資材置き場に掘った井戸の電動ポンプに車がぶつかり、「塩ビ管を破損させてしまったから『修理して欲しい』と電話があったので、午後から出かけたい」と先輩から連絡が入った。先輩は頼まれたらすぐに動くことをモットーとしている。仕方ない、午後からの作業は諦めよう。ルーフバルコニーでのバラの植え替え作業がなかなか進まない。
資材置き場へ行き、見ると確かに車がポンプに当たったようで、吸管も蛇口に続く出水管も破損している。吹管はコンクリートで固定されてしまっているから、残った部分が間に合わなければ修理の仕様がないが、うまく切り離せばなんとか使えそうだった。出水管の方は部品があれば何とかなりそうだった。
倉庫へ戻って部品を探し、つなぎ合わせて何とか修理できた。電気を通してみる。エンジンは正常に動いているが、なかなか水が出てこない。水位が下がったのだろうか?毎日使っていたのだから、そんなはずがない。そうなると、接着した部分から空気が入るため、水を汲めないとしか考えられない。念のために接着部分をビニールテープで巻いてみた。
機械に強い男に先輩が助けを求める電話を入れたその時、水が出た。これで修理は完了だ。「断ろうか?」と先輩は言うが、「きっと向かっているから、来たら一緒にお茶しましょう」と答える。機械を扱っている彼は私たちとは発想が違う。感覚よりも論理を大事にし、順を追って考える。彼には教えられることが多い。
喫茶店で先輩が、「ウチの血圧計はエラーばかり出る」と言う。彼は「計測中に動いたらダメですよ」と答える。「奥さんにも計ってもらい、同じようにエラーが出るようなら、機械に問題がある。ところでその計測器は何年くらい使っているの?」と聞くと、先輩は「7・8年かな」と答える。「その間、電池は交換した?」と尋ねると、先輩は、「ほとんど使っとらんから、交換していない」と言う。「じゃー、まず交換してみて。次に奥さんにも計ってもらってみて」と指示する。先ほど、「電池を交換したら問題は解決した」と先輩から電話が入った。