日本維新の会が、特定秘密保護法案で与党との協議の末に賛成に回るようだ。同法案意反対していたみんなの党に続いて、これで2政党が修正で妥協することになった。「秘密はダメだ」と言っていた橋下大阪市長で維新の会の共同代表は、「非常に不本意でも、駆け引きしながら少しでも修正するしか、野党の道はない」と容認する方向だが、「国会議員団が決めたことに、いまさら言っても仕方ない」と、政党の党首としては全く無責任な発言をしている。
みんなの党も維新の会も、国家が秘密を守ることは当然のことと考えている。ただ、自民党の補完勢力と言われないために、まず反対し、自民党案を修正させたと成果を強調したいのだろう。当初に反対していた政党が2つ賛成に回れば、4政党が賛成の法案という形が出来る。自民党としては願ったりというところだろう。マスコミはこぞって特定秘密保護法案に反対している。けれども国民運動にはなっていない。
新聞では同法案に反対するデモの写真が掲載されているが、若い人の姿が見えない。原発反対のデモの時もそうだったけれど、どちらか言えば高齢者と女性の姿が目立つ。労働組合はもう名前だけになってしまった。賃上げで決起集会などは行なわれているようだけれど、広く政治的な課題を掲げて集会やデモを行なう力は無くなってしまった。ある意味で、これはよいことのように思う。反対したい市民が自らの意思を表現することが大切だ。かつての組合運動のように、上からの動員は、結局は考える市民を生まなかった。
圧倒的多数の市民がいまだに傍観者だ。成り行きをじっーと見ている。暗い時代になるのを歓迎する市民は圧倒的に少ない。傍観者である市民が同法案への反対の意思表示をするようになるのだろうかと懸念する。いやいつか、そういう時代が来るだろうけれど、今がその時なのだと思うけれど、そんな確信が持てないでいる。明日は市主催の福祉フェスティバルが開かれる。でも、誰も決して特定秘密保護法案について話しはしないだろう。