常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

生れる

2022年07月03日 | 日記
生れたばかりのトンボが室内に迷いこんで来た。飛ぶ力も弱く、手のひらのなかで弱々しく、足を踏ん張っていた。窓の隙間を見つけると、すうっと青空に向かって飛び去った。日光を浴びることで、羽を強くし飛ぶ力をつけるだろう。こんな発見のあと、ラインで娘が、ひ孫の誕生を知らせて来た。生まれたばかりの子は、両親の腕のなかで、落ち着いて目を開けていた。本当はまだ目ははっきりとは見えない。両親の腕のなかにいることで、安心を保つことができる。

茨木のり子は詩のこころの第一に「生まれる」をあげている。この世に生を享けることは、詩の大きなテーマになる。そして、谷川俊太郎の「芝生」をあげている。

 芝生
そして私はいつか
どこかから来て
不意にこの芝生の上に立っていた
なすべきことはすべて
私の細胞が記憶していた
だから私は人間の形をし
幸せについて語りさえしたのだ

この詩では、地球に生れる全ての生命について、その本質が見事に捉えられている。トンボもセミも、人間の子も生まれ落ちたとき、すでに生きのびるための知識がその細胞に刻まれている。

私自身、先日の山中で意識を失ったとき、不意に山の坂道で意識を取り戻した。第二の誕生と言うべき、新しい生命が肉体に宿った。賢しらな老人は、そこで死に、新しい生命が不意に生れた。新しい生命の誕生に出会って、たまらない愛おしさが感じられる。トンボも人の子も、新しい生命と言う点で変わることはない。そして生きのびた命を、これからどう長らえていくか。私には新しい課題が加わった。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おめでとう! (桃太郎の爺)
2022-07-03 11:12:59
おめでとう!
曾孫の誕生、こんな嬉しいことはない。
国の宝、健やかな成長を祈ります。
返信する
Unknown (ありがとうございます!)
2022-07-03 14:33:22
この時代、ひ孫を見るのはなかなか難しいようです。やっと間にあいました。
返信する
 (tango)
2022-07-04 09:00:11
おめでとうございます
お体に気を付けてひ孫ちゃんの成長を
見守りましょう。命の大切さを強く感じる
この頃です!
返信する
ありがとうございます (miki701_1941)
2022-07-04 09:30:33
短い時間の間に
これほど命のことを
考えさせらたことは
ありません。体内には
きっと命を司るセンサー
のようなものがあるような
気がします。
返信する

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