朝、ルーフバルコニーに出ると秋のような爽やかさだった。昨日から、朝の冷え込みは厳しく、半そでのシャツでは寒いくらいになった。薄い上着を1枚着込んで、水遣りをしていると鼻がもぞもぞしてポタリと鼻水が落ちる。「ハクッション」とクシャミが続く。寒い。鼻水とクシャミは治まらない。いよいよ秋の到来である。寒暖の差に過敏に反応するアレルギー体質には苦難の季節だ。目もショボショボ、鼻はムズムズ、クシャミは続く、全く憂鬱な季節である。
今日から長女とその娘たちは、仙台に住む次女の家に行くという。5歳の孫娘は体操教室に行っているというので、ちょっと覗いてみようかと思ったが時間が合わず、お昼を一緒に食べることになった。5歳の孫娘が保育園の年中組を代表して出場した相撲大会の録画を見せてもらった。体育館の中であったけれど、マットの上に円が作られた立派な土俵だった。
1度目の男の子に対しては、出だしよく土俵の外へと押し込んだが、同時に倒れ微妙な勝負となった。孫娘は押し出したという自信があったのか、円の内側で判定の下るのを待っていた。行司の判定は男の子に上がったが、ものいいが付いて取り直しとなった。取り直しでは見事に押し出した。自分よりも大きな男の子を相手によく奮闘していたが、身体の差は歴然で、最後の試合は振り回されて負けてしまった。
その時、孫娘は泣き出した。勝てると思ったのに負けたからか、負け方に余りに差があったからか、オイオイと泣いたそうだ。泣きながら帰って来た妹を迎えて、20歳の孫娘は「よくやったね」と一緒にオイオイと泣いたという。それを見ていた長女のダンナの両親も思わずウルウルとしてしまったらしい。私はその場にいなくてよかった。いたならきっと、孫娘たちと一緒に泣いていたかも知れない。
長女たちと別れて、私の妹夫婦と一緒に、施設にいる姉を見舞いに行った。姉はすっかり穏やかな表情になった。私たちを見るなりニコニコして嬉しそうな顔をした。カミさんがお茶をのどに詰まらせて咳き込むと、「どうしたの?」と心配をしてくれた。帰りの車の中でカミさんが「お姉さんのことがあって、みんなが集まる機会も増えたわね。これが家族っていうものなのね」と言う。私のクシャミはまだ続いている。