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オマケ

2012年06月21日 | 日記・エッセイ・コラム
グリコを久々に食べた
 
キャラメル自体、久しぶりに口にする
以前と違って、キュートなハート型を模ったキャラメルで、
遠い昔の記憶が蘇る味だった
 
きっかけは偶然だった
 
フェイスブックのやり取りの中で不意に
 
“グリコ”
 
の文字が出てきた
そのときには、特別な感慨はなかったけど、
深層心理に影響したんだろうか?
時間をあけて、妙に食べたくなってきた
 
近くのスーパーに行き、探す
 
すぐには見つからなかった
 
記憶の中で、小さなものだと思っていたからだ
 
が、見つけ出すことに時間は掛からなかった
そのパッケージは昔と大差ないデザイン
少し大きくなったような感じだ
 
昔、これは憧れのお菓子だった時期がある
 
小学生時代は、お小遣い制ではなかった我が家
金を必要とする事態が発生したときに、
その旨、オカンに説明して、
その都度出資いただいたというわけだ
 
だから、無駄遣いなど出来ない
 
いや、出来ないんじゃない
 
そもそも無理な話だ
 
必然的に買い食いも出来なかった
 
おやつはいつも買って来てあったから、
自分で買う必要はないが、
自分で選んでみたいと言う欲求は常にあった
 
その視線の先には、グリコも含まれていた
 
そんな憧れのお菓子が
何の問題もなく手に入る時もあった
 
風邪をひいたときだ
 
最近では寝込むほどの風邪をひいたことのない
丈夫な僕だが、
幼き頃はひ弱で、一旦風邪をひけば
この世の終わりのような有様で
大いに両親を心配させたものだ
 
そんな病床に伏す僕を哀れに思い、
なんでも好きなモノを言え!買って来てやる!と・・・
 
決まって頼んだのは、グリコのキャラメルだった
 
もちろん、普通の食事だって熱のおかげで
砂を噛むような味気なさだし、
ましてや食欲もゼロの状態
 
憧れのグリコを買って来てもらっても
力なく微笑むだけで、喉が千切れそうな咳をして
また、眠ってしまうだけだ
 
完治するまでの間、
オヤジは毎日のように、グリコを買って帰ってきた
 
枕元に溜まっていく
 
熱がひき、食欲がそれなりに回復するころ、
一大コレクションが、目の前に広がっている
 
風邪のつらさと引き換えに手に入れたモノ
それは、期せずして手に入れたモノ
 
まさに
 
“オマケ”
 
だった