小雨が時折降る7月17日。この日は、「祇園祭」の「山鉾巡行」と「神輿渡御」が行われる、京都が最も活気づく日です。でも、今年はコロナの影響で、それらは戦後初、中止になりました。でも、「祇園祭」をこよなく愛する京都の人たちは、大切な厄払いのお祭りを規模を縮小して、粛々と行いました。
夕方、18時近く、ミモロは、「八坂神社」に到着。
「あ、白いお馬さんの準備ができてる~」。本殿の脇の美しい白馬に、神様用の特別席が設けられています。
しばらくすると、白馬は、神輿が鎮座する境内南側の神輿庫へと向かいます。
そこで、榊に神輿から神様をそれぞれお遷しします。
「あ、白馬の背に3本の榊が立ってる~」
ミモロの前を、白馬が静かに過ぎてゆきます。ミモロは、他の観客といっしょに、じっとそれを見守ります。
18時になり、いよいよ行列の出発です。
勅板や幸鉾という神宝を先導に、しずしずと進む行列・・・
「あ、白馬だ~」背に3本の榊を乗せた白馬・・・この行列は、祇園祭史上初のスタイルだそう。
「なんか御神輿じゃないの・・やっぱり寂しい…」とミモロがつぶやいていると、そばにいらしたガッチリとした体格のお兄さんたちが、「う~こんなん初めてや~」と。その方々は、神輿を毎年担いでいる三若の方々。「今年は、暇や~京都中の祭りがのうなったし…」と。いつもなら、白い装束で、神輿を担いでいる時間です。
「まぁ、神輿は、濃密やしなぁ~。クラスター起きるわ~。濃厚接触者、めちゃ多くなるしなぁ~」と諦め顔に…
白馬は、南側の門を出てゆきます。それを見送るミモロたち…
神様を乗せた白馬が、門を出ようとしたとき・・・門の脇に控えていた人たちが、一斉に「ホイットー、ホイットー」と大きな声で神輿の掛け声を手拍子と共に始めました。
3基の神輿の担ぎ手である「三若」「四若」「錦」の方々です。白馬が門を出て、姿が見えなくなるまで、「ホイットー ホイットー」という京都の神輿の掛け声が、境内に響きます。ミモロのそばにいた方も、大きな声でそれに合わせます。
ミモロは、その声を耳にして、なんか涙が出てきました。「みんな、神輿を担げなくて、どんなに寂しいんだろう…」
きっと物ごころ着いた時から、耳にしていた神輿の掛け声…何十年も、毎年神輿を担ぎ続けた人たち・・・それが今年、初めてできなくなった口惜しさ。
境内に響く「ホイットー ホイットー」の掛け声も、もちろんいつもの勢いはありませんが、せめて神輿に代わる榊を神輿のように見送りたいという思いがこもった掛け声です。
たった10年近くしか、京都に暮らしていないミモロでさえ、毎年見る神輿の活気が見れない寂しさを感じます。地元の方の寂しさは、想像を超えるものがあります。
白馬の行列は、やがて四条通へ、そこから、河原町通西側のお旅所へと、一直線に進みます。
「あ、白馬も見えた~」
広々とした「八坂神社」の西側の石段下の交差点。いつもなら、この時間、ここには、3基の大きな神輿が勢ぞろいして、それを担ぐ人たちの白い半被が埋め尽くす場所です。そこから、神輿は、氏子町を別々に巡り、夜21時過ぎにお旅所へと集結し、そこで神事が行われるのです。
でも、今年は、氏子町を榊は回らず、30分弱で、御旅所に到着し、神事が行われるのです。
行列を見送った石段下・・・そこに歓喜の声もありません。みんな、マスクをして、大きな声を出すことを自粛しているのです。
そんな状況でも、ひと目でも、白馬に乗った神様を拝もうという人々が沿道に連なっていました。
そして、白馬が交差点を過ぎると、すぐに交通規制が解除され、車が東大路通に入ってきました。
いつも変わらぬ交差点に・・・「なんか行列が通ったのが嘘みたい…」
ミモロは、「八坂神社」の方を、振り返ると、そこに「疫病退散 がんばろう日本」と書かれた旗がありました。
「そう、コロナに負けない!みんなで、頑張らなくちゃ!」と思うミモロです。
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