おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

晩ごはん

2006年11月18日 | 日記・エッセイ・コラム
一日のシメとしてのメシは重要な位置をシメる。

仕事が終って、煙草の煙りをくゆらせながら帰路につく頃、
胃がもう限界だと、大脳へと指令を送る。

(あぁ、腹へったなぁ)

今の時期だと、温かそうな湯気が立ち上る光景を思い浮かべ、
腹を鳴らしながら家の中に入ると、今度は臭覚を刺激されるわけだ。

(カレーかぁ!)

臭覚で食欲を刺激されるモノの代表格。

が、最近は若い頃のように、臭いだけで何杯でも食べられる食欲を
持ち合わせていない。
カレーだったら、以前は必ず

“おかわり”

をしていたが、最近ではまず“おかわり”はしない。

ただ、やっぱり見た目よりは“臭覚”が食欲を刺激する事は否定しない。

「おばちゃん、今日の晩ごはんは何ぃ?」

昔は、子どもが外ではしゃぎまわり、
ドラマで見かけるような

「○○ちゃん、ごはんやでぇ! 早よぉ、帰ってきぃー」

夕方になると、必ず何処かでオカンの声が聞こえたもんだ。

で、近所の悪ガキが台所の窓から顔をだして、
うちのオカンに晩ご飯の献立を聞く。

「おばちゃんとこは、野菜炒め」

「ふ~ん、うちは“ぐったき”やなぁ!」

“ぐったき?”

料理にも色々ある。地方によっても違うだろうし、同じモノでも
呼び方が違うって事もあるだろう。

それにしても“ぐったき”とは?

これは方言の部類に入るのだろうか?

説明によると、この“ぐったき”なるものは、スキヤキの肉が少なめ、
野菜多めの、煮物のようなモノだと理解した。
見た事がないから、想像するしかないが、たぶんそんな感じだろう。

そういえば、内にも内だけでしか通じない料理がある。

“あまから”

ローカル料理と言うよりも、パーソナル、いや、
独自なネイミングをしただけの、簡単な料理だ。

ちくわを輪切りに、かまぼこをスライスして、
醤油と砂糖を使って炒めるだけの料理だ。
小学生の時にはこれがお気に入りだった。兄弟で争うように
争奪戦を繰り広げた。
そして誰ともなく“あまから”と命名した。

それがいまだに、“あまから”で通っている。

醤油がこげた香ばしいニオイと、安価であるからこその
大盛りのあまから。

人に説明する時は、どういえばいいのかな?

まぁ、説明するほどの料理ではないが、
晩ごはんの食卓にならんでいると、
あの慌ただしかった夕食風景が甦る。
 
 





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ど~すんの?

2006年11月17日 | 日記・エッセイ・コラム
オダギリジョーの例のCM、あのカードが発売される。

「ど~すんの? オレ」ってカードらしい。
全部で25枚。値段は1,500円だったかな?

CMを見て問合せが殺到して、で、発売することになったらしい。

“忘年会シーズンに”

って事らしいが、これ実に微妙だと思う。

これで盛り上がれるのか? って事だ。

毎年この時期になると、“忘年会グッズ”なるものが発売される。
昨年なら

「フォーォォォォォォォォ!」

って言ってたあの人ね。名前は住谷君だっけか?
あれなら出落ちって言うか、着てるだけで結構楽しめたと思うけど、
“ど~すんの? オレ”カードの使い道がワカラナイ。

そんな事言ってても、いざ忘年会で誰かが使ってると、

(しまったぁ! 買っておけば良かったぁぁ!)

って思うかも知れない。

結構、こういう類いのグッズは好きな僕。
ゴムで出来た金づちや、スポンジ素材の岩石を購入しては、
飲み会でびっくりさせて喜んでた時期も確かにあった。

旅行なんかに言っても、誰も見つけないような掘り出し物を
お土産コーナーで発掘することに執念を燃やした若かりし日もあった。

CM見てて、仮に自分があの立場になって、
目の前に三枚のカードがあった時、どうするかなと思った事もある。
選択肢は三つあるわけだが、最後の判断は自分でするしかない。

だったら、劇団ひとりバージョンの様に、
選択肢が“ひとつ”の方が、いいんじゃない? って楽な方に逃げがちな
僕だが、ホント“ど~する?”って迷うだろうなぁ。

日常では、そんな場面はまだない。
迷うほど選択肢がないって事は問題だが、殆どの場合は

“二者択一”な事が多い。
“するか、しないか”とか、“行くか、行かないか”とか

夜中のラーメンを“食べるか、食べないのか、本当に食べないのかぁ!”

