友々素敵

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ギリシャは新しい時代をつくりだす

2011年11月05日 19時28分05秒 | Weblog

 経済危機にあるギリシャのパパンドレウ政権は、国会で信任されたという。欧州連合(EU)が必死でギリシャ支援策を議論し、まとまって行動しようとしている最中に、パパンドレウ首相はその支援を受け入れるか否かの国民投票を行うと唐突に発表した。そうかと思ったら、与野党に反対されて撤回し、首相を辞任するとかしないとか、混迷が続いた。日本だけでなく世界中どこも同じように政治の混迷が続いているようだ。

 

 パパンドレウ首相の国民投票という案を、私は面白いと思った。ギリシャの国民は勤勉なドイツ人らに「怠け者」呼ばわりされ、支援の代わりに様々な再建策を受け入れなくてはならない。支援は無利子で行われるわけではないので、長期にわたって重税に苦しむことになる。しかし、ギリシャ国民からすれば、どうしてこんな借金地獄の国になってしまったのかという不満があるようだ。

 

 もともと観光が一番の産業という国だった。EUに参加して巨額の投資を受けるようになり、なんとなく豊かな国になったように思っていたら、これまでの政権が滅茶苦茶に国債を発行していたのだ。それも国民に一切知らされなかった。確かに4人に1人が公務員という様な異常な国家の形になっているが、「怠け者」呼ばわりされるのは我慢ならないと怒る。財政危機にあるのはこのギリシャに続いて、スペイン、ポルトガル、イタリアなど南欧州の国々である。

 

 イタリアとスペインは旅したことがあるが、何度でも行きたいと思う。食べるものは美味しいし、何よりも人々がのんびりしている。イタリアの農家で昼食をいただいたが、その家のおじいさんは歌がとても上手かった。家具は4百年使っていると言うし、娘さんが着るウエディングドレスはおばあさんも着たものだと聞いた。スペインではドライブインでお茶を飲んでいたら、パトカーに乗ってきた警察官がカウンターでビールを飲んでいた。私は記念に一緒に写真を撮って別れたが、見るとカウンターの上に拳銃が忘れてある。急いで呼び止めたけれど、これにはびっくりした。

 

 これらの国々の人々は生きることは楽しみで、楽しみがなければ生きている意味がないのだろう。陽気で、歌が好きで、青い空をこよなく愛している。暑い時は休み、夜はみんなで酒を飲み、決して高い車には乗らない。車は走ればいい、多少傷がついていようが汚れていようが気にしない。有名なお店で買い物をしていても、時間になればさっさと「クローズ」してしまう。1品でも売ろうという気はないようだった。

 

 パパンドレウ首相の提案通りに国民投票が行われ、経済支援を拒否したならどうなったのだろう。経済通の人々は世界恐慌へ発展していくだろうと予測している。欧州の大手銀行はギリシャに投資した金が回収できず破綻に陥る。すると、それらの銀行に投資していた企業や金融機関も破綻の連鎖に追い込まれ、世界恐慌となると言うのである。そうか、それなら一度やって見たらいいのにと私は思う。銀行に預金もなく、株や証券も持たない私は失うものはない。言ってみれば、お金持ちがお金を失い、お金を借りた人々は借金がなくなる。確か日本でも鎌倉時代や江戸時代に徳政令が交付され、借金がチャラにされたことがあった。

 

 古代民主主義の発祥の地、ギリシャは新しい時代をつくり出す。何か因縁であるような気がする。

コメント
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