「安倍昭惠さんの証人喚問を避けるには、麻生さんが辞めなきゃー収まらんでしょう」と義弟は主張する。定年退職してからも続けて働いていたが、70歳で仕事を辞めてからは、もっぱらテレビ漬けの生活なのか時事問題に詳しい。「これで安倍さんの3選も無くなった」と言いつつ、「代わりが見当たらない。小泉はまだ早い。もう少し勉強する必要がある。それに仲間を作らないと年寄りに潰されてしまう。自民党を割って、新党を立ち上げ、党首になって総理になるにはもう少し時間が要る」。
なるほど、小泉進次郎さんに期待しているのか。これだけ安倍首相の「森友・加計問題」の闇を見せられると、国民の多くは清潔感の漂う小泉進次郎さんがいっそう潔癖に見えてくる。義弟の言うように政治の世界は当選回数がものを言うから、年寄りが幅を利かせていて、若手の活躍の場を奪っている。昨日も書いたが、長期にわたってポストに就いていると必ずよどみが生まれてくる。保守でも革新でもそれは変わらない、人間の宿命なのだと思う。姉の見舞いの道すがら、義弟は話し続ける。
おそらく義弟のように思っている人は3割いるだろう。それでも「野党のバカな質問」と共感する人も3割はいるだろう。残りの4割はどちらでもいい、どちらにも変わる人だ。私が地域新聞を始めた時、私を支持してくれた長老が、「世の中は3分の1が賛成でも、3分の1は反対する。残りはどちらでもないからどちらにもつく。自分が信念を持っていないとへこたれてしまう」と教えてくれた。絶対多数の賛成はない。それでも共感してくれる人は必ずいる。そう信じてやってきた。
姉は今日も元気だった。姪っ子には「もう死ぬよ」と言っているようだが、少なくとも私たちの前ではしっかりしていた。姪っ子が持ってきたお菓子を「美味しい」と言ってよく食べた。しかし最近、薬を飲まないようだ。仕方ない、いずれは世代交代の時が来る。