てな感じで、どっちなのかって事ぐらいだ。

忘年会グッズとして買うのも良いが、ちょっと決断がね、出来ないね。
かと言って今流行のテーブルマジックも出来ないし……ね。

う~ん、受けるだろうか? って何処に売ってるのかな?

初めは買わない事と決めて、ここまで書いて来たけど、
書いている内に

「有りかも?」

って思うようになってしまった。

どうしよう?
買うか、買わないか。

う~ん、どうしよう?

買うの? 買わないの? 
 
 
ど~すんのよぉ? オレ!
 
 
オチは、皆さんの予想通りに落ち着きました。
 


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凄いね

2006年11月15日 | スポーツ
松坂への入札額が60億円らしい。

凄い、凄すぎるよねぇ~この金額。30日間の独占交渉権を得る為だけの
金額ですよ、これ。

契約金や年俸は別だってんだから、凄いよねメジャーって。

それだけ凄い投手ってことなんだろうな。

昔、テレビでどれだけプロ野球選手が凄いのかって説明で、
かの上岡龍太郎先生が、

「小さい頃から町内で、物凄く上手いヤツがいてね、そいつが名門校に入った。
 でも、レギュラーにはなれなかった。上には上が居ると思った。
 で、名門校なんで一応甲子園には出場出来たけど、1回戦でボロ負け。
 相手チームには凄いヤツがいて、卒業後にはプロ野球に入った。
 でも、結局1軍に上がる事なくクビになった。」

この話を聞いた時は、

(上には上がいるんだ)

って思ったモンだけど、松坂を小さい時から知ってる人って、
どんな感想なんだろう。
だって、最初から近所に最高峰に上手いヤツがいるってことでしょ?

あと、プロ野球選手やらの年俸見てたら、ちょっと金銭感覚が麻痺するって
言うか、高卒でもすでに僕の年収越えてるヤツがいるんだから。

最高年俸が3億とかだから、2軍の選手の年俸なんか見てると、

「おぉ~、こいつ840万かぁ!」

って思うけど、高卒ですよ、高卒。

僕の初任給なんて忘れてしまったけど、
やっぱ才能のあるヤツってのは凄いね。

で、そんな野球中継を見ながら、

「あぁ! なんでそんな球振んねん!」

って突っ込み入れたり、絶句したり、身を捩りながら
罵声を浴びせつつ、ビールを飲んだりしてるけど、あの画面に映ってるヤツらに
野球で勝てるヤツがテレビ見てることなんて無いんだけど。

スポーツ観戦ってのは、そういうもんなんでしょ? って言われればそれまでだけど。

どんなスポーツだって、応援してるヤツの方が上手いなんてコトは
あり得ないわけで、プロ選手も大変だなぁって思ってしまう。

けど、けどですね、その報酬が億なんですよね、スーパースター達は。
置くんちゃいますよ、億ですよ(by トミーズ)

で、たまに思う事がある。
ファン感謝デーなんかで、素人スピードガンコンテストに出場して、
158キロぐらい放るの。

ベンチで笑ってた選手たちも、スタンドのファンも驚きの表情。
一呼吸おいてから、凄い歓声が。

「一度、選手に投げてみたい」

と言い出すと、主力バッターが相手をしてくれる。

初球はカーブ。鋭いカーブ。
キャッチャーからの返球を受け取りながら、微妙に懐かしいハンカチで
顔の汗を拭う。
二球目は、フォーク。
バッターは信じられない表情。

そして三球目。直球を投げ込む事を予告し、投げた球速は162キロ。
空振り三振。

慌てて、球団幹部達がやってきた。

グローブをはずしながら、スタンドの歓声に手を振って応える。

「ぜひ、うちのテストを受けてもらえないか?」

球団のお誘いの言葉に笑顔で

「やめときます。それに今の仕事が好きなんで」

こんなヤツが本当にいたら、凄い!って思う。
 


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DVD

2006年11月14日 | 日記・エッセイ・コラム
類は類を呼ぶ。こんな言葉あったかな。

古本屋にはよく通う方だと思う。ブックオフなんてよく通っていた時は、
一週間に8日ほど行っていたものだ。

他にも色んな古本屋に行くが、店を出る前には必ず立寄るコーナーがある。

“エロコーナー”

カーテンで仕切られ、幼子や女子に目に触れられないようにしてある。
何とも言えない雰囲気がある。

近頃では、ネットで動画をダウンロードが出来るんで、
わざわざ買う人も少ない。レンタルでも充分だし。
でも立寄ってみると、それなりに人はいる。

しかし、その人達を見ていると何だか共通点があるように思う。
もちろん、その中に自分も含まれるわけで、
それを含めた“戦友”となるわけだ。

昔、レンタルショップで勘弁してほしい客と一緒になった。
ニンニク臭プンプンで、あの後、人に出会ったら、

「あれ? 焼肉食べて来た?」

なんて言われるのが確実な程、そのニオイは店内に充満していた。

(あの人だ!)

