「意味が、わからなぁ~ぃ!」
ジェスチャー付きで断わられた。
店を出るまではがっかりと落ち込んだが、
夜風にあたって我を取り戻した。
今でも思う。
あの時、もし断わられてなかったら、どうしたんだろう?