友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「お・も・て・な・し」が傷ついた

2013年11月10日 19時09分32秒 | Weblog

 「お・も・て・なし」が傷ついた。有名ホテルや百貨店そればかりかいろんなところで「偽装」が行なわれている。利益増を求め続けて来た結果だが、テレビ討論で「これは教育の問題だ」と言う人がいた。日本人は真面目にコツコツと努力することに務めてきたのに、目先の儲けという間違った道を歩いていると指摘する。是正するには教育が一番だと言うのだ。これは間違っている。「偽装」をやっているのは大人だ。学校教育では「利益を上げることが一番大切」などとは教えていない。教えたのは先輩であり、会社であり、社会である。

 「お・も・て・な・し」は裏も表もないという言葉。いわば精神。人間に裏も表もないわけがない。けれどもあなたと私という関係では裏も表もありません、そういう心で接待いたしますということだ。逆に見れば、人間社会はドロドロと薄気味悪いほど裏表があるということだろう。駆け引きや裏切りや蹴落としや、とにかく名誉や地位や金のために、人間は悪魔になる。自分から望んでなる人もいれば、誠実に生きているつもりなのにそうなってしまう人もいる。

 昨日のコンサートは「永遠の愛」がテーマだった。初めに演奏された曲はシューマンのもので、次がブラームスだった。ブラームスはシューマンに高く評価された若者である。ブラームスはシューマンのもとに通い詰めた。シューマンの妻、クララに惹かれていたためとの説がある。ブラームスが20歳くらいの頃、シューマンは自殺未遂を起こし、2年後に亡くなった。クララとシューマンは文通をしている。その文面では次第に親しくなっているそうだが、結婚することはなかった。

 クララはオーストリア皇帝から「天才少女」と賞賛され、周りからの信望も厚い。ブラームスはまだ駆け出しの音楽家、いくらクララが好きでも結婚は無理だったのかも知れない。結婚はしなかったけれどふたりがプラトニックラブだったとは思えない。私をコンサートに誘ってくれた友だちに「カミさん以外の女性に心が向かったことは?」と聞くと、彼は「ないねー」と答えた。彼のカミさんに「あなたは幸せだねえ」と彼の答えを話すと、「本当かなあー」と言う。彼の席の隣りには見知らぬ女性が座っていた。

 人間は不思議な生き物だ。だから面白いと思う。それに気付かせてくれる教育であって欲しい。

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