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日々の暮らしのなかで

歩道橋の男

2008年09月04日 | うんちく・小ネタ
親父が出かけると言って、オメカシしてる。
 
最近じゃ飲みに出ることも少なくなった親父だが、
たまに誘われりゃ、そわそわと出掛ける。
いや、昔から飲みに出掛けるほうじゃなかったか。

仲のいい友達と飲み会を開催。
場所は持ち回りで、何ヶ月に一回は
家で宴会が開かれた。
楽しそうな声が漏れてくるのを聞いて、
子供ながらに
 
(大人って、楽しそうだなぁ~)
 
飲めないビールへの憧れもあって、
あの宴会は、大きくなったときの目標でもあった。
そんな会も徐々に開催されなくなり、
今では数ヶ月に一度、飲み会を持つ程度。
 
4~5人の仲間の場合、得てして
いつも車を出す顔ぶれは決まっている事が多い。
親父は出さない方に属しているんで、
いつも飲みに行くときには、迎えに来てもらう。
 
が、今回はちょっと違う。
オメカシしてる。
飲み仲間での飲み会ではないようだ。
 
親父は真面目な人だ。人に頼まれると断われない人だ。
色々な役職を押し付けられて、
たまには文句を言いながらも黙々とこなしていく。
今回は、そんな会合の一つ。
その後に飲み会の約束でもしているんだろう。
 
いつもの飲み仲間とは一緒じゃないんで、
どうやらタクシーで行くようだ。
風呂に入って汗を流し、下ろしたてのワイシャツに
袖を通す。
すべての身支度を終え、電話をかける。
 
「あぁ、○○まで送ってほしいねんけど?」
 
慣れた感じだ。
 
「えぇっと、5時、、、10分頃、お願いします」
 
うん、うん、丁寧だ。 
 
「場所は、、、ね、、、」
 
家の隣には歩道橋がある。
人に自宅を教えるときの目印には最適。
親父もいつもそこで待っている。
 
 
「えぇっと、、、、ほどうぉきょうのぉ、、、ぉとこ!」
 
 
 
・・・・オカン、爆笑!
 
まぁ、オカンの聞き間違えだけど、
母音、切るとこが曖昧で・・・ 
確かに僕もそう聴こえた。

 
「えぇっと、、、、歩道橋の男!」
 
 
何者なんだ・・・親父は?(笑)