臭いの元を辿って行くと、小太りなおじさんに辿り着いた。

そしてその人は、一本のビデオを手に取り、パッケージを必死に
見つめる。
僕ですら無気味に思ったのだから、これを女性方にお見せすれば、
かならず嫌悪感を持たれる事間違いなしの、場面だった。

とにかく鼻息が荒い。鼓動まで聞こえてきそうな鼻息だ。

「すふぅー、すふぅー」

ダースベーダーでも、もうちょっとお上品だろう。

大音量で漏れ続ける鼻息と、ニンニクの臭いに我慢出来なくなった僕は
速効で1本のビデオを手に取ると、そのまま息を止めて店内を出た。

古本屋のエロコーナーでは、こんな経験をした事はないが、
独特の雰囲気がある。

DVDって結構高い。安いものなら3,000までだろうが、
マニアックなものなら、平気で10,000円なんて値札が貼ってある。

それを手にとる作業服姿の男性。
一点を見つめている。
イヤな記憶が甦る。

しかし、鼻息など聞こえて来ない。
冷静だ。
品定めも真剣だが、冷静だ。

レンタルと違って、様々な葛藤があるんだろう。

10,000円なんて、気軽に手を出せる物じゃない。

と思っていると、それを手にレジへと向った彼。

(買うのかぁ!)

感心していると、ふいに立ち止まる。
まだ悩んでいるようだ。

踵を返すと、元あった場所へと進む。

(やっぱ、高いですよねぇ~)

僕も店をあとにしようと進み始めると、
なんと彼はもう1本手に取ったのである。

古本屋のエロコーナー。

それは、金の使い方が豪快なスケベが集まる場所である。
 


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剪定

2006年11月12日 | 日記・エッセイ・コラム
記憶に残る一日となった。

毎年この時期、剪定作業がある。
とある所の並木をイルミネーションで飾る為に剪定をする。

「飾るのに剪定?」

と、不思議に思われる御仁も居られると思うが、
これ結構大変。

まぁ、早い話がボランティア的な行事なのだが、予算がない。

それ故に、剪定作業をかって出て、イルミネーションの費用を捻出させる。

今年で6年目を迎えた活動である。

しかし、今年はのっぴきならない事情で、規模を縮小して飾りつける。

これが今日の

“ターニングポイント”

だった。

昨年まで、すべての並木に飾りつけをしていたのだが、
今年は約3分の1程度。

飾り付けをするなら、その“枝ぶり”もデザイン的に重要で、
僕のような美的感覚が研ぎすまされた人間なら、

「う~ん、あの枝は、あと5センチ切らないといけない!」

とかいって、時間を潰すのであるが、
今年は、早い話が剪定に熱中というか、明日のことなんて考えないで、
大胆な、ただただ大胆な伐採をすることができるのである。

そして二つ目の“理由”が、ターニングポイントに重なる。
理由と書いて“わけ”と読むこの要素こそが、
あとから考えれば、悲劇の最後の引き金となった。

その理由とは?

参加者が劇的に少なかったのである。

昨年の約3分の1

伐採作業に集中できるとは言っても、あまりに少ない人数。

「明るいうちに終われるか?」

朝集まった時から、走馬灯のように、
夕焼けを見ながらの作業が脳裏をよぎる。

“去年までの2倍の、いや、3倍のスピーディーな作業こそ大事!”

と、人知れずスピードアップを図った。

敏感な人なら、僕の手が3倍のスピードで動いている事も
気付いてくれたかも知れないが、周りを見渡すと、
誰もがもくもくと作業をこなし、
約5.5倍のスピードで枝を伐採していく。

「よぉ~し、わたくしもぉ!」

と気合を入れた瞬間、

“イタっ!”

みるみる内に、軍手が鮮血に染まる。

枝を切らずに、指を切ってしまった。

6年目にして、はじめての出来事だった。
 


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