その少年は、額に大粒の汗を滲ませていた
日曜の午後、坂道を自動車で駆け上がり
カーブを抜けると、前方から自転車が近づいて来た
制服姿の彼は、丸く幼い顔立ちにヘルメットを被る
中学生のようだ
彼は必死に自転車を漕いでいた
ただただ、まっすぐ前を見据えたまま
「そんなに太ってるから、辛いんだぞぉ!」
その光景を見れば、誰もがそう声をかけるかも知れない
ただ、僕は知っている
あの道を自転車で走ったことがある人なら、
誰もが知っていることだ
急な坂道を登り終え、カーブを曲がり終わると
視界が広がる
飛び込む緑も清清しい道だ
しかし、坂道を登ってきたことを思えば、
この道もまた、坂道だということに気付く
そう、上って来た道とは違い、
緩やかに下っていく坂道
ゆるやか故に、ましてや
自動車で走っていれば、あの道が下っているとは
気付かない人の方が多いかも知れない
そんな道をゆっくりゆっくりと
ただただ前を見据え、大粒の汗を拭くこともなく
少年が自転車を漕いでいた
「俺はわかってるぞぉ!」
周りの人にとって、それは平坦な道かも知れない
しかし、同じ経験をしたことがあれば
あの少年を見たように、その心境を慮って
応援することも出来るし、理解もできる
あの少年に、なにか先の見えない
人生のようなものを見たのかも知れない
目の前に立ちはだかる大きな坂なら
助走をつけて、そして覚悟を決めて走りだすかも知れない
しかし、それが緩やかな坂だったら・・・
人生、辛いことの方が多いかも知れない
いや、自分のこれまでを振り返っても
辛いことの方が、より多く刻まれている
でも、僕があの少年を見たように、
僕の苦労も、誰かがきっと分かってくれていると信じたい
最後に一言
それでも少年よ、少しはダイエットしろよ
日曜の午後、坂道を自動車で駆け上がり
カーブを抜けると、前方から自転車が近づいて来た
制服姿の彼は、丸く幼い顔立ちにヘルメットを被る
中学生のようだ
彼は必死に自転車を漕いでいた
ただただ、まっすぐ前を見据えたまま
「そんなに太ってるから、辛いんだぞぉ!」
その光景を見れば、誰もがそう声をかけるかも知れない
ただ、僕は知っている
あの道を自転車で走ったことがある人なら、
誰もが知っていることだ
急な坂道を登り終え、カーブを曲がり終わると
視界が広がる
飛び込む緑も清清しい道だ
しかし、坂道を登ってきたことを思えば、
この道もまた、坂道だということに気付く
そう、上って来た道とは違い、
緩やかに下っていく坂道
ゆるやか故に、ましてや
自動車で走っていれば、あの道が下っているとは
気付かない人の方が多いかも知れない
そんな道をゆっくりゆっくりと
ただただ前を見据え、大粒の汗を拭くこともなく
少年が自転車を漕いでいた
「俺はわかってるぞぉ!」
周りの人にとって、それは平坦な道かも知れない
しかし、同じ経験をしたことがあれば
あの少年を見たように、その心境を慮って
応援することも出来るし、理解もできる
あの少年に、なにか先の見えない
人生のようなものを見たのかも知れない
目の前に立ちはだかる大きな坂なら
助走をつけて、そして覚悟を決めて走りだすかも知れない
しかし、それが緩やかな坂だったら・・・
人生、辛いことの方が多いかも知れない
いや、自分のこれまでを振り返っても
辛いことの方が、より多く刻まれている
でも、僕があの少年を見たように、
僕の苦労も、誰かがきっと分かってくれていると信じたい
最後に一言
それでも少年よ、少しはダイエットしろよ