この一週間、晴天が続いている。11月の中旬にしては気温が高い。散歩道で一面の落葉。寒さで戸外へ出難くなっていたが、こんな陽気だとやはり戸外の散歩は気持ちいい。ネットでは、小夏日和なる新語が登場している。芥川の俳句に
拾得は焚き寒山は掃く落葉 龍之介
というのがある。寒山拾得というのは、唐代の高僧で寒山と拾得のことである。二人は親友で、奇行が多く詩人としても有名で、禅画にしばしば登場する。拾得は経を開き、寒山は庭で落ち葉を掃く姿が描かれる。
寒山の風姿を伝える文がある。やせこけて、樺皮の冠をかぶり、破れ衣に大きな木靴を履き貧窮零落した風狂人のような姿の寒山は、拾得のいる国清寺に来て残飯を竹筒に入れて貰っていた。廊下で構わず騒いだりするので、僧たちが追い払うと大笑して去った。その絵をみると、二人は呵々大笑しておどけている姿が多い。
芥川の句は、お寺の庭の落ち葉を掃く僧の姿を見て、唐代の僧と重ねて詠んだところが面白みである。
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