すっかり春の陽気になった。公園で若いお父さんと3歳くらいの女の子が遊んでいた。通りかかると父親の方が軽く会釈された。知り合いではないが、道行く人に挨拶したくなるほど幸せな気分なのだろう。女の子も慌ててちょこんと頭を下げる。私も思わず手を振って微笑んでしまった。
お父さんは花壇の花を指さして、「何色?」と女の子にたずね、「あか」と答えると、「お利口さん」と褒めていた。父親と娘は小学校の4年生くらいまでは仲良しでいられるのに、年齢が進むにつれて疎遠になってしまう。男と女なのだから仕方のないことで、さらに大人になれば子どもの時とは違う、新しい親子になることも出来る。こんな幸せな時間が長く続きますようにと祈るばかりだ。
ロシアは今日、大統領選挙で確実にプーチンが当選するが、70%の投票率で70%の支持を目指しているという。なんとバカ気た選挙なのだろう。アメリカのトランプ大統領もあれだけおかしな言動なのに40%の人々の支持を得ている。ロシアもアメリカも形の上では民主主義国家だ。国民の一人ひとりの人権が尊重され、政府に対してデモも出来る。メディアも存在するが、ロシアは政府の規制が厳しいし、アメリカは「ウソのニュースだ」と大統領は批判する。
日本の麻生財務大臣も「朝日新聞はウソを書く」と批判していたのに、森友問題の公文書が改ざんされていたことが明らかになると、朝日新聞の記事が正しかったのに、「朝日は読まないから」と開き直る。アメリカもロシアも日本も、民主主義の国で、国民が政府を決める。けれど、なぜ政府と国民の間に遠いのか。そもそも民主主義って何なのだろう。
民主主義は国民主権を前提にしているが、いくら主権者と言われても実感がない。代議制では多数決を用いるから、数が多ければなんでも出来てしまう。議論する必要がない。多数決以外の方法はないのだろうか。いやその前に、国家などなくして、10万とか20万くらいの小国家にしてしまえば、直接民主主義が生きてくるかも知れない。あの小さな女の子が大きくなる頃には‥。