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日々の暮らしのなかで

なぜ、止まらないのですか?

2012年06月09日 | 日記・エッセイ・コラム
前略 あなた様
 
雨上がりの夕暮れ、あなたは
止まらずに私の鼻先をかすめ、
去って行かれました
 
そう、あなたです
 
なぜ、止まらないのですか?
 
ブレーキが、ついてないのですか?
 
私が、わざわざブレーキを踏んで貴方の前で
止まったのは、
譲ったわけではありませんよ
 
貴方に止まる気配がなかったから、
こちらが止まっただけです
 
急いでいたのかも知れませんね
もちろん、貴方がです
 
私は急いでいませんでした
いや、少しは気持ちが早っていたでしょうか
うちには、腹をすかした親父が待ってますから、
スーパーで買い込んだ惣菜をいち早く
持って帰らなくてはなりません
 
しかし、安全運転は大事です
 
特に、夕暮れ時は注意が必要です
 
そんなとき、貴方が本屋の駐車場が出てきました
 
貴方には見えていたのでしょうか?
それとも、最初から見る気はなかったのでしょうか? 
 
貴方が駐車場が出てきた時、
その前の道を走っていたのは、僕だけ、でした
 
もしかしたら、貴方は鼻先を突き出し
運転席から顔をのぞかせるように、
左右を確認していたのかも知れません
 
いや、僕の方へハンドルを切りながら出てきたと
いうことは、
すでに、右側は見ていなかったのかも
知れませんね
 
とにかく、僕が走りされば、
貴方はどんなに大きくハンドルを切ろうと、
誰に迷惑をかけることもなく
その駐車場を後に出来たわけです
 
少なくとも僕はそう感じました
 
しかし貴方は、スピードこそ出さないものの
一度もその動きを止めることなく、
僕の目のまえに、徐々にその姿を大きくされました
 
あのまま、僕がアクセルを踏み続け
貴方を避けるように、加速していたら、
貴方はどうしたでしょうか?
 
「馬鹿な運転手がいるもんだ!」
 
自分を棚にあげ、僕のことを嘲笑したのでしょうか
 
きっと貴方は急いでいたのでしょう
もしくは、止まれば二度とエンジンがかからない
状況下にあったのかも知れません
 
詳しい状況も知らずに、貴方のことを
とやかく言っている僕が、世間知らずなのかも知れませんが、
でも、あの場合、
やはり、一度は止まるべきではないでしょうか?
 
貴方を避けるように、誰もが止まるとは限りませんよ
 
もし、それで事故が起こるなら、
どうか、他人を巻き込まないでください
 
よろしくお願いします
 
草々