ミュージカルなんてものはたいした物でないと思っていたのは間違いだった。私の勝手な思い込みだった。今日、名演で劇団スイセイ・ミュージカルの『サウンド オブ ミュージック』を観た。『サウンド オブ ミュージック』は子供のための作品で、映画ではアルプスの山々を背景に見応えがあったけれど、舞台であのスケールを出すのは無理だろう。そう勝手に思い込んでいた。幕が開いても睡魔に誘われるように眠りの世界にいた。
ところが実に面白い。4枚(?)のスクリーンを巧みに使い分け、修道院であったり、アルプスの裾野であったり、ザルツブルグの街であったり、トラップ家の広間や庭であったり、その演出は実に見事なものだった。出演者も歌がうまいのは当然なのかもしれないが、本格的な歌い手ばかりだった。いやそればかりではなく、ミュージカルを盛り上げる踊りも素晴らしかった。
映画は何度か観たから筋はわかっている。それなのに、どんどん見入ってしまった。見入っていたばかりでなく、涙が流れきて止まらないのだ。最近、冨に涙腺が緩んでいる。隣りで涙なんか流している人は一人もいないのに、老いた大人が涙を流しているなんてみっともない。そう思っているのに、どうしてなのか止められない。我ながら馬ッ鹿じゃないと思う。それでどういう場面で涙が出てきているのか、分析してみた。
のど自慢を見ていても、落語を聴いていても、結局同じようなところで涙が出てくる。どういうところかというと、人と人との心が解け合うような場面だ。もちろんこの場面というものも、私の「思い込み」に過ぎないし、私の「勝手な解釈」に過ぎない。そんな場面ではないと、人は言うかもしれないけれど、私としては「泣ける」のである。
科学が進歩して、人の分析も進んでいる。人を形造る遺伝子は同じものだそうだ。それでも60臆人の人が存在している。人がその生涯に出会う人の数は何人とかいった数字まであるそうだ。ところが人は、人によって感じ方は違う。人間は言葉を持ったから、空の色は青とか血の色は赤とか便宜的に決めてきたが、これも私の勝手な「思い込み」だけれど、同じ赤と言っても人によって本当は違うのではないかと思っている。
具体的なものでさえ違いがあるのだから、抽象的なものはなおさらである。好きとか恋しいとか愛しているとかは、どう判断できるのだろう。『サウンド オブ ミュージック』の中で、マリアとトラップ大佐は恋に落ちるけれど、年齢の差は20前後はあるだろう。恋に年齢差は関係ないのか。ナチスドイツに占領され、進んで協力する者と拒否する者が生まれる。生き方の違いは愛し方の違いにもなった。でも、愛し方の違いが生き方の違いになったのかもしれない。
ところが実に面白い。4枚(?)のスクリーンを巧みに使い分け、修道院であったり、アルプスの裾野であったり、ザルツブルグの街であったり、トラップ家の広間や庭であったり、その演出は実に見事なものだった。出演者も歌がうまいのは当然なのかもしれないが、本格的な歌い手ばかりだった。いやそればかりではなく、ミュージカルを盛り上げる踊りも素晴らしかった。
映画は何度か観たから筋はわかっている。それなのに、どんどん見入ってしまった。見入っていたばかりでなく、涙が流れきて止まらないのだ。最近、冨に涙腺が緩んでいる。隣りで涙なんか流している人は一人もいないのに、老いた大人が涙を流しているなんてみっともない。そう思っているのに、どうしてなのか止められない。我ながら馬ッ鹿じゃないと思う。それでどういう場面で涙が出てきているのか、分析してみた。
のど自慢を見ていても、落語を聴いていても、結局同じようなところで涙が出てくる。どういうところかというと、人と人との心が解け合うような場面だ。もちろんこの場面というものも、私の「思い込み」に過ぎないし、私の「勝手な解釈」に過ぎない。そんな場面ではないと、人は言うかもしれないけれど、私としては「泣ける」のである。
科学が進歩して、人の分析も進んでいる。人を形造る遺伝子は同じものだそうだ。それでも60臆人の人が存在している。人がその生涯に出会う人の数は何人とかいった数字まであるそうだ。ところが人は、人によって感じ方は違う。人間は言葉を持ったから、空の色は青とか血の色は赤とか便宜的に決めてきたが、これも私の勝手な「思い込み」だけれど、同じ赤と言っても人によって本当は違うのではないかと思っている。
具体的なものでさえ違いがあるのだから、抽象的なものはなおさらである。好きとか恋しいとか愛しているとかは、どう判断できるのだろう。『サウンド オブ ミュージック』の中で、マリアとトラップ大佐は恋に落ちるけれど、年齢の差は20前後はあるだろう。恋に年齢差は関係ないのか。ナチスドイツに占領され、進んで協力する者と拒否する者が生まれる。生き方の違いは愛し方の違いにもなった。でも、愛し方の違いが生き方の違いになったのかもしれない。