新年を寿ぐ行事に「八坂神社」で奉納された今様があります。
今様は、平安時代から鎌倉時代に、身分の上下に関わらず流行した歌曲。後白河法皇がこよなく愛したことでも知られます。今様の歌謡集「梁塵秘抄」を編集。それが現代にも伝わっています。
「遊びをせんとて生まれけむ 戯れせんとや生まれけん」という言葉で始まる歌曲は、とても有名…
今様を広く知らしめたのは、白拍子と言われる女性の芸能者で、源義経の恋人だった静御前もそのひとり。当時は、水干に立烏帽子、白鞘巻の太刀を差した姿で、舞を披露。その姿は、美しい公達を思わせるもの。「宝塚の男役のスターみたいだったのかなぁ~」とミモロ。たぶんそんな感じだったかも…「みんな憧れちゃうね~」
今は、太刀を持たずに舞いますが、凛とした雰囲気はそのまま。
1月8日に行われた「日本伝統芸能団」の奉納のひとつに「日本今様謌舞楽会」による今様がありました。
「ミモロちゃん、今様やってみませんか?」とおっしゃるのは、「日本今様謌舞楽会」の2代目のお家元の石原さつき先生。
この会は、1948年に、今様の復活と研究、国内外での奉納や公演活動を行うことを目的に、桝井泰山先生が設立。1978年から石原さんが継承し今日に至ります。時代の波の中、いにしえの今様がいかなるものであるかは、正確にはよくわからないそう。さまざまな資料などから研究を重ね、ひとつの形を築き、それを元に現在、今様が蘇っているのです。
「え~ミモロもできるかなぁ~?」と興味を抱く様子。
この日、特別に白拍子の装束を見せて頂きました。
赤い下着物の上に、薄い布でできた水干を合わせます。
そして、赤い長袴をつけます。
「長袴って、なんかすごく複雑な構造になってるんだ~」と、剣道や居合の時の袴とは、構造が異なります。
「え~どうなってるんだろ?」とミモロは不思議でなりません。
水干を付けた後に履く長袴。袴についている長い帯を前で結びます。
そして烏帽子を被れば出来上がり!
「なんか歩くの大変そうだね~」優雅に舞えるようになるには、かなり練習が必要。
白拍子が舞う曲を歌う男の方々の用意もできました。その装束は、平安貴族のような狩衣姿です。
さぁ、装束の準備ができました。いよいよ舞台へ向かいます。
「もうすぐ始まるね~」とミモロは、急いで舞台のところへ。
この日は、新春を寿ぐ演目が行われます。まずは、石原先生のご挨拶。
舞台の脇に陣取るのは、歌唄う皆さん。
今様の歌詞は、7,5,7,5…で構成されているのが特徴のひとつ。
「日本の歌は、この今様の構成のものが多いんでって…」と教わったミモロ。
「荒城の月」「われは海の子」「蛍の光」などの歌詞もこの形式になっていることをご存じですか。
日本語の調子にマッチした言葉運びは、今様の時代から受け継がれているのです。
ミモロは、最前列に陣取って、舞台を見つめます。
「かっこいいね~」と。きっと昔の人たちもミモロのように憧れの熱い視線を注いでいたことでしょう。
年間を通じ、さまざまな公演や奉納を行うみなさん。今様に興味がある方の参加を歓迎しています。
「もし今様習うなら、ミモロに合うサイズの装束がないから、自前で揃えないと…」と、う~かなり本気になっているミモロです。
*「日本今様謌舞楽会」の詳しい情報はホームページで
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