昭和60年
高校を卒業して大阪の会社へ就職した年
自動販売機で、お茶が売られているのを見て
びっくりしたことを覚えている
今では、ミネラルウォーターがコンビニでも売られ、
飲料として、なんの不思議もないが
当時は、それはそれはびっくりした
(さすが大阪!)
地元で確認がしようがなかったし、
当時は、目にするものすべてが新鮮で
それのすべてに“都会の風”を感じたものだ
恐る恐る買ったウーロン茶が
これまた初めて口にする味で、
売っていること以上に衝撃を受けた
その昔
松茸はそんなに高級食材でもなかったと
聞いた覚えがある
写生の題材に、学校へ野菜を
持って行くようになった時も
「裏山に行って、松茸でもとって来い」
と、一山なんぼ!の
どこにもであるようなモノだった
実際、松茸しか入ってないようなすき焼を
頬張る人たちの宴会写真を見た事があるが、
今でいう“豪勢”なモノではなく、
どこにでもある食材の
平凡な鍋だったようだ!と解説していたのを
覚えている
僕が小さなころ、夏休みになれば
みんなで昆虫採集に走りまわった
お目当ては、苦手な蝉には目もくれず、
圧倒的人気を誇る、カブトムシとクワガタムシの
二大巨頭だ
当時、仕掛けを作って捕獲した者も
居たのかも知れないが、正統派(?)を自負する
僕としては、
網を片手に、一本一本丁寧に確認して歩いた
それが時代を経て、
今は昆虫を“買う”時代になった
幼虫時から育てているマニアもいるが、
その幼虫やら飼育セットに至るまで
購入できるらしい
今でもそうなのかは、時代の流れに疎い僕なので、
ここで明言して失笑を食らうのは本位ではないが、
売っていることは確かだと思う
しかしここは田舎
日々の暮らしの中で、
田舎の不便さを嘆くことはあっても
その恩恵に感謝することは少ない
そんなことを、晩飯を食おうとした視線の先で動いた
クワガタムシが教えてくれた
ただ
いくら自然が満載だっていっても
ここは家の中ですぞ
あなた、どこから入ってきたの?